文烈様、子和様を盾にして逃げられるのですか?
劉明珠でございます。
玉珠が嫁ぎました。
たいへん結構なことでございます。
妹が無事に夏侯家へ迎え入れられ、元譲様の片目の下で、菓子を管理され、鼻へ向かう手を止められながら、立派な夏侯家の女へ仕込まれていく。
姉として、これほど安心なことはございません。
……ございませんが――
なぜでしょう?
曹休家の奥が、たいへん静かなのでございます。
静かとは良いことのはずです。
転ぶ音もなく、菓子を探す声もなく、「今のは鼻ではありません」という先制の言い訳もない。
平和です。
平和すぎます。
そして平和とは、なぜか少し腹が立つものでございました。
妹がいない家で、私は環珠を抱き、寧珠を眺め、曹肇と曹纂の所在なげな顔を見ながら、産後の身としてたいへん丁重に動くなと命じられております。
曹休家の奥方でございますのに、扱いはほぼ病人です。
乳母も女房も文烈様も、私を座らせ、寝かせ、休ませようとなさいます。
たいへん結構です。
皆様、私を休ませる前に、父上にも私が十三の時、少しは立ち止まるよう言っていただけませんか?
褒めておりません。
今回は、玉珠が嫁いだ翌朝のお話でございます。
妹がいなくなり、曹休家の奥が静かになり、私が少しだけ寂しくなり、そこへ夏侯家から文が届きます。
ええ――
嫁いだ妹の近況でございます。
姉として、ありがたく読むべきものです。
読むべきものなのですが、なぜか内容が、ほぼ戦報でございました。
敵は孫権殿ではございません。
妹の鼻でございます。
そして、未遂という言葉がいかにありがたいものであるか、私はこの日、身にしみて知ることになります。
それから、文烈様でございます。
昨日、元譲様が余計なことをおっしゃいました。
子和様の後、私を後妻に望んだのは文烈様だった、と……
私は、魏公様の手で置き直されたのだと思っておりました。
父上に置いていかれ、子和様に守られ、曹家の中で丁寧に箱へ収められた駒。
そう思っておりました。
ところが文烈様は、たいへん困ることをおっしゃるのです。
しかも産後に……
今さら逃げ場のない妻へ、昔の本音を出してくるなど、武将とは本当に戦う場所を選ばない生き物でございます。
今回は、曹休家の静けさと、夏侯家の戦報と、文烈様の白状のお話です。
なお、甘い空気になったとしても、産後なので今回はお預けでございます。
父上――
あなたが置いていった娘は、夫に望まれていたことを今さら知りました。
そして妹は、夏侯家で鼻を相手に戦を始めました。
どうやら曹魏は、今日もたいへん平和でございます。
平和すぎて、前途が心配です。
玉珠が嫁いだ翌朝、曹休家の奥は、たいへん静かでございました。
菓子皿の数が少ない。
廊下で転びかける音がしない。
「今のは鼻ではありません」と先に言い訳する声もない。
そして何より、私の「やめなさい」という声が、壁を越えて飛ぶこともございません。
平和です。
平和すぎます。
平和とは、こんなにも腹の立つものだったでしょうか?
