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第21話

俺とアドルフは、ヘリに戻る。

「ソフィアと、もう1人いた男はどうした」

加山がこちらを見ていた。

俺はうつむく。

せめて埋葬できればよかったものの。

「そう」

ユリアが顔を出す。

「メアリーは無事ですか?」

「ああ」

加山は奥からメアリーを連れてくる。

アドルフはメアリーに駆け寄り、抱きかかえた。

「終わったか、脱出するぞ」

俺はヘリに乗る。


エンジン音を挙げ、ヘリは上空へと昇る。

俺は静かに、椅子に座っている。

「これからコペンハーゲンに向かう。そこからの帰る道は各自で探してくれ。金は出す」

俺はずっと疑問だったことを聞く。

「なんで俺に連絡を?」

加山は答えた。

「君の両親は私たちの組織の一員だった」

俺は加山を見る。

「いるのか?俺の両親は」

男は顔を横に振る。

「もういない、15年ほど前か、君と、この子を残して不慮の事故で死んだ」

加山はそう言って、ユリアの肩を叩く。

「え?」

「君の両親はこの組織の・・・」

「そうじゃない。今なんて言った」

「君とこの子を残して・・・」

「そこだ」

俺は驚きで立ち上がる。

「この子、ユリアは俺の、妹?」

「ああそうだ。両親は、君達を親戚に預けた。そのうち、君の育ての親は私たちの組織を知らなかった」

俺はユリアの腕をつかむ。

「知っていたのか?」

ユリアはこちらを向き、冷たい口調で言った。

「知っていた」

俺は膝から崩れ落ちる。

俺に妹がいたのか。

俺はユリアを抱きしめた。

俺はもう失いたくない。


俺がそうしている横でアドルフが加山に言う。

「私の家はドイツにあります。騒動が収まるまでどこかに宿泊できますか」

「そうだな、このヘリはコペンハーゲンにあるビルに向かっている。そこに泊まると良い」

「そうですか。良かったですね」

アドルフはメアリーを抱きかかえる。

アドルフは涙を流す。

「どうして泣いているの?」

アドルフは涙を流しながら話す。

「許してください。私は、私はメアリーの本当のお父さんなんです」

涙がアドルフのスラックスを濡らす。

「知ってた。なんとなくだけど」

「え?」

「お父さんがなんか怪しく感じたの。なんかおかしいなって」

「メアリー、私を許してくれるのですか?」

メアリーはそっとアドルフの頭を撫でた。

「ありがとう」

アドルフは何回か繰り返し言った。


コペンハーゲンまでは1時間半くらいで着いた。

コペンハーゲンのとあるビルに、ヘリは着陸する。

俺とアドルフ、メアリーはヘリを降りる。

「ユリアは降りないのか?」

「そうだけど?」

ヘリは空に再浮上する。

「おい!おい!」

俺からまだ取るのか?

俺はまだ失うのか?

ただただ、ヘリを見ることしかできなかった。

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