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7/19

文烈様、優しい敵は扱いに困りますが?

劉明珠でございます。


前回、子和様が亡くなりました。

怖い方でした。

口数の少ない方でした。

私たちを捕らえた方でした。

けれど、私と玉珠を離さず、戸の中へ入らず、約束したお菓子は出してくださいました。

玉珠は、子和様のことを少し好きだったそうです。


少し――


たいへん玉珠らしい言い方でございます。


さて、その子和様の屋敷を離れ、今度は文烈様のお屋敷へ移ることになりました。


また車です――


長坂からこちら、私は何度も車に乗せられております。

そろそろ車輪の方から謝罪があってもよい頃ではないでしょうか?


文烈様は、丞相様が私の次の行き先として選んだ方です。

丞相様の信も厚く、私たちを粗略には扱わないだろう、とのこと……


ありがたいお話です。

ありがたいお話なのですが――


ありがたいことと、私が選んだことは、まったく別でございます。


今回は、文烈様との初対面です。


なお、玉珠はすでに、お菓子が出るかどうかを気にしております。


――それにしても、妹の攻略方法が、敵方に知られすぎている気がいたします……

文烈様のお屋敷へ向かう車の中で、私は車輪と和解しないことを決めました。

長坂では荷車。

許昌までは護送の車。

子和様の屋敷へも車。

そして今回も車です。

ここまで来ますと、私の人生を動かしているのは、丞相様ではなく車輪なのではないかと思えてまいります。

玉珠は隣で、揺れに合わせて少し体を弾ませておりました。

「姉上」

「何です?」

「姉上、また車に怒ってる?」

「怒っております」

「車、悪い子?」

「少なくとも、私に対してはたいへん不作法です」

「でも、文烈様のおうちに連れて行ってくれるよ?」

「連れて行く先を私が選べていれば、少しは評価いたしました」

玉珠は難しそうな顔をしました。

たぶん、半分も分かっておりません。

それでよいのです。

八歳、いえ、もう十歳に近い妹が、車輪の政治性まで理解し始めたら、私はいよいよ泣きます。

外では、丞相様の使者に付き従う者たちが淡々と進んでおります。

私たちは、また移されている。

劉備玄徳の娘として。

漢室の血を引く者として。

子和様の屋敷に置き続けるには、外聞に差し障る者として。

人間の説明書きは、増えれば増えるほど本人から遠ざかるようでございます。

玉珠が、そっと袖を握りました。

「文烈様、こわい人かな?」

「存じ上げません」

「子和様より?」

「それも存じ上げません」

「丞相様より小さい?」

「玉珠……」

「はい」

「まだお会いしていない方の背丈を心配するのは、失礼です」

「でも、丞相様は小さかったよ」

「事実は時に、失礼より危険です」

玉珠は真剣にうなずきました。

分かっていない顔でした。

車が止まったのは、昼を少し過ぎた頃です。