私は産後の身でございますので、乳母たちから座れだの、寝ろだの、動くなだの、たいへん手厚く牢へ入れられておりました。
環珠はよく眠り、寧珠は妹を不思議そうに眺め、曹肇と曹纂は、玉珠がいない廊下をどこか所在なげに歩いております。
曹休家の奥から、妹が一人いなくなっただけ――
ただそれだけなのに、家の形が少し変わったようでございました。
「奥方様」
朝餉の後、女房が一通の文を持ってまいりました。
差出人を見て、私は眉を上げました。
夏侯家――
つまり、元譲様でございます。
玉珠は昨日嫁いだはずです。
嫁いだ妹の近況が翌朝に届く。
まあ、分からなくはございません。
元気かどうか、泣いていないか、夏侯家の水が合うか……
そういった報せなら、姉としてありがたく受け取りましょう。
私は文を開きました。
玉珠、朝餉を食す。
粥を二杯。
菓子を要求。
嫁いだから控えろと告げる。
不満顔。
鼻へ向かう気配あり。
未遂。
以上。
私は、しばらくその文を見つめました。
近況ではございません。
これは戦報でございます。
しかも、敵は孫権殿でも劉備玄徳でもなく、妹の鼻でございます。
「……元譲様は、嫁入り先で何をなさっているのでしょう」
「見張っておられるのだろう」
文烈様が、平然とおっしゃいました。
「見れば分かります」
「なら、よい」
「よくありません。嫁いだ妹の報せが、鼻の未遂で終わっております」
「未遂なら、勝ちだ」
「文烈様……いつから曹魏の武将方は、鼻を相手に勝敗を数えるようになられたのですか?」
文烈様は、少しだけ考えました。
「玉珠殿が来てからだな」
否定できませんでした。
たいへん困ります。
昼には、別の使いが参りました。
また夏侯家でございます。
私は嫌な予感と、少しの期待を抱きながら文を開きました。
玉珠、昼餉後に衣の裾を踏む。
転ばず。
褒める。
菓子を要求。
一つ与える。
もう一つを要求。
却下。
鼻へ向かう気配あり。
未遂。
以上。
「文烈様」
「何だ」
「元譲様は、玉珠を嫁に迎えたのですか?それとも、新しい戦場を得たのですか?」
「両方ではないか?」
「たいへん嫌な両立でございます」
夕刻にも届きました。
玉珠、夕刻に姉上は今ごろ菓子を食べているかと問う。
食べていないと答える。
では玉珠が代わりに食べると申す。
却下。
泣きそうな顔。
鼻へ向かう気配あり。
未遂。
以上。
私はそこで、思わず文を胸に当てました。
玉珠は泣きそうになったのです。
けれど、鼻は未遂でございました。
偉いのか、情けないのか、判断に困ります。
いえ、姉としては褒めるべきなのでしょう。
妹は嫁入り初日を生き延び、元譲様もまた初日を生き延びたのです。
曹魏の未来は、今日も鼻の手前で守られました。
褒めておりません。
そうして、玉珠からの戦報に家中が妙に慣れ始めた頃でございます。
私は、文烈様を見ました。
文烈様は環珠の寝顔を眺めておられました。
寧珠の時と同じです。
赤子が泣けば顔を向け、眠れば静かに息を吐く。
戦場で兵を率いる方が、赤子一人にいちいち負けておられる。
たいへんよろしいことでございます。
しかし、今日はそれだけで終わらせるわけにはまいりません。
「文烈様」
「何だ?」
「昨日のことでございます」
文烈様の動きが、ほんの少し止まりました。
やはり分かっておられます。
私は微笑みました。
「子和様のことでございます」
文烈様は、環珠から目を離されました。
「子和殿のことか」
「ええ……子和様のことです。昨日、元譲様がたいへん余計なことをおっしゃいました」
「余計なことではない」
「では、たいへん正確で迷惑なことをおっしゃいました」
文烈様は黙られました。
黙れば逃げられると思っておられるのでしょうか?
