差はどうにもならない
そんなもんかーと頷くブルレ。
いや若くない?まだぎり幼いって言えると思うんだけど。
幼い、を抜け出してるとしても小さい子供であることにかわりないでしょ。
「あら天使様なんだかとても驚いているのね?」
「ん?あぁ、まじだな。もうちょい上だと思ってたか?まぁこの年にしちゃ背があるしな」
「そうね、私もエリーも、ちょっと大きいから」
いや10歳そこらで、もう少し上かもなんて考えてたんだけど。
「えーっと、ここら辺って何歳くらいから働きだす感じ?」
「労働?そうね、簡単な家の手伝いを4歳か5歳くらいかしら」
「立って歩いてそれなりに話せるようになるのがそれくらいだしなー。いいとこの子が勉強始めるのもそれくらいだろ」
「えぇ、この学校も5歳からの受け入れだわ」
「7、8くらいで手伝いを抜けて見習いになる感じだなー。家を継ぐにしろ他にいくにしろ」
か、価値観の違いぃ。
けらりとブルレが頭をなでてくる。
「おチビは寿命が長い種族みたいだからびっくりしたか?」
「あぁ、長命な種族の方はこういったところに驚くのね」
「これでも世界樹聖堂の登録されてる人間種の中では寿命が長いほうなんだぜ?短いとこだと10年とかそこらだからな」
「わ、わぁ……………」
シロとしての感覚ならよくある種族差なんだけど俺の感覚が根強く残ってるものだから、頭が衝撃からなかなか戻ってきてくれない。
「嬢ちゃんらくらいだったら、さすがに独り立ちにはちと早いが働いててもおかしくはねぇな。そりゃぁ、大人よりは量とか難易度は下げるぜ?さぼって遊びにいっちまうのも計算にいれてな」
「それで頼まれていたことを忘れて、ご飯を食べに帰って怒られるのよね」
からからくすくす笑う2人からは悲壮感は感じられない。
ま、ボクが口をだすようなことじゃないし、出したとこでどうにもならないしね。
「だからね、天使様はそんなに気にしないでくださいな。私達はもう半分大人で、自分で考えながら、選んで、生きていますから」
「……………わかった。だから、まーさんもこれ以上は気にしないで。本人からの謝罪もあったし」
「――――えぇ、ありがとう」
ほんのりとしたやわらかい笑顔。
たぶんこれが彼女の普段の顔なんだろう。
お互いにくすくす笑いあっていると、さっきボクらが通ってきたほうから扉が勢いよく開閉した音が響いた。
何事かと視線をそっちへ向ける。
苛立った足音とそれを追いかけるヒールの音がどんどん近づいてくる。
「あーもうしつっこいのよあの男!」
そう声を荒げながら飛び込んできたのは今ちょっと話題にしていたエリーだった。
そして、その後ろからきたのは少し懐かしい人だった。