文烈様の屋敷は、子和様のお屋敷とは少し空気が違っておりました。

子和様のお屋敷は、音を立てることにも許可が要りそうでした。

こちらは、もう少し人の気配があります。

庭を掃く音。

馬の鼻息。

どこかで若い者が短く笑う声。

侍女たちが小声で打ち合わせる気配。

少なくとも、全員が息を止めている屋敷ではなさそうです。

だから安心かと申しますと、そう簡単ではございません。

明るい場所にも、罠はあります。

見えやすいだけです。

門前で出迎えた家人たちが頭を下げました。

その奥に、文烈様がおられました。

初めてお目にかかる文烈様は、子和様よりも柔らかい顔立ちをしておりました。

けれど、ぼんやりした方ではありません。

こちらを見た瞬間、私がどこを警戒しているか、玉珠が何に怯えているか、使者が何を背負って来たか、そのあたりを一度に見た目をしていました。

たいへん困ります。

優しい顔をした賢い方は、こちらの逃げ道を先に数えるのです。

「劉明珠殿、玉珠殿」

文烈様は、そう言って頭を下げました。

私は一瞬、返す言葉に迷いました。

移されて来た側に、移された先の主が頭を下げる。

礼儀としては正しいのでしょう。

ですが、私の立場としてはたいへんややこしい。

捕虜なのか、客なのか、室なのか、漢室の一員なのか、丞相様から預けられた荷なのか……

どの札を胸に下げればよいのか、そろそろ一覧表が必要です。

私は礼を返しました。

「劉明珠にございます。こちらは妹の玉珠にございます。このたびは、お世話になります」

言いながら、少し嫌になりました。

お世話になります――

便利な言葉です。

本人の意志と関係なく運ばれてきても、こう言えば形が整います。

文烈様は、私の顔を見ました。

「道中、疲れたであろう?」

「車とは、仲良くなれそうにございません」

文烈様が、少しだけ笑いました。

声を立てる笑いではありません。

こちらを馬鹿にするものでもありません。

「では、次に移動する時は、できるだけ揺れぬ車を選ばせよう」

「次がある前提なのですね?」

「ない方がよいな」

即座にそう返されました。

私は黙りました。

困ります……

嫌味を受け止めるだけでなく、正面から返してくる方は扱いにくい。

玉珠が、私の袖を握ったまま文烈様を見上げました。

「あの――」

「何かな?」

「文烈様のおうち、お菓子出ますか?」

家人の一人が咳をしました。

侍女が目を伏せました。

使者は、聞かなかったことにした顔をしております。

私は深く息を吸いました。

「玉珠、初対面の方に尋ねることではありません」

「でも、大事だよ?」

「あなたにとっては大事でしょうね……」

文烈様は一拍置いて、真面目な顔で答えました。

「出そう」

玉珠の顔が明るくなりました。

「本当?」

「本当だ」

「甘いの?」

「甘いものを用意させる」

「文烈様、いい人かも」

早い――

早すぎます。

敵味方の判断を、砂糖で行ってはいけません。

曹氏の皆様は、妹の攻略方法を的確に把握しすぎではありませんか?