残念ながら、私は父上の娘でございます。
逃げ足の速い男を、多少は見慣れております。
「子和様が、具合を悪くされていた時に頼まれた。そうおっしゃいましたね?」
「ああ」
「明珠を粗略にするな、と?」
「ああ」
「それは本当でございますか?」
「本当だ」
文烈様の顔は静かでした。
そこに嘘はないのでしょう。
子和様は、確かにそういう方でした。
長坂の後、私は子和様の家に置かれました。
妻という名を与えられ、曹家の中に組み込まれました。
けれど子和様は、私を急がせませんでした。
妻の名を与えながら、その名で私を縛り、壊すようなことはなさらなかったのです。
捕虜の娘を、妻として置く。
それだけを見れば、たいへん乱暴な話でございます。
しかし子和様は、乱暴な形の中で、できる限り私を守ってくださいました。
曹家にも、困るほど立派な方がいらっしゃるのです。
敵なら敵らしく、全員まとめて悪人でいてくだされば、こちらも恨みやすいというのに。
歴史とは、本当に不親切でございます。
「子和様は、私を守ってくださいました」
「ああ」
「妻として迎えながら、妻であることを急がせませんでした」
「知っている」
私は少しだけ息を止めました。
知っている。
その一言は、思っていたより重うございました。
文烈様は視線を落とされました。
「子和殿は、そういう方だった」
「……では、文烈様はご存じだったのですね」
「ああ」
「子和様が、私を名ばかりの妻として守ってくださったことを」
「知っていた」
知っていて、私を後妻に望んだ。
それは、たいへん困ります。
子和様の形ばかりの妻だった私を、未亡人として迎えたのです。
周囲から見れば、私は一度嫁ぎ、夫を失った女でございます。
けれど内側には、誰にも言いづらい空白が残っておりました。
子和様が、触れずに置いてくださった空白。
文烈様は、それを知っていた。
「では、なおさらでございます」
「何がだ?」
「子和様のせいにして逃げるのは、卑怯でございます」
文烈様は、今度こそ困った顔をなさいました。
珍しいものを見ました。
私は産後でなければ、もっと追い詰めていたかもしれません。
産後の身とは不便です。
人を刺すにも体力が要ります。
「子和殿のせいにしたつもりはない」
「昨日は、たいへんそのように聞こえました」
「明珠」
「はい」
「子和殿に頼まれたのは、本当だ。そなたを粗略にするな、と」
「存じました」
「だが、迎えたいと申したのは、私だ」
部屋が静かになりました。
環珠が、かすかに息を立てて眠っております。
寧珠は隣の部屋で乳母と遊んでいるのでしょう。
小さな笑い声が、かすかに届きます。
曹肇と曹纂は、玉珠のいない廊下をまた歩いているかもしれません。
その中で、文烈様は、逃げずに私を見ておられました。
たいへん困ります。
逃げてくだされば、こちらも追えたのです。
「なぜでございますか?」
「そなたを、他へやりたくなかった」
私は言葉を失いました。
父上に置いていかれ、子和様に守られ、魏公様に置き直された。
そう思っておりました。
丁寧に飾られた駒。
曹家の内側に置かれた火種。
曹休家の奥へ移された劉備玄徳の娘。
けれど文烈様は、他へやりたくなかった、とおっしゃる。
今さらです。
本当に今さらでございます。
私はもう文烈様の妻です。
寧珠を産み、環珠を産み、父上の文を箱に閉じ込め、玉珠を夏侯家へ送り出しました。
逃げるには遅すぎます。
しかも産後です。
立ち上がるだけでも女房に叱られます。
それなのに、胸の奥だけが勝手に逃げ場を失いました。
「文烈様」
「何だ」
「そういうことは、もっと早くおっしゃるものではございませんか」
「言えなかった」
「なぜ」
「そなたが、嫌がると思った」
それは、たいへん正しい。
十五の私が聞いていたら、きっと嫌がったでしょう。
魏公様に置かれ、子和様を失い、次は文烈様に望まれたなどと言われれば、私は自分がまた誰かの手に移される荷だと思ったはずです。
けれど、今の私は。
今の私は、文烈様が出征すれば腹を立て、戻れば安心し、箱の鍵を持っていかれれば待ち、産屋の外で待たれれば困り、娘の名を預けられればもっと困る女でございます。
たいへん遺憾ながら、文烈様の妻でございました。
「嫌がったかもしれません」
「ああ」
「でも、今は困っております」
「すまない」
「謝られると、なお困ります」
「では、どうすればよい」
「しばらく困っていてください」
文烈様は、少しだけ笑われました。
私は腹が立ちました。
こちらはたいへん真剣に困っているのです。
笑うところではございません。
けれど、その笑い方があまりに穏やかで、私はさらに腹が立ちました。
文烈様は、そっと私の手に触れられました。
逃げようと思えば逃げられるほど軽く。
それなのに、逃げたくなくなるほど静かに……
「明珠」
「はい」
「そなたを、急がせるつもりはない」
私は目を瞬きました。
その言葉は、子和様の記憶と重なりました。
子和様は、私を急がせなかった。
文烈様もまた、同じ場所から始めようとしてくださったのでしょうか?
