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本当の悪夢
僕は生まれた。
あの廃屋の片隅で、僕は生まれた。
あの暗い海の底で、
【沢山の人間と出逢うだろう】
その言葉は遂に聞かれなかった。
広い宇宙が見えた、それは自分の居る宇宙ではなかった。
滅びし世界に生まれし人間、滅びし世界に生まれし悪夢、それが融合した時、本当の悪夢は姿を現す。
解るだろう??
町が見える闇が見える翠の川が空を流れている、蒼き水晶が土の下に沢山沢山有って、
遂に地獄に通じる門は開こうとしていた。
「行かないで」その思い虚しく
訳の解らない悲鳴が狭い部屋に木霊した。
でも、彼は信じてる、人間はいつかわかり会える事を、
光の渦が全てを飲み込む、変わらないものは無いと語りかけてくる、
それでも彼は変わらないだろう。
それでも彼は旅に行くだろう。
たとえ全部を失っても
何かが生まれると信じて…、
たとえ自分が宇宙の塵に満たない命であっても彼は諦めないだろう。
信じてる、彼には解る
何が解るかって?
【それはね…】
彼には【刻】が見えたんだ。
彼方よりいづる邪悪な光を打ち砕く、
強き闇
その【闇】の名前は…・