父上――

あなたの娘は、敵地で菓子により陥落しかけております。

なお、陥落速度はかなり速めです。

文烈様は、玉珠の表情を見てから、私へ視線を戻しました。

「部屋は用意してある。妹君とは離さぬ」

その言葉だけで、玉珠の手が少し緩みました。

私は、逆に警戒を強めました。

欲しい言葉を、最初に出してくる。

この方は優しい。

そして、優しいだけではない。

「ありがとうございます」

「礼はよい。曹公より預かった方を粗略にはできぬ」

はい――

出ました。

曹公より預かった方。

守り札であり、檻の札です。

便利ですね……

私本人の名より、丞相様のお名前の方が安全に効くようです。

文烈様は続けました。

「ただし、この屋敷で暮らす間、不便があれば言ってほしい。変えられることは変える」

「変えられないこともある、ということですね?」

「ある」

文烈様は、迷わず答えました。

私は少しだけ目を細めました。

「正直でいらっしゃる」

「嘘をつけば、そなたはすぐ分かる顔をしている」

「そのような顔をしておりますか?」

「している」

たいへん失礼です。

けれど、たぶん当たっております。

私は長坂以来、怖くない顔をするのが上手くなりました。

怖い顔ではありません。

怖くない顔です。

泣かない顔、崩れない顔、玉珠を不安にさせない顔。

その顔の裏側を、初対面の方に軽く触られるのは、あまり気分のよいものではございません。

文烈様は、声を少し落としました。

「無理に安心せよとは言わぬ。警戒してよい」

「警戒してよい、と許可をいただくのも不思議な話でございます」

「許可ではない。こちらの都合で来てもらったのだ。警戒される理由はこちらにある」

私は言葉を失いました。

本当に困ります。

敵なら敵らしく、もっと分かりやすく冷たくしていただきたい。

そうでなければ、私は何を恨めばよいのか分からなくなります。

玉珠は隣で、小さく言いました。

「姉上、警戒ってなに?」

「すぐには信用しないことです」

「文烈様、お菓子出るよ?」

「お菓子と信用を同じ皿に載せてはいけません」

「でも、お菓子出るよ?」

「二度言わなくても分かっております」

玉珠は、もう半分くらい文烈様側へ傾いておりました。

半分で済んでいることを祈ります。

屋敷の奥へ案内される途中、廊下の先に少年の姿が見えました。

玉珠よりも、さらに小さく見えます。

整った衣を着せられておりますが、まだ幼さの抜けない顔です。

ただ、目元は涼しく、鼻筋も小さく通っております。

黙って立っていれば、なるほど曹家の若君でございます。

背筋は伸びており、こちらを見て、すぐに目を逸らしました。

挨拶はありません。

文烈様の家の者たちも、誰も無理に呼び止めませんでした。

玉珠が小声で聞きます。

「姉上、今の人だれ?」

「この屋敷の若君ではないでしょうか」

「ご挨拶しないの?」

「したくない時もあるのでしょう」

「玉珠たち、嫌われてる?」

「好かれる理由も、まだございません」

それは当然です。

父の屋敷に、丞相様の命で、劉備玄徳の娘が運ばれてきたのです。

しかも妹付き……

すぐに笑顔で迎えられる方がいれば、そちらの方が心配です。

文烈様は、私たちの会話が聞こえていたのか、静かに言いました。

「息子だ。まだ戸惑っている」

「それが自然かと存じます」

「すまぬな」

「謝られることではございません。突然現れた私たちの方が、よほど迷惑な荷でしょう」

「荷ではない」

文烈様は、すぐに言いました。

思ったより強い声でした。

私は顔を上げました。

文烈様は、私を見ておりました。

「この屋敷では、そなたたちを荷とは扱わぬ」

言葉は穏やかです。

けれど、そこだけ芯がありました。

しっかりした方です。

優しい方です。

そしてたぶん、甘いだけの方ではありません。

そういう方が一番困るのです。

用意された部屋は、子和様の屋敷の離れよりも少し明るい場所にありました。

窓から庭が見えます。

寝台は二つ。

衣箱も二つ。

小さな机と、水差し。

そして、菓子の皿。

玉珠は目を輝かせました。

「姉上!」

「見えております」

「お菓子!」

「見えております」

「文烈様、早い!」

「非常に手際がよろしいですね」

怖いくらいに……

玉珠は文烈様を振り返りました。

「食べてもいい?」

「もちろん」

「姉上も?」

「明珠殿も、よければ……」

私は菓子の皿を見ました。

綺麗に並んだ甘いもの。

