第64話 害悪
かき氷のフワフワの再現を研究を進めていた。激ムズ君!刃の角度を検証していたら通信魔法で連絡が届いた。
「ココ?なんだろう?」
以前渡した通信魔法を刻印した魔道具から連絡を受信していた。通信魔法でココを捕らえて連絡をする。
「どうしたの、ココ?」
「うわっ!マイク君!?急いで来てくれ!ヤバイ奴らがいちゃもんつけて脅してきてるんだ!」
「?すぐ行く」
通話を切り、ラヴェに伝え、転移魔法でバックヤードに移動、ココがいた…
「うわっ!早っ!!!カウンターでシェナが対応してるんだけど、やけに嫌なことばかり言ってくるんだ!生産地を偽ってるとか、建物が違法だとか、勇者に対する冒とくだとかあることないことデカい声で喚き散らしてんだ!あの連中が…!」
「へぇ~誰の仕業かな…」
カウンターに向かうと鉄パイプやら角材を持った見て分かるチンピラがベラベラグダグダ騒いでる。タダにしろとか、こんなもの飲んでると病気になるとか、周りを威圧してる…行ってることがメチャクチャだな…久しぶりにこんな連中見た…
近づきつつ不可視の結界を展開し、出入り自由で音だけ遮断する効果を付与
外で様子を伺ってる人たちは急に静かになって目を合わせている…席に座ってる人たちも急に音が消えたことに首をかしげている。
「なにしたの?」とココに聞かれたけど、下がっておいてと指示をして結界内に入っていく。
「だからそれは言いがかりです!証拠もないのに!いい加減帰ってください!」
「ははっ、証拠がない?証拠がないのはそっちだぜ!こういうのなんて言うか知ってるか?産地偽装って言うんだぜ!ルミナンスのコーヒーだって言うなら証拠を見せてみろよ!」
本当に言いがかり…なんのつもりかな?話すつもりもないので近づいて雷属性の魔法電気ショック、「なんだガキ!」と気づいたチンピラ6人全員に使用。倒れさせたら騒ぎになるので意識のない状態になったチンピラを操糸魔法で立たせておく…
「マ…マイク様?危な…ん?……大丈夫でしょうか?」
「うん、大丈夫大丈夫…久しぶりだね、こんな客…みんな怪我はない?」
「は…はい!ティナが突き飛ばされて頭を打ったみたいで…」
「大丈夫?ティナ、ごめんね、無理しないでね…」
「え?…あっ、はい!マイクちゃん、いつの間に!」
「マイク様でしょ!」とシェナにはたかれるティナ、頭打ったんだよね?
心配なので回復魔法をかけておく。
「ありがと!マイクちゃ…マイク様!」
「いいよ~、あとちゃんでいいし…
裏にいる奴捕まえてくるから、心配なく営業しておいて、お代も迷惑料としてとらなくてもいいから」
「え?それですと区別がつきませんが?」
「じゃあ、コーヒー一杯無料とかで対応してあげて、あとは任せるねシェナ!」
「はい、お任せください、マイク様!」
とりあえず糸で操るのは初めてなのでチンピラたちを出口に向けて歩かせてみる…ぎこちないけどいいでしょう。渡り廊下を通り時計台ふもとの屋上に渡る。野次馬の中に主犯がいるだろうと探る。ああ、いるね何人か、ちなみにオレはチンピラの後について行ってるよ…
そんな人込みの中チンピラに近づいてくる主犯…
スティッフィリオ・アエロリット…
ココの兄でアエロリット家の次期当主、貴族界隈で迷惑者として蔑まふれている。絶賛無敵状態の男…よくもまぁ逆ハラスメント一本で悪さできたものだよ…ある意味すごい…
沈む船にトドメを刺す気はなかったけど…排除しようかな
ココには申し訳ないけどご実家にも被害が出るかも…いいよね?
「おい!どういうつもりだ!難癖付けて騒いだら、相手の行動に合わせて対応しろと言っただろ!なに勝手なことをしてるんだ!おい!聞いてるのか!」
動画回したいけどそんな道具ないので録音で…
「さっさと行け!営業停止狙って店員も客も建物も全部駄目にしてこい!報酬は倍だ!!」
反応しないチンピラ、違和感に気づかないのかな?
