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【第19話:極上の夜は二人だけの隠れ湯で。骨まで溶かされる魔導混浴タイム】


海辺のゴミ拾い(海賊ギルドの壊滅)を終えた日の夜。


私はコテージに併設された、宿泊者専用の最高級魔導温泉へと足を運んでいた。

湯煙の向こうには、夜の海と満天の星空が広がっている。


「はぁ……極楽ですわ……!」


私は大浴場に体を沈め、ふぅ、と心地よい息を吐き出した。

キース様が手配してくれた湯浴み着(温泉用の薄い衣服)は、お湯に濡れると肌にぴったりと張り付く仕様のようだ。

ドレスのような胸元の窮屈さは一切ないけれど、生地が薄くてなんだか少し心もとなかった。


ザパァン……。


静かな浴室に心地よい水音を響かせ、湯浴み着を腰に巻いた姿のレイヴン様が入ってきた。

いつも通り冷徹な、皇帝としての美しい鉄仮面ポーカーフェイス


しかし、お湯に浸かる私を見た瞬間、レイヴン様は唇をきゅっと引き結んだまま、その場にカチコチに凍りついてしまった。

銀髪の隙間から覗く耳の尖端どころか、白い首筋までが一瞬で真っ赤に染まっていく。


彼の頭上に浮かぶ【好感度:∞】のメーターは、主の沈滅を無視して、激しく真っ赤な火花を大爆発させていた。


((((((おい待てキース、いくらなんでもこの湯浴み着は薄すぎるだろうが……ッ!! お湯に濡れて透けたエルサの生肌も、溢れんばかりの膨らみも、全部が眩しすぎて視線の置き場がない!! 尊い……っ、湯気に上気した顔が可愛すぎて、俺の心臓が今にも破裂しそうだ。昼間の戦いの疲れなど一瞬で吹き飛んだ、今すぐこのお湯の中でお前を抱きすくめて、お前が泣くまで骨の髄まで愛し尽くさねば、俺の理性が塵一つ残らず大決壊してしまう……っ!!!))))))


(まあ! レイヴン様ったら、口を真一文字に結んだまま動かなくなってしまわれましたわ。メーターが真っ赤に激しく点滅していますし、やっぱりお昼の戦いのお疲れが、今になってドッと出てしまわれたのね!)


「レイヴン様、ご心配なく! このお湯、とっても気持ちが良いですよ。ほら、お隣へどうぞ?」


私がパシャパシャとお湯を弾きながら手招きすると、レイヴン様は完璧な無言のままお湯に入り、滑らかな動作で私の真横へと迫ってきた。

驚く間もなく、彼の逞しい両腕が私の腰をすくい上げ、水中で私の身体をガッチリとホールドする。


「レイヴン様……っ?」


「……もう、限界だ。お前がそんなに無防備に俺を誘うから……っ」


どこまでも低く、スマートで美しいテノール声。

しかし、お湯の中で私を抱きしめる腕の力は、骨が軋むほどに強く、絶対に離さないという凄まじい執着に満ちていた。


((((((お前がそんなに優しく笑うから、俺の頭の中はもうお前をどうやって愛し抜くかで埋め尽くされているんだ! 濡れた肌が触れ合うたびに、理性のタガが完全に消し飛ぶ……っ! エルサ、一生この腕から離さん。今夜はお前が降参だと言うまで、何度も何度も激しく、とろけるほどに愛し尽くしてやる……っ!))))))


「ひぅ、レイヴン様、くすぐった、お、お湯が熱くなってきましたわ……っ」


「……俺の熱は、このお湯よりももっと深い」


レイヴン様は無言のまま私の濡れた髪を愛おしそうに愛撫し、耳元や首筋、さらには露わになった鎖骨へと、夜の海に響き渡るような甘く濃厚なリップ音を何度も響かせながら口づけを落としていく。

そして、そのまま私の唇を深く、深く塞いできた。


「ん、む……ぅん……っ」


何度も角度を変えて、お互いの吐息をすべて吸い尽くすかのような、とろけるほど甘い口づけ。

スマートな皇帝としての気品を保ちながらも、その抱擁とキスは、私の骨まで温泉の中に溶かしてしまいそうなほど情熱的で重かった。


世界を裏から操る存在を倒しても、海賊ギルドを破滅させても、私はやっぱり、この世界で一番スマートで重すぎる陛下の愛から、一生逃げられそうにない。


「ん、ふ……っ。私も、大好きですわ、レイヴン様」


私が真っ赤な顔で満面の笑みを浮かべると、彼の頭上の【∞】のマークは、嬉しさのあまりドカンと大爆発を起こし、夜の露天風呂を眩い黄金の光で満たし続けたのだった。

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