第90話 姉の婚約者候補
屋敷に馬車がたくさん止まっている…裏庭に命一杯広がっており何ごとかと思い、気配察知を使い隠密を発動…表の庭に集まっている…
兄2人と姉のノヴァリリス、知らない気配で潜在能力の高いのが4人、おそらく従者がそこに控えてるらしかった。
行ってみると茶会という名の戦場がそこにはあった。殺気立っている?
目的は何だ?あ!ライラ嬢とレキシー嬢の婚約者たちもいた…
父上も母上もいないのか…なんだこれは?
とりあえず隠れているであろうアーロンを探す…温室側におった…
「おお!坊ちゃん!!ナイスですぜ!」
「アーロン状況説明だ!何があったん!?」
「御覧の通りですぜ!ウチの姫君狙いで他家の子息が兄君たち伝いで訪ねてきたんでさっ!」
「婚約者候補に名乗り上げてきたってこと?それは親同士が決めるのでは?」
「それはあるでしょうが、外堀からよりも力ずくを選んだ面々ということでしょうぜ…」
「うわっ、厄介メンツかよ…それにしてもかなえい強力な護衛も引き連れてきてるじゃん!脅しに来てるといっても過言ではなくね?」
「ええ!ですからブルース副団長様がこちらに向かわれているとか…」
「あぁ、そうなの…」
マイクは今年の始まりに副団長とドンパチした中で片腕を吹き飛ばしていたので顔を合わせ辛かった…
今日も今日とて引きこもりコースまっしぐらかな?
とりあえず素性を確かめてみることにした。
赤茶色の好戦的な方からご紹介していきたいと思います。彼はバート兄上と同い年で学友、侯爵家次男シュトラウス・シルバーホーク、武門系の家系で現王国騎士団団長を務めているのがシルバーホーク家の当主が務めており、代々嫡男が襲名することになっている。シュトラウスは次男であるため軍備の必要になるであろう地方に行くことがある程度は決まっているのだが…、なぜかいる…?後ろに控えているのは一緒に訓練を受けたこともある第2騎士団の副長さんカナタ・ディクタスさんかな?鬼ごっこしたのを思い出すね…
2人目は知的な感じがジーン兄上にかぶってる、子爵家嫡男のアスコット・サドラ―、宮廷貴族の一つであり、当主は宰相の懐刀として働いている。文官系の貴族であり、こちらもなぜノヴァリリス姉上を求めているのか謎である。ちなみに後ろの従者に見覚えがあるが彼はラスカル・リファール、第2騎士団第3部隊の隊長さんだ!!カナタさんの部下だね…
3人目は長髪の金髪イケメン、伯爵位を持つ外交官の三男ダブリン・ゼダーン、チャラチャラ遊んでいるような見た目で未来についていろいろ考えてノヴァリリス姉上に目を付けたらしい。一番わかりやすい相手かもしれない。従者も女性だし…うん間違いない、クソよりの野郎だね!!
最後におそらく婚約者候補の筆頭になるであろう、サニヴ・オブライエン、ブルースカイ辺境領の直属の貴族であり、ビートブラック家やパーマー家よりも家格のある伯爵家として土地を持つ貴族である。土地的にもイングランディーレ家と交友が生まれる位置、ほぼ間違いなく繋がるであろう少年である。ジーン兄上と同世代と聞いていたがオレと身長変わらないんじゃないかと思うくらいのサイズである。本人はたぶんメチャクチャ気にしているんだろうな…
さらにここの従者がガチで強そう…ガチムチ度で言うとゴリラと並ぶくらい…
そんな風に考えていると片腕の無いゴリラが…いやある!!!なんでだ!!吹き飛ばしたはずなのに‥?義手か?クソッ!動かしてくれなきゃわからないぜ!!!
「あの腕ですかい?クリス大司教様に治していただいたみたいですよ…復元に近いとか言って愚痴たれいていましたけど…」
「なっ…!?」
「不思議っすよね…あんな傷ふつうは無理ですぜ…どうなってるんでしょうね」
何だと…⁉今まで罪悪感抱いていたオレがバカみたいじゃねぇか!!治るなら先に言っておけよ、コノヤロー!!!