ただし、文烈様の場合、すでにだいぶ進んでおります。
寧珠も環珠もおります。
今さら始まりと言われても、順番がたいへん混乱しております。
「文烈様」
「何だ?」
「子和様は、曹家の中でも屈指の紳士でございました」
「ああ」
「文烈様も、その道を進まれるおつもりですか?」
「できる限りは」
「では、まず覚えておいてくださいませ」
私は、文烈様の手を軽く握り返しました。
「産後なので、今回はお預けでございます」
文烈様は、ほんのわずかに固まりました。
それを見た瞬間、私はたいへん満足いたしました。
人は、時に勝たねばなりません。
曹魏の武将が戦場で勝つように、曹休家の奥方も寝台の手前で勝つのです。
褒めておりません。
「……そういう意味ではない」
「存じております」
「明珠」
「はい」
「そなたは、たまにひどい」
「魏公様にも、そのようなことを言われました」
「ならば正しい」
「文烈様、そこで納得しないでくださいませ」
その時でございます。
廊下の向こうが、妙に騒がしくなりました。
女房が慌てた足でこちらへ来ます。
私は嫌な予感がいたしました。
文烈様も振り向かれました。
「奥方様……夏侯家より、急ぎの文でございます」
急ぎ――
元譲様からの文に急ぎ。
私は受け取りました。
開く前から、紙が重い気がいたしました。
玉珠の身に何かあったのでしょうか?
転んだのか?
泣いたのか?
菓子を詰まらせたのか?
それとも、鼻がついに城門を突破したのか?
私は文を開きました。
玉珠、午睡明け。
菓子なし。
不満を申し立てる。
嫁いだからだと告げる。
鼻へ向かう。
止め遅れる。
失敗。
以上。
私は、その二文字を見つめました。
失敗――
元譲様が……
失敗……
あの夏侯元譲様が……
戦場で片目を失い、それでも折れず、曹魏の一門を支え、玉珠の鼻を幾度も手前で押さえてきた元譲様が……
失敗……
私は、文烈様を見ました。
文烈様も、文を読みました。
そして、たいへん真面目な顔でおっしゃいました。
「……大事だな」
「ええ」
私は深くうなずきました。
「曹魏の前途が心配でございます」
その下に、もう一行ございました。
明朝、対策を改める。
文烈も来い。
私は文を閉じました。
曹休家の奥は、玉珠が嫁いで静かになったはずでした。
けれど、どうやら静けさとは、次の戦の前にだけ訪れるもののようでございます。
父上――
あなたが置いていった娘は、夏侯家へ嫁ぎました。
そして今、曹魏の重鎮二人を相手に、鼻で戦を始めようとしております。
文烈様――
どうやら明朝、あなたは江東ではなく、夏侯家へ出陣なさるようでございます。
敵は孫権殿ではございません。
玉珠の鼻でございます。
劉玉珠です。
玉珠は、たいへん怖いことを知りました。
嫁ぐとは、家が変わることだと思っておりました。
衣を着て、髪を整えて、鼻へ行きにくくなって、菓子の数を減らされ、元譲様に見張られることだと思っておりました。
だいたい合っていたと思います。
でも、ひとつだけ知りませんでした。
嫁ぐと、玉珠の鼻のことが、曹休家へ文で送られるのです。
たいへん怖いです。
玉珠は、夏侯家へ嫁いだはずです。
なのに、朝の粥の数も、菓子を要求したことも、鼻へ向かった気配も、姉上の家へ届いているそうです。
これは嫁入りでしょうか?
