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導くカードは正解を知らない  作者: さんご
第一章 導くカード

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6/19

値段と謝罪のあいだ

数ある物語の中から、本作を手に取っていただき、心より感謝申し上げます。

この小さな物語が、あなたの日々にほんの少しでも彩りを添えられますように。

もし気に入っていただけましたら、ブックマークや感想をお寄せいただけると、作者にとって大きな励みとなります。

なお、全く別ジャンルの物語も公開しております。気分転換に違う世界を覗いてみたいときは、ぜひそちらもお楽しみください。

言語が通じるようになると、逃げ場がなくなる。

誤魔化しが効かない。


ベルは机の上のカードを見つめた。


「なあ、相棒……さっきのギルドの件なんだけど」


(“いくらになるか”ってやつか)


「うっ……!」


(どういうつもりだった)


「違うんだ! いや違くはないけど違うんだ!」


(どっちだよ)


ベルは頭を抱える。


「売るつもりじゃなかった! 価値を知りたかっただけ!」


(価値、ね)


「ごめん!」


(別に怒ってない)


「怒ってるって!」


(怒ってない。評価してる)


「評価!?」


(“ああ、こいつはそういうやつか”って)


「うわあああ!! ごめん!!」


ベルは必死に本音を絞り出す。


「怖かったんだよ。こんなすごいもん持ってていいのかって」


「俺、弱いし……知られたら奪われるかもしれねぇ」


「だから、“金に変えられるなら安全かも”って一瞬だけ思った」


カードは少し黙って。


(……合理的だな)


「だろ? でも、嫌だった」


「お前を“物”として見てるみたいで」


ベルは深く頭を下げた。


「本当に、ごめん」


沈黙。


(顔を上げろ)


ベルが顔を上げる。


(別に薄情だとは思ってない。人は価値を測る)


「……」


(重要なのは、そのあとだ。“それでもどうするか”)


「……俺は売らなかった」


(それで十分だ)


ベルは息を吐いた。


「これからは、ちゃんと聞く。お前の意見」


(……なら遠慮はしない)


「おう、どんと来い」


(まず無計画な突撃癖を直せ)


「いきなり説教かよ!?」


(命に関わるからな)


「ぐっ……」


笑いがこぼれる。


“価値”と“関係”が、ここで線引きされた。

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