妹を安心させるために用意されたもの。

そしておそらく、私の警戒を少し緩めるためにも置かれたもの。

文烈様――

あなたは優しい。

ただし、その優しさには目があります。

私は一つだけ取りました。

「いただきます」

玉珠はすでに食べていました。

「甘――い!」

でしょうね……

辛い菓子が出てきたら、私はこの屋敷を本気で疑います。

文烈様は、玉珠が食べるのを見て、少し表情を和らげました。

「父上も、お菓子好き?」

玉珠が急に尋ねました。

私の手が止まりました。

文烈様も、一瞬だけ黙りました。

玉珠は何も考えていない顔です。

本当に、何も――

「文烈様の父上」

「ああ」

文烈様は、静かに答えました。

「私は、若い頃に父を亡くした」

玉珠が目を丸くしました。

「そうなの?」

「そうだ」

「さみしかった?」

文烈様の家人が、わずかに身じろぎしました。

私は玉珠を止めようとしました。

けれど文烈様は、先に答えました。

「寂しかった」

その言い方があまりに真っ直ぐで、私は息を詰めました。

文烈様は玉珠ではなく、私を見ました。

「だから、親と離れた子の心細さを、軽いものとは思わぬ」

それは、言ってはいけません。

いえ、言ってよいことなのでしょう。

ただ、私には困るのです。

敵なら敵らしく、冷たくしていただきたい。

父上の敵で、丞相様の一族で、私の行き先として選ばれた方で……

その方が、親と離れた子の寂しさを知っている。

そんなことを言われたら、怒りの置き場所がなくなります。

私は、手の中の菓子を見ました。

甘いものは厄介です。

口の中に入れる前から、少し苦くなることがあります。

「文烈様」

「何だ」

「私たちは、劉備玄徳の娘です」

「知っている」

「丞相様の敵の娘です」

「それも知っている」

「漢室の血を引く者でもございます」

「だから粗略には扱わぬ」

「それだけですか?」

文烈様は、少し黙りました。

玉珠が菓子を噛む音だけが、妙に大きく聞こえます。

やがて文烈様は言いました。

「最初は、それで十分だ」

「最初は……」

「人は、最初からすべてを決めなくてよい」

私は返事に困りました。

またです。

この方は、こちらが皮肉を置いた場所へ、妙にまっすぐな言葉を置いてきます。

たいへん迷惑です。

皮肉とは、斜めに投げるから皮肉なのです。

正面から受け止められると、投げたこちらの腕が痛くなります。

玉珠は二つ目の菓子に手を伸ばしながら言いました。

「文烈様、いい人だね」

「玉珠」

「だって、お菓子くれたし、寂しかったって言ったよ」

「判断材料が独特です」

「姉上は、まだ警戒してる?」

「しております」

「お菓子食べたのに?」

「食べても警戒はできます」

「すごいね」

褒められている気がいたしません。

文烈様は、少し笑いました。

「警戒してよい。無理に笑わなくてよい。妹君の前で顔を作るのに疲れた時は、この屋敷では休んでもよい」

私は、今度こそ何も言えませんでした。

顔を作る――

その言葉を、どうしてこの方が知っているのでしょう。

子和様は戸の中に入りませんでした。

文烈様は、戸を開ける前にこちらの顔を見ます。

別の優しさです。

どちらが良いかなど、簡単には言えません。

ただ、どちらも私を困らせることだけは確かです。

その日の夕方、私たちは部屋で荷を解きました。

荷と言っても、私たちに選んで持ってきたものなどほとんどありません。

衣、髪紐、玉珠の小さな櫛、子和様の屋敷で使っていた筆。

そして、玉珠がもらった菓子を包んだ紙。

「玉珠、それはもう食べたでしょう?」

「紙が甘い匂いする」

「食べてはいけません」

「食べないよ。たぶん」

「たぶんを付けないでください」

玉珠は窓の外を見ました。

庭の向こうに、昼間の少年が立っておりました。

文烈様のご子息。

こちらを見ています。

今度も、挨拶はありません。

玉珠が手を振りました。

少年は、固まりました。

そして、逃げました。

本当に逃げました。

玉珠は首をかしげました。

「姉上、玉珠、何かした?」

「手を振りました」

「手を振ると逃げるの?」

「人によります」

「文烈様の子、うさぎ?」

「違うと思います」

私は窓の外を見ました。

逃げた先には、もう誰もいません。

文烈様の屋敷――

文烈様は優しい。

菓子は甘い。

布団はふかふか。

妹は早くも籠絡されつつある。

けれど、この屋敷にも当然、私たちを歓迎しきれない者がいる。

