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兎とカラスの物語。

ロンドが手をつけた本棚にあった本それは子供の頃によく読んでいたお気に入りの絵本と同じものだった。


「これは……ふふ、懐かしいな。」


何故か分からないがその絵本に惹きつけられたロンド。

次の瞬間にはロンドは使い魔召喚について調べる事を忘れそのページをめくっていた。



[兎とカラスの物語]


昔々、あるところにそれは美しい兎の亜人と三本足で力強いカラスの亜人がいました。お互い、軽口を叩き合いいがみ合いながらもどこか信頼し合いまさに親友のような間柄でした。

カラスの名前はヤタ、兎の名前は===。

2人は今日も軽く身体を動かす様に喧嘩をし地形を変えてゆきました。

兎のあるパンチで地面に大きな穴が空きそこが湖になったり。カラスがその羽で風を起こすと土が舞い上がり溜まった箇所に山ができるなど様々な天変地異を起こしながら各地を巡り歩いていました。

だがある日==が現れたのを境にこの二匹の亜人を好き勝手させずに配下に置きその力を有益に使おうと連合軍が設置されました。

だがその2人の亜人はとても強力で敵の攻撃をなんとも思っていませんでした。

だがそこに==が現れました。

いつもの様にあしらおうとしたカラスはその者の攻撃により重症を負ってしまいました。

なんとかカラスを担いでその場から遠く離れた兎は今まで使ってこなかったポーションや薬草をなんとか使おうとします。

そこでカラスは言いました「ありがとう、もうこれぐらいでいいぜ。ちょっとばかし回復するために百年か千年かわからないがここを離れるがお前さんはどうする?」

兎は答えます「お前がいなくなったら寂しくなるからな。適当なところでお前が回復するまで眠りにでもつくよ。」

そう言ってその後2人の姿を見ることはなくなり、だんだんと人間たちの時代へと移り変わって行き徐々に繁栄して行ったのです。

だが2人の亡骸は見つかっておらず、その後すぐに==も、各国も勢力を上げて探したが見つけるまでは至らず、ゆっくりと傷を癒すためにどこかで休んでいるという。



(昔の本だけあって文字が掠れて読みづらいところもあるな。)


「やっぱり懐かしいな。」


(昔はこの2人みたいに強くなろうと頑張った時期もあるな。だけど戦闘センスに関しては本当に残念だったんだよな。………違う違う使い魔召喚について調べに来ていたんだった。)


バシンと頬を叩き気合を入れ直す。


途中から空いているものを総動員し殆ど丸一日探したのだが流石に王国の書物室といえど有用なものは殆どなかった。


わかったことと言えば、

これまで使い魔召喚されて呼ばれたものは単体、軍隊共に上位が最大だが、その大半は実行者は召喚した者を制御できずに虐殺されることもあったらしい。

そして下位に行けば行くほど従順で可愛い生物が召喚される傾向が高い。

稀にだが、召喚された者がランクアップを果たし、中位や上位になることもあるらしい。その際はこれまでの関係値によりどう行動するかが変わってくるらしい。


大体が一般的に知られることでこれと言った収穫は無かった。



気づいたら夜になっていたので夕食をいただきながらさまざまな報告を聞く。

夕食場所へ行くとそこにはすでにルーナがいてすごい量のご飯を食べていた。皆はそれに触れずにいつも通りに過ごす。


「みんな、待たせてしまってすまないね。それじゃ順番に報告を頼むよ。」


「はっ!あれから復興作業なのですが滞りなく進んでおります。我が国での勇者の侵攻による人的被害も想像以上に少なく、使命をまっとうした者の家族には十分な対価を渡しております。」


「お金で解決できることではないけどこればっかりはどうしようもできないからね。もし恨まれてもしょうがないよ。」


最高責任者である魔王はそのどうしようもない現状に憂いていた。


「次は私が行かせてもらいますわ。まず他の魔王国へ侵攻時に運良く逃げ延びることができた者たちが殺到することが予測されますがどういたしましょう。」


彼女はマリー。マリオネットという種族で外交関係や秘書などをやってもらっている。


「そうだね、まずは城壁の修理を最優先で、そして並行して簡易の居住スペースを確保していこう。みんなも色々と大変だと思うけれどもよろしく頼むよ。」


そんなこんなで報告会は終わり皆が食事を食べ終わった頃ある人物が声を上げた。


「よろしいですか?魔王様。」


「どうしたんだい?ローズクイーン。」


彼女は薔薇の魔物で植物系モンスターの統括を務めている。普段はクールだが今日は心ここに在らずといった感じだ。


「あの方はどなたなのですか?」


「そうだね、実際に顔を合わせるのは初めての人が殆どだよね。今日紹介しようと思っていたんだ。使い魔召喚の時に来てくれたんだよ。彼女はルーナでこの前の勇者襲撃の際に1人で勇者を倒してくれたんだ。」


「大丈夫なのですか?」


最もな質問だ。こちらが全兵力を総動員したとしても負けていたであろう勇者たちをたった1人で倒した者なのだから。


「そこのところは多分大丈夫。僕たちをやろうと思ってたら既にこの世にいないだろうし。」


笑ってもらいたかったところだがその場がお通夜状態になってしまった。


「一度いいか?」


意外にもそこで口を開いたのはルーナ自身だった。


「とりあえず俺に害を加えようとしない限りはこちらからは絶対に手を出さない。そして3食昼寝付きは出来るだけ頼む。もちろん必要な時は起こしてもらっても構わない。どうしても必要なら契約書みたいなのも書くぞ、あるだろそれくらい?」



意外にもとても協力的でその他色々話を詰め契約も問題なく済ませることができた。


今日はいつも以上に疲れたな。

なんだか気持ちよく寝れそうだ。


その日夢を見た。小さい頃の夢だ。 一般家庭で育った僕は祖父が大好きでいつものその後をついて歩いていた。祖父は昔はとても強い戦士だったらしく、その祖父から直接戦闘術を学んだか一般的なまでは行けたが鳴かず飛ばずで、そのうち勉学の方に励みはじめた。そちらの方は自分に合っていたらしくメキメキと上達して行った。そしてある時祖父が手紙を残して姿を消した。

その手紙にはこう書いてあった[ロンド、お前はお前の道をしっかりと頑張るんだぞ。そして2人はロンドをしっかり支えてやってくれ。そのうち戻るからその時にどれくらいの成長したか見せてくれて。」


朝になると自然と涙が溢れて来ていた。

もうずっと見ていなかったのにな、それにいつ戻ってくるんだろもう何十年も経っているのに。魔王にまでなっちゃったよ。


感傷に浸っていると扉が勢いよく開かれる。

「ロンド飯の時間だぞ。早くしろよ。」


「ああ、そうだね、行こうか。」


ルーナのこのさっぱりした性格には助けられることもたまにはあるんだな。


食事を食べ終わると各人仕事に向かうが、ルーナは自室で惰眠を貪りに行く。

その行動に誰も触れずそのルーナの後をを専属メイドが付き従っていく。


「やっぱり食ったら眠くなるよなー。」


そう言い残してルーナは部屋を後にする。

それにしてもいつのまにかこっちで食べる様になったな。前までは食堂だったのに。

実際そんなことはどうでも良かったので自分も部屋に行き仕事に移る。

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