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目覚めた亜人はまた眠る。

「……ん、、、ここは……あぁ、気を失ったのか………?」


気持ちのいい朝だ。ぐっすり眠れたようだ。

亜人らそう思いつつ、ふと横に視線を送るとそこには、その亜人を召喚した魔王が椅子に座ったまま寝ていた。


「おい、起きろよ。」


亜人がそう何度か言っているとロンドはもぞもぞと動き出しながら起きた。



「…ん、あぁ、おはよう。君が心配で見守っておくつもりがどうやら僕が眠ってしまったようだね。」


ロンドは笑顔でその亜人に答える。

亜人はじっとロンドの方を見ている。

互いに見つめ合いながらの沈黙。

なんとも言えない空気が流れ実際は数秒だが永遠のように感じる沈黙。その空気感に耐えきれずにそれを断ち切ったのは、ロンドだった。


「この前は本当にありがとう。君がいなければこの国は勇者達に滅ぼされていた。

……そういえば、自己紹介がまだだったね。僕はこの国の王で魔王をしている。グリモヌス=ロンド 良ければ君のことも教えてくれないかな?」


「ルーナ・ラビティアだ。」


「ありがとう。ルーナと呼ばせてもらっても良いかな?」


「好きにしろ。」


ルーナは素っ気なく答えた後に何か思い詰めたように長考し、その後にこう言った。


「なぁロンド、お前は使い魔召喚についてどれだけ知っている?」



唐突な質問。

質問の意図がわからないロンドは少し混乱したが、ありのまま知っている事を話した。


「どれだけっていわれても……僕の知っている使い魔召喚はかなりの魔力を消費して使い魔を召喚する。その際召喚されるの者の殆どが下位クラスってことくらいだよ。」



「そんなもんか……いや、気にしないでくれ。わかったよ、ありがとう。」


ルーナは曇った表情でそう言った。



「あ……。いや、お腹とか減ってないか?食べたくなったらいつでも食堂に来てくれ。それともここに持って来させたほうがいいか?」



ルーナの質問が気になったロンドはその理由を聞こうとしたがその曇ったような表情を見て理由を聞くのをとどまった。



なぜいきなり使い魔召喚の事を聞いてきた?

ルーナは使い魔召喚によって召喚された者だ

もしかして…………召喚された者にしかわからない何かがあるのか?。


全世界的にも上位クラスの使い魔を召喚した者達はかなり少ない。実際自分が今まで召喚してきた者達は会話も出来ず、言葉も伝える事のできない下位クラスの者達だ、上位クラスはそのほとんどが会話などの意思疎通ができるというだが前も言った通り上位クラスは殆ど召喚されない。そのせいもあって [使い魔召喚] という魔術については未だ解明されていないことが多い。というか使い魔召喚をする理由の殆どが、どうでもいい事で真剣に行使する者はいない。それに殆どが解明されていないと言ったが、使い魔召喚をメインとして研究するものが今は居ない。


