第73話 地下への入口
先日の屋敷の調査の依頼でギルドに呼び出されていた。
「結果から言いますと依頼は成功です。現在屋敷の解体作業に入ってる最中なのですが一つ問題が出てきまして…」
「その解決にオレですか?」
「はい、本来であればもう少し上のランクの方への依頼なのですがマイク様でしたら問題ないのではないかと…判断されました」
「ほかに誰か付くようなこともないわけですか?」
「はい、依頼内容については受注次第となっておりますがどうされますか?」
そう言われては知りたいとしか思わないわけで依頼を受けることにした。
依頼は屋敷を崩したときに出てきた地下への入口の開閉ができるかという…斥候専門の依頼だった…猿ロックかな?
状態は現地につけばわかるということですぐ行くことになった。6歳の依頼としてはどうなんだ?全部すごい成果出してるしこれも成功したらどうしよう…10歳の正式な冒険者登録でSランク始まりとかにしてくれないかな?
屋敷につくとすぐ地下への入口に案内された。場所的には正面玄関少し入った付近、おそらくロビー中央の真下にあったようである。
瓦礫はだいぶ撤去されていてかなり急ピッチで作業が進んでいることが分かる。
問題の地下への入口は結界が施してあった。誰かがかけたのか聞いたら元からあるらしく、この影響で地面がならせなかったらしい。
入口は長方形の引き戸なのかスライドなのか、人ひとりしか通れないような大きさである。
結界自体は難しいものではないので無効化するのは簡単そうだけど、何かしらの罠という可能性にも感じられるので鑑定魔法で解析してから…
とう!
妖精パンが勝手に触れやがった…!
結界は解かれ、扉が勝手に開いてしまった。
「行くよ!マイク!ご先祖様との初めての面会だよ!」
なに言われているのかよくわからなかった。
バイアリ―タークってやつ?
知らんって…面倒ごと感満載だけどな~仕方なきかぁ~~~
そうして仕方なく再度近づくと吸い込まれるような感覚に襲われた。正直言うとそこからのことはあまり覚えていない。靄のかかった奴になにか思い切り早送りで語られ、その周りをパンが嬉しそうに飛び回り、やかましそうにしていた…
気付いた時には元の場所に意識が帰ってきていた。案内してくれていたギルドのお姉さんが心配してくれていたが時間にしては一瞬で急に項垂れただけらしい…
パンはその辺を嬉しそうに飛んでいた…あとで何が起きていたのか聞こう…
していつの間にか地下への入口は消えてしまったらしい…
「とりあえず依頼は達成です…結界の解除の部分が多少あやふやですがマイク様を連れてきて起こったことですので何とか処理できそうですね」
「そう…じゃあ解散ってことでいいのかな?」
そうして依頼を終え屋敷に戻ったマイクはいの一番に布団に飛び込んだ!
マイクはがっつり寝た…
マイクは夢を見ていた…昼間見た映像に似ている場所…白い壁にに囲まれた異質な空間…どこかに似ているようで思い出せないようなそんな場所だった。
目の前にはのっぺらぼうのくせに髭が生えてるパーティーグッズつけたマネキンがいた。?
?なにか話しているが昼間同様に何も聞き取れない…
魔王よりひどいな…消音設定中か?
パンが飛び回って…喜んでる?ってことはバイアリ―ターク関係か…
ヒントをくれや、マジで!!分かんねぇから!
「…れてたのか、これで聞こえるようになったか?我が子孫よ!」
「で?だれ?」
「予想通りワシがバイアリタークの初代である!大ジジと呼ぶがいい!マイク・イングランディーレよ!」
こっちの個人情報駄々洩れやん…にやにやしやがってクソ爺が!
「ここは何なの?」
「ここはワシの血族だけが入れる精神世界だな…現代で入って来れるのはマイクとセブンの二人だけであるがな」
「父上も大ジジさんを知ってるのか?」
「いや、知らんであろう!まだ会っておらんし、会う機会を永遠に失ってしまった!!だっはっはっはぁ~」
どうやら豪快な爺さんらしい、何のためにこんなものを未来に用意したのか聞いてみたいけど…知ったらめんどくさいことになりそうなのでやめておくか…
「まぁそのように考えるでない!しかと聞け!ワシが死んでなおこの魔法を仕掛けたのかを!いずれワシと同じ転生者が現れて知恵を授けようと思ったからじゃ!」
「転生者か…」
「そうじゃ、この世界は転生者の欲望の大きさに比例して立ち塞がる壁が生まれてくる。最初から穏やかにスローライフを求めるモノには優しい世界が!環境に馴染み周りを全てを守ろうとする者にはその都度それなりの試練が現れる!手に入れた力を振るおうとすれば世界の攻撃性も上がっていく。
この世界にはそれぞれの転生者が間違えや欲望の果てによって生まれた歪さで構築されているのだ!」
なんかすごい話されてる。転生者のための世界っていうネタバレだ…面白くないなぁ
「ワシはおおよそ最初の方の転生者であったがこのことを次代の転生者に上手く伝える手段がなくてな…バイアリ―ターク家で代々受け継いでいってほしかったのじゃが、いつの間にか滅んでおったわ!!」
大笑いしてる…根幹を知ってる理由が知りたいんだけど…?神様にでもあったのか?
「おう!あったぞ!今は会えないらしいな!ワシは多くを望まなかったからな!文明を作ったくらいで大した貢献もせずのうのうと生きていたら神さんに怒られたんじゃ!」
「へぇ、オレと似たようなもんか…なんて言われたんだ?」
「そこでこの世界の仕組みのことを言われたのと子孫を作り過ぎとかかのぉ」
「うわっ!原始状態での子だくさんハーレム無双か!スケベジジイじゃん!」
「言っておくがそのころの人間は知能指数が怖ろしく低くてまとめるのも一苦労だったんじゃぞ!だが母という役割を与えておけば落ち着くのが分かり、愛を命一杯育んでもらい、教育をして何とか1000人規模の集落を作れるようになっていったんじゃぞ!」
「頑張ったんだねおじいちゃん!それで残ってる子孫が5人って…どんな気分?」
大ジジは撃沈してしまったようだ…言い過ぎたか
それにしても精神世界に相手を引きずり込むためには死ぬ必要があるのかな…魔法が使えなくて困る…
「で最後みたいなこと言ってなかったっけ?」
「ワシの魔法はマイクが干渉したことで消えたらしい。今再現できているのは無意識下での記憶魔法だろう」
「は?その魔法に干渉してきてるの?え?どうゆう状態?」
「ワシにも分からん。思い出せばもう一度会えるかもしれないし、忘れてしまえばこれで最後だ!」
「?ムズイ魔法だな…まぁいいか、言いたいことはそれでいいのか?」
「ドライだな!最後化もしれないのに!」
「長々しゃべっても忘れる可能性あるんだろ?じゃあ意味ないじゃん!」
「忘れてしまうかもしれないが記憶にいれておくということが大事なんだよ!いずれ何かの拍子に顔を出すかもしれないだろう!」
「…そう…かもね……」
「マイクは楽しんで生きろよ!後悔の無いようにな!」
「任せろ!まだ6歳だ!なめんなよ!」
最後にマネキンが笑った気がした…