「……?なんだコイツら…動かないのか?」
「もしかしてもう意識がないんじゃ…」
「そんなことあるか、今も立ってるじゃねぇか」
「でも白目むいてるぞ!」
「元々じゃね?」
「そんな奴いる?」
と取り巻きがうろたえ始める。
「もういい!放っておけ!気を失っているのなら危害を加えたとして慰謝料を請求!その後店も明け渡せてもらえばいい…行くぞ!」
良いわけなくね?
空間を囲む結界を展開、通行不可・外から見えない
「痛っ!なんだ!」
「なにしてんだよ!」
「いやここに壁が…」
さらにうろたえてる間に意識のないチンピラで取り巻きを取り押さえる。
「なにしやがんだ!!下賎ごときがオレに触れるな!」
「おい!なんだコイツら!助けろ!スティフ!!」
「っ!?なんだ?何が起きて?」
チンピラを操糸魔法で操り、取り巻きを取り押さえ連行、重力魔法をかけて飛び降りる。取り巻きとスティッフィリオは「やめろ!死にたくない」と叫び散らかす…
空中でもうるさく、地面についてようやく安堵してた。ちなみにオレは光学迷彩で見えないようにしてる。それにしてもこれだけ魔法を使ってもまだ半分くらいしか減ってない…だいぶ成長したのかもしれない。
当然誰にも見られず着地、関門方面に向かい地下に入っていく。出入り口を塞いで解放してあげる。
「なんだこれは?誰も気づいてないのか?」
「地下?こんな汚らわしい場所に連れてきやがって…!」
戻ろうとするも見えない壁に邪魔される。
「なんなんだ!さっきから!!!」
「おい!入り口が消えていくぞ!!」
デスゲームみたいな状況になっちゃったな…そうしちゃおっ!!!
明かりを灯して道順を提示してみる。
「おい!なんか光り始めたぞ!向こうに行けばいいのか?」
「バカよせ!相手の思惑通りに動くな!そっち行ったら間違いなく危ないに決まってる!」
「なにを偉そうに!貴様に従ったのが間違いだったんだ!」
「勝手についてきて勝手なことを申すな!そんなことであればこちら側につかなければよかったではないか!」
内輪揉め始まっちゃった…どうしよう、スラムの方に誘導して迷子にでもさせればいいくらいに考えてたのに…このままだとこの下水で迷子になりそうだな……
まぁいいか…
スティッフィリオ以外の家がわからないんだよな…
助ければ恩に感じてくれそうであればよかったんだけど…
ちゃんと無理そう!
それからやかましく騒ぐ貴族令息3人、連れてきたチンピラをひっそり退場させて置いた。操糸魔法に管理魔法を組み合わせて大広場に誘導…あとは放置…彼らはどう動くのかな?
さて気を取り直してこっちを考えよう!!チンピラが消えたことにビビり始めた。もう1人は涙目だ…かわいそう……
「情けない!このようなことで根を上げるなど!!ワタシはゆくぞ!誘導されてるとしてももはや臭くてたまらん!」
「「……」」
仕方なくついて行こうとする貴族令息
1人で行かした方が面白さなので2人を引っ張り地下道から静かに追い出した。
いつ気づくかな?
あ!気づいた!!めちゃくちゃ焦り始めた!!
うわ!泣きそう…こんな理不尽な目にあってるのは人にもやったことなのにね…
そう思いつつもスラムの出入り口の方まで来た…出口はもうすぐか…
ストーキングするのも飽きたな…これくらいじゃまだまだ嫌がらせて来そうだもんな〜でもめんどくさくなっちゃったんだもんな〜仕方ないよね放置放置…
オレは地下道を通って屋敷に帰ることにするのであった
「くそ!ここはどこだ!?なんでいつもこんな目に合わなきゃなんないんだ!」
スティッフィリオの気持ちには誰も気づかない。歪んだ人間の心に寄り添える人間は多くはないのだ…彼はまだそれを知らない……