こちらに気づく様子もなく、兄上たちの後ろにではなくサニヴ・オヴライエン君の従者の隣に立った。会話も拾える…
「久しいなケンドール…息災か?」
「…話しかけるな、護衛中だぞ…」
「相変わらず堅い男だな、実力もあの頃のままなのではないか?」
「貴様こそたった6歳の少年に片腕を持っていかれたらしいではないか…副団長などと慣れない仕事で弱くなったか?」
「はははっ!言いよる…だが、貴様も相対すればわかるぞ…この屋敷におるし呼んでこようか?」
おい!ふざけんな誰が行くか!あんな怖ろしい奴と向き合えるかっ!!!全力で逃げるわ!
「ここにいるご子息より下の子なのだろう?冗談もたいがいにしろ…貴様がそんな言葉を口にするようになるとは、腕と同時に洞察力も失ったのか?」
「はははっ…なら連れて来ようか…」
そういってこっちに向かってきた…
オレだってすぐ逃げたんだ!でも、アーロンに裏切られて動揺して捕まったんだ…今首根っこ掴まれて連行中、オレが奪った腕でな…
「元気だったか小僧!相変わらずこっそり生きていて安心したぞ!」
「そりゃぁどうも…オレはあんたに会いたくなかったぞ…」
「はははっ、そう言うな!!次は油断などせずすぐ止めてやるさ
…息の根を!!」
「怖えよ!!」
そうしてお茶会に似合わない超軽装で現れた7歳児のマイク…全員の目がこちらに届くが一番怖いのはやっぱりこのケンドールっていうオッサンだな…
「どうだ…これがわたしの腕を持っていった小僧だ!!」
「………」
なんか言えや!無言が一番反応に困るやないかい!!
仕方ねぇ!自己紹介するか…
「ども!マイクで~す。おねしゃーす…」
「………」
またも無言…なんなのコイツ…
「マイク、まずはこちらの皆さんに挨拶だよ…」
バート兄上に言われてようやく理解した。主人が先に挨拶しないとしゃべれないのか…面倒くさいな…
「それでは改めまして、イングランディーレ家三男マイク・イングランディーレです。以後お見知りおきください」
「へぇ~君が例の……私はサニヴ・オブライエン、辺境伯家の長男だよ…よろしくね」
「ちっ…!シュトラウスだ…シルバーホーク侯爵家次男だ…」
「ダブリン・ゼダーン!いずれキミの義兄になる存在だ、よろしく頼む」
「アスコット・サドラ―です。よろしくお願いします。この方の戯言は聞き流していただいて構いませんよ…」
「はい、よろしくお願いします。カナタさんもラスカルも元気そうだね…それでそちらの…」
「ケンドールだ!オブライエン辺境騎士団副団長を務めている…あなたがブルースの片腕を奪った件の少年か?」
「ええっと…そうなりますかね?あんまり覚えてないですけど…」
「なにを言う!ワタシが避けねば命ごといかれていたぞ!忘れたとは情けない!!」
「いずれ実力を見せてもらいたいな…辺境に来ることがあれば、その時はよろしく頼む…」
「あはは…考えておきます…」
「マイク様‥お席はこちらに…」
「ちょっと待って…お姉さん名前は?」
「…パステルと申します。王国騎士団特別任務機関ですのでマイク様には初めてになりますね…」
「どことなくブレシアに似ているね…よろしくね」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします」
「マイクは護衛の者たちと仲が良いのか?」
長金髪が訪ねてきた…同じ三男同士仲良くしてやるか…
「そうですね…王国騎士団の訓練に混ぜられていたので…顔見知りは多いですよ」
「ほう。顔が広いのは良いことだな…」
この人よく見たらゴージャスに似てるな…親族かな?
その後も茶会に参加してそれぞれが姉にアタックしていく様を見守っておいた…
◇◇◇◇
「どうだった?」
「…と言いますと?」
「あの子だよ…弟君のマイク君…かつての盟友の片腕を持っていったのだろう…」
「そうですね、まだ信じられませんが、とてつもない魔力を持っているのはわかりました。しかもそれを周りにバレないように制御して7歳児のフリができている…間違いなく怪物ですね…」
「ケンドールにしてはだいぶ高めの評価だね…そうか、そんな面白い子だったのか…いずれ、辺境に来てくれるかな?」
馬車は王宮に向かっていった…