そういえば先代が趣味で使い魔召喚について調べていたはずだ。少し調べてみるか。



ロンドはそう考え、午後には書物室にこもり使い魔召喚について調べてみる事にした。


ロンドがそんな事を考えてるとは思っていないルーナはいつも通りの無表情になり応えた。



「いや、自分で食堂に行くよ。ありがとう。」



「なんかあったら遠慮なく呼んでくれ。それじゃ僕は仕事に戻るよ。」


そう言い残しロンドは部屋を後にした。





ロンドが部屋を出た後もしばらく横になっていたルーナはその重い体を起こし食堂へ行こうとする。


「やべぇ、そういえば食堂までの道とかわかんねぇな。」


そう呟きながら部屋を出たらそこにはなんとも可愛らしいメイド服姿の魔族の少女がいた。


「そこのちびっこ、食堂までの道とかわかるか?」


ルーナがそう聞くと、そのちびっこはその見た目の年齢では想像がつかないような態度で対応した。


「ルーナ様ですね?。私はルーナ様の専属となりましたカルネラと申します。これからよろしくお願いいたします。食堂はこちらになります。それではご案内いたします。」



ルーナはその見た目から想像していた対応とあまりにもギャップがありすぎたため驚いてしまった。


「恐れながらルーナ様。私はちびっこではありません、どうぞカルネラとお呼びください。」


カルネラから発せられたオーラは数多の魔王を倒してきた勇者達を瞬殺したルーナでさえ納得させた。


「あぁ、わかったよ。よろくしなカルネラ。」


その後はただ淡々とカルネラの後をついて行く。


「こちらが食堂になります。どうぞお入りくださいルーナ様。」


あれから食堂に着くまでは一切の会話も無かった。

ルーナは内心早く着いてくれ、と思っていた。


「メニューは何があるんだ?」


ルーナの腹は数日寝ていて何も摂取していなかった事により食堂から香るいい香りにやられていた。


「本日のメニューはこちらの六つです。お好きなのをお一つお選びください。」




〜本日のメニュー〜


・天然酵母を使ったクロワッサンとシュガーコーンのスープ


・川魚の塩焼き定食


・山の恵みの野菜カレー

(甘口、中辛、辛口からお選びいただけます。)


・来春鳥の照り焼き定食


・ガッツリガツンと満腹セット


・黄金麦のパスタ

(クリーム、明太子、トマトクリームからお選びいただけます。)




どれにするか決めかねているルーナは周りを見渡す。

男性はその殆どがガッツリガツンと満腹セットだ。女性はガッツリガツンと満腹セット以外のものを特に偏り無く頼んでいるようだ。それを見たルーナは今までの迷いが無かったかのようにメニューを決めた。



「ガッツリガツンと満腹セット3人前。」



それほど大きな声で注文したわけではないがその声は不思議と食堂に響いた。

それを聞いていた他の人らはルーナの方を見て動かなくなってしまった。

それもそのはずだ、ガッツリガツンと満腹セットは一人前で成人男性が本当にお腹がいっぱいになるほどだからだ。

大食いの人達でさえ1.5人前で満腹になる程だ。

さらにこの国は衣食住が保証されているからこそ自分で頼んだ物を残すなどという行為は許されない。

現に苦手なものや量が多い場合は注文の際にアレを抜かしてくれなど、量を少なくしてくれなどの注文をしている。


「かしこまりました。ただ今持ってまいりますので少々お待ちください。」


だが、その発言を聞いても顔色ひとつ変えずに淡々と了解の意を示すものがいた。カルネラだ。


「おう、頼んだ。」


ルーナは何も知る事のないままカルネラを送り出す。

しばらくすると大量の料理とともにカルネらが戻ってきた。


「お待たせいたしました。ガッツリガツンと満腹セット三人前になります。」


料理が運ばれている時には様々なもの達がその量に驚き注目した。そしてそのまま注目は料理から頼んだ本人へと集まった。

ルーナは目の前に料理が置かれてもさほど驚かなかった。


「ありがとなカルネラ。お前もなんか頼んで食ったらどうだ?。」


「いえ、私はすでに済ませてありますので。」


「そうか?ならいいけど。いただきます!」


食堂中の注目はルーナただ一人に集まっていた。

これがいつも通りだと言わんばかりに平然と食べ始め、皿に乗った大量の料理を崩さないように的確に食べ進めるルーナ。

こんな大食らいの奴がいたら嫌でも記憶に残るがルーナと呼ばれるその亜人は誰の記憶にも無く、その美しい見た目も合わせ一部の間では [食堂に舞い降りた白銀のウサ耳天使] と呼ばれるようになった。

ものの数分後、皿の上にあったものは見事に無くなっていた。

食堂にいた全ての人が見ていたがその食べっぷりにほとんどの人が食べ終わったことに気づかずにルーナを見ていた体勢で固まったままだった。


「いや〜、食ったな。ご馳走様!よし、部屋に戻るか!」


「かしこまりました。」


そう言って部屋を出て行く時にルーナを見ていた人達は動き出し、皆んな幻でも見ていたかのような表情を浮かべ食事をしていたものは再度食べ始め片付けをしていたものは続きを再開しと各々疑問を残しながら戻っていった。


ルーナは部屋へ戻ると数日前から今朝までずっと寝ていたのにまた眠ろうとしていた。


「カルネラまた飯の時間になったら起こしてくれ。」


「かしこまりました。」


カルネラはルーナのその行動・言動にぶれる事なく答えた。



ルーナが食事を終え、再度眠りにつく頃。

ロンドは使い魔召喚について調べるためにある部屋へ来ていた。



「ここに入るのは久しぶりだな。」


今ロンドがきている場所は国の重要な書類や歴史書などが収められた書物室だ。

途方もない数の書類や本、それを見上げただけでロンドはめまいがして倒れそうになった。


「……疲れてるのかな。」


ロンドがそういって手をついたとき、本棚にある一冊の本が妙に気になった。

それは子供の頃によく読んでいた絵本だった。


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