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第76話 兄の入学見守り隊!

 兄の学園入学の日らしい。特に興味もなかったのだが兄の婚約者ライラ嬢のタウンハウスに寄って学園に向かうのだと御者のライアンに聞いた。現在散歩中であったがついて行ってみることにした。


 ベルトは一旦しまって能力ガンガンに使用して気配遮断、環境同化の最強の存在隠ぺいのコンボである。

 当然のようにコミュ症先生の授業をサボり、騎士団の訓練はゴリラがいない日なので行かなくても問題ない。


 てなわけで、いざっ!見学入学式…


 学園の場所は貴族街のだけど関門側で西側にそれなりの敷地と建物の存在感を有している。正式名称を初めて確認できたかな…カントン王国貴族学園、基本的に王都に住む貴族子弟が通う形式だが、遠い領地から子供を送ってくるケースもある。時期にもよるが基本的には交友を広げる側面や新たな縁を繋ぐ場として利用されている。


 そんなわけで12歳の年の子どもが同学年として学園に入学してくる。馬車でごった返しており危険でいっぱいだ…

 あれ?親はいないのか…?

 どうやら式典などはないらしい。いつまでも親の庇護にいるわけではないという志向らしい…気が早いのか?そんな危険もなさそうなのにな、伝統ってめんどくせぇ…時代に合わせろよ…


 という感情のこもってない愚痴はおいといて全員わかってるように自分の教室を目指している。すでに案内の書類は届けているのかよどみなく進んでいく。

 というよりすでに何度も足を運んでいるのだがマイクだけ知らないだけである。


 すでになんとなくのグループが形成されており、だいたいが同じ身分の子たちで集まってるみたい。

 学園内はある程度の爵位の上下は緩和されているが将来的なことを考えるとそうやすやすと身分の差を飛び越えることはできない。そのためこの時点から婚約者が決まっていない者や新たに交友を広げたい者にとっては絶好の場となっている。ただ許容範囲は人それぞれのため、しっかり見極める必要がある。


 そんな中我が兄は特殊な立場であり、爵位が上がっていくことが約束された存在でありこの学園においてはかなり面倒なポジションではあるのだが、現在は子爵家嫡男として振舞っているようだ。ライラ嬢は婚約者であるとはいえそれほど大仰に振舞ってるわけではなく現在のビートブラック男爵家の爵位に並ぶ人たちと一緒にいるようであった。異性でしっかり分かれているのは、どの世界でも変わらんのよな…


 20人くらいかな…クラスはA,B,C,Dで2人はCらしい。この辺りも爵位とか学力なのかと思ったが関係ないらしい。思ったよりしっかり学校だ…


 騎士爵の子が半分、男爵子弟が5人、子爵1、伯爵2、侯爵2みたいな配分。このクラスだけちょっと偏っているのかもしれない。


 そうして物色していると担当教師が各教室に入っていく。オレも入っておこ…


「今日からこのクラスの担当になりましたルートルフ・シンボルと申します。気軽にルートとお呼びください…それでは今日の動きについて説明します。」


 どうやら今日は初日とはいえ色々確認するべきことがあるらしい。クラス全員の能力を確認し合う模擬戦や訓練などサーキットトレーニングのように順々に巡るらしい。


 まずは魔力鑑定での本人確認が行われてから各クラスそれぞれの種目、魔法による的当て、健康診断、体力測定、模擬戦を昼ごはんを挟むつつ行われた。


 兄上のクラスは的当てからで兄上は雷魔法でパパッと終わらせてた。ライラ嬢も火の魔法を当てて適性属性がない人は身体強化で石を投げたりしていた。運動できない子もやらされていたのは可哀そうだった。1人だけだけど…おそらく運動できない子は魔法を最低限やっておくものなのだろうと察しておいた。


 健康診断は男女分かれて行われたのでオレは当然女子の方に行った…だが12歳で成熟している子はほぼいない…なんか萎えた…悪いことして覗いているのに…なにも得るものがないとは……

 儚い…


 体力測定は魔法が使えない結界の中で行われているみたいで外で眺めていた。結界を体に纏えればあんなベルトいらなかったなと思いつつ、細かい設定ができるようにしたのだから問題ないと割り切り思い直した。


 ご飯を食べに食堂に向かったのでオレは収納魔法からトムに作ってもらった豚骨ラーメンを食べて残りの模擬戦を観戦しておいた。兄上は伯爵子弟の相手をしていた長身でメガネをかけている岡田将生になりそうな人で水属性の魔法と身体強化で戦っていた。兄はある程度やってから勝ちを譲っていたけど…


 ライラ嬢の試合も見たが火属性を使い慣れてないのか制御が甘く変な方向にぶっ放していた…人にぶっ放すのにためらったのかな?そんな感じでできない人なりの魔法を確認できたりした。みんなへっぴり腰で面白かった…

 まぁ慣れてないのでしょうね…やる意味もあまりないらしい。いうなれば伝統。貴族ゆえの見栄というかなんというか…しょうもない人間性である。


 教室に戻り明日から授業が始まるらしくその説明がなされていた。

 簡単な数学、文学、外国語、歴史、政治・経済、貴族学、魔術、体育、ダンス、芸術といった時間割が発表されていた。なんだろう…今までのコミュ症先生から習ったであろうラインナップ…来る意味ないのかもしれない……


 そうは言いつつ交流の場としての価値が一番高いのだろう…入学するときの爵位次第でしがらみとかのレベルが変わっていきそうだ…貢献しないように頑張ろう!


 マイクはそう考えて学園を去るのであった。

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