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何回、転生させたら気が済むんですの!?  作者: 一雲一人


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第62話 『洞窟探索と反落の引き金』


翌朝、早くにジュンが帰ってきた。


「さすがに早いぞ、ジュン!」


シオン様が目覚めるタイミングを図るかのごとく、ベッドの脇に姿を現す。


「では、朝食を摂りながら話を伺いましょう」


「かしこまりました」


席に運ばれた朝食は、納豆に目玉焼き、焼き魚と味噌汁。昨晩とは打って変わってシンプルだったが、味は確かだ。


「で、どうだった?」


レオンが切り出した。


「はい、報告いたします。洞窟はやはりダンジョンでした。各階層にはゴブリンからオーガの類いが多数存在しています。また地上には、青鬼や赤鬼をはじめ、黄色や派手な紫色、果ては虹色をしたカラー鬼たちの家が山の上までびっしりと並んでいました。ですが、頂上には少し奇妙な建物があったのです」


ジュンは一息ついて続けた。


「そこには剣士や魔法使いなど、8人ほどの人間が生活しており、中には宝石や出土品、アイテムなどが保管されていました。おそらくダンジョンから産出されたものでしょう。深い階層までは潜れませんでしたが、地下10階以降にいたオーガたちは足かせをはめられていました」


「……とすると、その鬼たちは剣士や魔法使いに支配されているということか?」


「ええ。そこから逃げ出してきた者たちが、ここに生活の拠点を築こうとして暴れていたのではないでしょうか。僕はそんな気がしています。ただ、人間である僕たちがここでその事実に触れれば、『同じ人間同士でグルになり、何か危害を加えられるのでは』と鬼たちに警戒されているのかもしれません。一度、この街に居座っている鬼にも事情を聞いてみるのが良いかと思います」


「うむ、それはこれから私がその住み着いているという鬼たちに話を聞いてきましょう!」


「少し待っていてください」と言い残し、レオンは一人で出て行った。


街の路地裏を奥へと進む。目指すあたりは、鬼たちが生活する集落になっていた。


「少し聞きたいことがあるのだが」


レオンが青鬼数人に声をかける。

「お前、冒険者か?」


逆に問い返されたレオンは、自身の姿格好から否定もできず「そうだ」と答えた。


するとそれを待っていたかのように、背後にも数体の鬼が現れ、レオンはあっという間に囲まれてしまった。


「なぜこんなことをする? 人の町を我が物顔で奪うとは」


「それはお互い様だろう! お前の仲間に俺たちは支配され、奴隷のような扱いでダンジョンの出土品を差し出させられてきたんだ!」


「……やはりそうか。だが、私はその剣士や魔法使いどもの仲間ではない。少し話を聞かせてはくれないか? お前たちの役に立てるかもしれん」


「抜かせ! かかれっ!」


言葉も虚しく、襲いかかってきた6体の鬼は、あっという間にレオンの峰打ちによって倒れ込んだ。


「話を聞かせろと言っているのだが」


レオンは倒れた青鬼の顔の前に剣を突きつける。

「わ、分かった……!」


青鬼は恐々としつつも話し始めた。


「元々あのダンジョンにはゴブリンや魔獣がいて、俺たちは地上で穏やかに暮らしていたんだ。そこにダンジョンの出土品目当てで、冒険者とかいうお前たちのような連中がやって来て持ち帰るようになった。……まぁ、そこまでは別に良かったんだ。だが今、あの山の上に居座っている『勇者パーティ』とかいう奴らがやって来てから変わっちまった。俺たちを支配し、無理やり魔獣狩りをさせるようになって……今に至るってわけなんだよ」


事情を全て聴き出したレオンは、事の顛末をシオン様へ報告するために戻るのだった。


ライトとレフトが、だったらダンジョンの、中にはマソ溜まりがあるはずだ!それが生きていれば魔獣も出土品も作られるから、一度、オーガの、足かせを外してやれば?それでとレオンがライトに訪ねる。


それからオーガや鬼たちで冒険者とたいじさせては?ん、だが山の中腹辺りから色のカラフルな鬼たちは既に勇者パーティの仲間の様になっているらしいのだよ!


「そこで話を聞き、その鬼に決起を起こさせる算段を立てていたのです。『簡単に足かせを外せる仲間がいるから、それを合図に襲撃しろ』と告げたのですが……今の鬼は軟弱すぎて、使えるかどうか微妙なところです。シオン様、何か良い案はありませんか?」


レオンはその青鬼を連れて帰り、シオン様の前に転がした。


「生活の出来る土地がないのなら、作ればいいだけのことですのに」


シオンが当然のように言い放つ。

「と、申しますと……?」


「今後ダンジョンへ入る者たちから高い『入洞税』を徴収し、しっかりと管理・運営する体制を作れば良いのでしょう? そうすれば生半可な冒険者もおいそれと入れなくなりますし、内部に魔素が溜まってより強い魔獣が出現するようになりますわ。ごく簡単なことです」


シオンはフッと微笑み、言葉を継いだ。


「まあ、そのダンジョンが何階まであるのかは知りませんけれど……まずは、その『勇者もどき』たちを退治する必要がありますわね。一度その鬼たちを集めて、その足かせを外した合図で一気に襲撃させなさいな」


「それでも駄目なら、わたくしたちがお手伝いをいたしますわ! 宜しくて?」


シオン様の力強い言葉に、鬼たちは力強く頷いた。


こうして集められた鬼たちをまとめて島へと送り込み、洞窟へと踏み入ったシオン様御一行は、囚われていた鬼たちの足枷を次々と外していった。瞬く間に、大勢の鬼たちが集結する。


「──よく聞けぇ!!」


ここで、レオンが腹の底から大音声を張り上げた。


「既に勇者の言いなりとなっている『色鬼』どもは、この賢者シオン様が術で動けなくしてある! あんな連中は放っておいて、山の上にある勇者の砦を攻めるのだ! 分かったか!!」


『オーーーーーーーッ!!』


レオンの圧倒的な威圧感と鼓舞に、鬼たちは大地を揺らすほどの咆哮を上げ、一斉に山頂の砦を目指して走り出したのだった──!




(第63話へつづく)

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