それでよいのです。

むしろ、その方が分かりやすい。

全員が最初から優しい場所など、信用できません。

夜になり、戸の外から声がしました。

文烈様でした。

「入らぬ。ここでよいか?」

私は、少しだけ息を吐きました。

「はい」

玉珠は寝台の上で、もう半分眠っております。

菓子に敗北した妹は、たいへん静かです。

文烈様は戸の外で言いました。

「今日、息子が無礼をした」

「無礼ではございません。自然な反応です」

「そなたは、ずいぶん物分かりがよい」

「物分かりがよくなければ、ここまで生き残れませんでしたので……」

戸の向こうで、文烈様が黙りました。

それから、穏やかな声で言いました。

「この屋敷で、そなたがいつも物分かりよくいる必要はない」

私は指先を握りました。

またです……

また、この方は困ることを言う。

「文烈様」

「何だ?」

「優しい敵は、扱いに困ります」

戸の向こうで、ほんの少し笑う気配がしました。

「では、困らせておこう」

「開き直らないでいただけますか?」

「それくらいは許せ」

私は思わず、ほんの少し笑いました。

本当に少しです。

玉珠が寝ぼけた声で言いました。

「姉上……笑った……?」

「寝なさい」

「文烈様のおうち……お菓子あるね……」

「ありますね」

「じゃあ……少し……いいおうち……」

玉珠はそこまで言って、眠りました。

私はしばらく返事をしませんでした。

文烈様も、戸の外で待っていました。

急かさない方でした。

私は、ようやく言いました。

「少し、です」

「何が」

「少しだけなら、よいお屋敷かもしれません」

「それで十分だ」

十分――

その言葉が、なぜか少しだけ胸に残りました。

文烈様は、そのまま去りました。

足音が遠ざかります。

私は布団に入りました。

文烈様は、優しい方でした。

それは、たぶん本当です。

けれど、優しい方の屋敷であっても、そこへ来る道を私が選んだわけではございません。

私はまだ、警戒しております。

当然です。

長坂以来、優しさには期限があり、名目があり、帳があり、使者が付いてくることを、身をもって学んでおります。

それでも、玉珠は隣で眠っています。

菓子は甘かった。

布団は悪くない。

戸は勝手には開きませんでした。

では、ひとまず……

ひとまずだけは……

ここで息をしてみてもよいのかもしれません。

そう思った、翌朝のことです。

部屋の前に、昨日逃げた少年が立っておりました。

文烈様のご子息です。

目が合いましたが、今度は逃げません。

けれど、挨拶もしません。

その手には、なぜか菓子の皿がありました。

玉珠が、私の後ろから顔を出しました。

「姉上」

「何です」

「あの人も、玉珠を落としに来たの?」

私は答えられませんでした。

少年は、たいへん不本意そうな顔で、菓子の皿をこちらへ差し出しました。

劉玉珠です。


文烈様のおうちに来ました。


また車でした――


姉上は、やっぱり車に怒っていました。

車は何も言わないので、たぶん謝る気がないのだと思います。


文烈様は、子和様より少しやわらかい感じの方でした。

こわくない、とはまだ言えません。

でも、玉珠と姉上にちゃんと頭を下げてくれました。

それから、お菓子が出るか聞いたら、出すと言ってくれました。


本当に出ました!


文烈様は、約束を守る方です。

姉上は、まだ警戒しているそうです。

お菓子を食べても警戒できるそうです。

すごいです!

玉珠には、少し難しいです。


文烈様は、若い頃にお父上を亡くしたそうです。

寂しかった、と言っていました。


だから、親と離れた子の気持ちは軽く見ないそうです。

玉珠は、文烈様はやっぱり少しいい人かもしれないと思いました。

姉上も、少しだけ笑いました。

本当に少しです。

それから、文烈様のご子息にも会いました。

でも、ご挨拶はありませんでした。

玉珠が手を振ったら、逃げました。


うさぎみたいでした――


次の日、その人が部屋の前に立っていました。

逃げませんでした。

でも、挨拶もしませんでした。

そのかわり、お菓子のお皿を持っていました。

玉珠は思いました。

文烈様のおうちは、もしかすると、みんなお菓子で話をするおうちなのかもしれません。


――姉上は、また少し困った顔をしていました。

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