第68話 馬上訓練
訓練は王国剣術、槍術、体術を修め終わり馬術の訓練に入っていた。
そのためオルに乗って騎士団訓練場に来ている。馬術とはどういったことをするのか、割と楽しみにしていた。
いつもどおり固定魔法で馬の背に寝転がり足組む舐めたスタイルで馬に乗っていたらゴリラ副団長に吹き飛ばされました。
あ、お久しぶりっす。違う違うそうじゃない…なんでオレの固定魔法無視してこんなことできるの?周囲魔素の制圧?オレの魔力だろ!いやもう魔法として行使してるのだが?
相変わらずぶっ飛んでる副団長を前に正座させられ中!
「なぜ怒られているかわかるか小僧!貴様の態度は馬に乗る資格のないものの行いだ!魔獣の血を引いた優秀な馬に乗ろうと誰も貴様を認めない!敬意をもって馬と触れ合え!今は良くともいずれ貴様の指示に従わなくなるぞ!……」
ものすごく怒られた…これあれか?助手席に座った奴がボンネットに足乗せるみたいなやつか?…
あれ…所有者の意見か……じゃあ違くね?ちょっと理解ムズイな…
「おい!聞いているのか!!そういう態度から直していく姿勢が大事だぞ!いいな!もう二度とこんなこと言わせるなよ!」
「…はい!」
あれ?でもコイツ屋敷でのオレの振舞い見てただろ…TPOってことか…騎士団の名を名乗る以上は馬に対して真摯たれ!的な?
そんなやりとりがあってから馬術の訓練をした。
といってもオルとは使役魔法で繋がっているのでそこまで指示を正確に行えなくても問題ない。そんな風に思っていたら簡単に考えを見透かされて指摘された…オルがいない場面もあるとか、基礎的なことは誰かに教える可能性があるから覚えておいて損はないとか、ちゃんと乗らないとそれだけで嘲笑されるとか…
言ってることはわかるがあんまりやる気にならんのよね…仕方ない、辛くもない退屈なことではあるが地道にやろう。いずれ自分の身を救うと信じて…
周りに歩調を合わせること、おとなしく並足で揃えること、小回り効くかどうか、軽い障害物を超えたり、競走させたり、一通りこなした後に音に驚かないような訓練や顔に泥や砂利が飛んできても鈍らないような訓練、などをして武器を持たされて馬上にあげられた。
ここから本来の訓練メニューである騎乗戦闘である。リーチ長っ!
槍というか薙刀?青龍刀みたいな獲物を持って振り回してみるけど、振り回されるって…
「小僧!身体強化も使え!槍術を軸に剣術を組み合わせて素振りをしてみろ!」
言われた通りにしたがムズイことに気づいた…使役魔法、固定魔法に身体強化、収納魔法低減のための重力魔法の常時展開でみるみる減っていく魔力…体幹吹き飛びそうかも…6歳でやることかね?
そうして訓練は進む、武器を持ちつつの並走、オルにある程度好きにやらせつついざ馬上で動くとなるとガチャ付きパワーを生み出すところまで及ばなかった。
「まだその馬に乗る資格はないようだと理解したか?いくら慕われていようが自身の身の丈に合わない道具は身を亡ぼすことに繋がることを覚えておけ!」
そういってかなり厳しい口調の副団長は他に行ってしまった。
ここまで言われるのは初かもしれない…なにが琴線に触れたのかは知らないが馬に乗るときは気を付けよう…
「こってり絞られたね!あんな副団長様初めて見たわ!」
そういってブレシアとカタリナの騎士団新人採用された二人が近づいてきた。
「マイクちゃんこの馬さん立派だねぇ~やっぱりいいおうちの子だったんだねぇ」
「一応子爵になりましたからね…オルはそれ以前から屋敷に来ましたけど…」
「へぇ~オル君って言うんだ…こんないい馬じゃ他の人に奪われちゃうかもね…」
「大丈夫だよ…魔法使えるから!本来の毛並みとも違うしね」
「ええ、より危険じゃない?特にゴージャスには気を付けないと…」
「やぁ!呼んだかな?マイク氏!!今日も元気そうだったね、やはり君がいる時のこの騎士団はとても良いね!」
「なにがいいんだよ…わりと迷惑でしょ!」
「そんなことないさ!げんに副団長は君を徹底マークして僕らは少しだけ油断できるからね!ニヤッ」
「うわっ‼極悪人じゃん!こんな幼気な6歳児を囮にするなんて騎士団の風上にも置けん奴らだ!」
「耳が痛いね!でも、こうしてブレシア嬢やカタリナ嬢が喜んでいるのさ、いつでも僕らは歓迎するさ!」
「へーへー、最低限にさせてもらうわ…」
訓練終わりにオルに乗りつつ屋敷に帰るがいろんな視線がある気がした…
面倒ごとの予感!光属性の閃光弾で目くらましとともに気配遮断!環境同化して無事屋敷に戻った。
屋敷に帰ってオルの世話をしたマイクは屋上庭園で体を休めることにする。6歳児にしては早いが体のメンテナンスをすることにした。未だ筋肉が硬くなることはなく無理のない範囲で伸ばしつつ、四肢をぶらぶらさせていく。ラヴェにも軽くマッサージをしてもらいその日は魔物の資料をまとめる依頼をこなすのであった。
「クソッ!見失った…」
「仕方ない、いつの間にか気づかれていたんだ。」
「しかし少年程度にバレるとは…どうする?」
「仕方ないだろう、屋敷にいる時の襲撃しよう」
オルを狙った賊がこの日の夜忍び込んだがアーロンとオルによって撃退されることになった。調べると以前オルを押し付けた貴族による犯行らしい。この件は実行犯の死体を送り付けることで牽制することになった。過激なラヴェは死体を弄んで馬のオブジェを作ろうと提案したが却下された。
もちろんこの件はマイクには知らされてない。




