本当のボク、完成
―――シロside―――
すこんと、残っていたものが腑に落ちた。
わずかに喉にひっかかるみたいに残っていた俺のかけら。
かみさまの手によって可能性を得るために分かたれていた、魂のかけらが、今完全にボクに吸収された。
「かみさまの、願い?」
「そう、かみさまの願い。小さな、だけど自分ではない誰かに叶えてほしい願い。かみさま自身で叶えることもできるけど、そうしたら根本的には叶ったことにはならない切なる願い。だからボクらは創られた。かみさまの願いを叶えられる存在を育てるために。あるいは、いつか、ボクら自身が願いを叶えられる存在となるために」
かみさまが願いを叶えるために考えたいくつもの案。
案の数だけ領域が作られて、そこの管理者としてかみさまは自身の分身を常駐させた。
分身だけど、本体でもあるって言っていたっけ。
ちょっと違うかもだけどマルチタスク的なものだと思うことにしてる。
第6領域に任された案は不完全な中に可能性を見いだすというもの。
試練を乗り越えたのその先に夢を見る場所。
だからここにいるかみさまはとっても不器用。
欠けたなにかが埋まった時に飛びっきりの成長があると信じて、創られた時からどこかが欠けている上級天使達。
欠けているのは肉体だったり能力だったり心のどこかだったりさまざま。
ボクは魂が欠けていて、創られた天使の何個かでも数が多いタイプ。
魂の欠片が弾けて飛んでいった先が地球だった。
欠片は地球の生命体に紛れ込み、俺となった。
ボクの魂の欠片が俺になり、俺の魂がボクになった。
俺がボクになったのは転生ガチャっぽいやつでの偶然のはずなんだけど、もしかしたら偶然ではなかったのかもしれない。
なにかしらのの縁があったんだろう。
もしかしたらそれすらもかみさまの手の内なのかもしれない。
「その願いってーのは、なんか、とんでもないものなん?さーばー?ってのがどんなもんなのかはわかないけど、少なくともおチビちゃんみたいなのが他に2450人いてもまだ叶ってない願いなんでしょ?なんかこう、この世のすべてを手にいれるー、とかそんなん?」
すっごい警戒してるなー。
でもね、そんな必要はないよ。
願いそのものは本当に細やかなものなんだから。
「……………かみさまはその『この世』を創る側の存在だからね。欲しかったらさっさと作ってるよ」
「この世が作れる存在が叶えられない願いってなによ!?」
「それはかみさまの個体情報だから教えられないなー」
聞いてとは言ったけど、なんでも答えるとは言ってないからね。