それとも、監察でしょうか?
玉珠にはまだ少し分かりません。
元譲様は、必要な報告だとおっしゃいました。
何に必要なのでしょう?
姉上の安心に必要なのでしょうか?
文烈様の判断に必要なのでしょうか?
それとも、曹魏の軍事に必要なのでしょうか?
もし玉珠の鼻が曹魏の軍事に関わっているのなら、たいへん責任重大です。
玉珠は、ただ少し鼻が気になるだけなのに……
少しです。
本当に少しです。
たまに手が勝手に近くへ行くだけです。
今日は、午睡のあとに菓子がありませんでした。
嫁いだからだ、と元譲様はおっしゃいました。
嫁ぐと菓子が減ります。
これは、婚儀の前にもっと大きく書いておくべきだと思います。
玉珠は不満を申し立てました。
すると元譲様は、片目でこちらをご覧になりました。
その片目がたいへん強いのです。
戦場で矢が飛んできても逃げなかった目だそうです。
菓子を求める玉珠にも、まったく逃げません。
大人とは恐ろしいです。
それで、玉珠の手が少し上へ行きました。
違います。
菓子がない時、人は考えます。
考える時、手が動くことがあります。
その先に鼻があっただけです。
けれど元譲様が、少しだけ止め遅れました。
本当に、少しだけです。
玉珠も驚きました。
元譲様も止まりました。
そして、紙に書かれました。
失敗。
玉珠は、その字を見ました。
失敗。
誰がでしょうか?
玉珠でしょうか?
元譲様でしょうか?
鼻でしょうか?
菓子でしょうか?
字は短いのに、意味が広すぎます。
たいへん怖い字です。
玉珠は思いました。
もし元譲様が失敗したのなら、明日はどうなるのでしょう?
元譲様は、失敗をそのままにする方ではありません。
菓子を一つ隠しただけでも見つける方です。
鼻へ行く前の気配まで読む方です。
その元譲様が、失敗と書きました。
つまり、次はもっと厳しくなるということです。
玉珠は戦々恐々としております。
戦々恐々とは、たぶん、菓子を前にして食べてよいか分からない時の胸に似ています。
違うかもしれません。
でも、とても落ち着きません。
そして、もっと怖いことがありました。
元譲様は、文烈様を呼ぶそうです。
文烈様です。
姉上の文烈様です。
戦場へ行って、帰ってきて、鍵もなくさず、産屋の外で待つことのできる、あの文烈様です。
その文烈様が、明日、玉珠の鼻のために夏侯家へ来るそうです。
玉珠は、そこでようやく分かりました。
これはもう、ただの鼻ではありません。
会議です。
たぶん軍議です。
玉珠の鼻をめぐって、元譲様と文烈様が対策を改めるのです。
曹魏は大きな国だと聞いております。
その大きな国の偉い方々が、玉珠の鼻で集まります。
父上――
玉珠は、たいへんなところへ嫁いだようです。
姉上――
玉珠は、捨てられたのではなく迎え入れられたのだと聞きました。
でも、迎え入れられたあと、すぐに対策を改められるとは思いませんでした。
玉珠は明日、どうすればよいのでしょう……
菓子を控えればよいのでしょうか?
手を膝に置けばよいのでしょうか?
鼻に近づかないよう、袖の中へ手をしまえばよいのでしょうか?
それとも、先に謝ればよいのでしょうか?
今のは鼻ではありません。
明日のことを考えていただけです。
けれど元譲様がこちらを見ました。
玉珠はすぐに手を下ろしました。
……明日、文烈様が来ます。
玉珠は、生まれて初めて、孫権殿のお気持ちが少し分かった気がいたします。




