第62話 夏に向けて 2
暑くなってきた…サンダルは去年に引き続き使うとして通気性のいい服が欲しい…去年服は作ったが素材については詳しくなく特に指定することなく作ってもらったので物足らなさを感じていたのだ…
「なので今日は服飾店に行きます!」
「はい!馬車は手配されますか?」
「珍しい提案だね、大丈夫だよ」
「いえ、ライアンさんがオルを連れ出してほしいと…」
「ああ、たしかに連れて行こうか…目立たないように行けば問題ないよね…」
オルにリードをつけて連れていく…ただ乗れというのでリードをラヴェに任せようと思ったらメイドの姿で馬を引くことは貴族界隈では嫌悪されるらしい…隠密使えばよくね?と思ったが仕方なく天の透けを呼んで人形に入ってもらう。オルを引いて服飾店に行くことを頼んだ。
オルに鞍をつけている間に天の透けが来て出発!天の透けがビビってる…オル!圧をかけないで!
オルは月毛の姿を隠しつつ、天の透けは気配遮断、ラヴェも隠密してるし、何この一団?暗殺集団?
貴族街のど真ん中を我が物顔で進むも誰も気づいていない…寝ながら乗っていても誰も気づかない。安全も考えて固定魔法を使っているのでほぼ問題ない
…と思っていたら馬車が横から突っ込んできた…気づいてねぇのかよ!
驚いた天の透けとオルは魔法をきってしまう。
「大丈夫二人とも?さぁ行こうぜ~」
「ちょっと待て!!!」
何者かに呼び止められた…嫌な感じ!
無視して進もうとすると「ちょっ待てよ!」という声がさらに届いた…キムタクかなと振り向くと…
「おい!貴様ら!!!待てと言ってるだろう!このワタシを誰だと思ってるんだ!」
メチャ叫んでる…キムタクだろ!?
「ワタシはアエロリット家嫡男スティッフィリオ!貴様のような木っ端貴族が無視していい存在ではない!さっさと頭を下げよ!」
うわっ!まだコイツ生きてたんか、ココの兄…会ったことなかったが貴族界隈では無敵状態でやりたい放題のヤツ…!こういう情報遮断してたから知らんかった。もう世間的に死んだかと思ってたのに…学園の制服を着てる…?バート兄上の一個上だっけか?
「 たたかう どうぐ
ポケ○ン ▶にげる 」
…ダメだ!なぜか逃げることができない!
「はい、なんでございましょ~か?」
「ふっ!貴様がぶつかったことで私が傷ついたぞ!慰謝料を要求する!」
うわっ!アタリ屋だった!!男爵嫡男がやることじゃなくね?なんでこんなメンドクサイことに…
こっちは6歳児やぞ!おい!天の透け!!オロオロすんな!!
「ふっ!どうした?まだ言葉も上手くしゃべれないのか?自己紹介くらいはできるだろう?どこの貴族だ?」
「あ!それでいいのか!!すんません!なんのことかわからないです!記憶無いんで!慰謝料でしたっけ?いくらもらえるんですか?金貨100枚でいいですよ」
「なっ!」
「ぶつかったから慰謝料払いに来てくださったんですよね?ありがとうございます。受け取りますよ!」
「貴様らがぶつかったといったであろう!慰謝料を払うのはそちらだ!よく考えろ!」
「はぁ~?ですが記憶がないので対応のしようがないですね…証拠があるんですか?」
「当然だ!私が見ていた!」
「それは証拠になりませんよ…いくらでもホラが吹けるでしょう!それにあなたはピンピンしてるでしょう!事故が起きたというのならあなたがお金を払うべきでは?」
「ぐっ…!証拠ならあるぞ、腕が赤くなってるだろ!これでいいだろっ!ホラッ!さっさと寄こせ!」
無理があるだろ!いくら巻き上げられると思ってんだ!?
ムカついたので手のひらから造形魔法で金貨をばらまいてあげた…
「ほら、受け取れよ!貧乏人!!」
「なっ…!貴様こんなことしていいと思ってるのか!?」
「お前こそ6歳相手に大人げないとかないの?弱い相手にしか粋がれない小物が話しかけてくんじゃねぇよ!ゴミムシが!」
信じられないって顔してる…そんな衝撃的だったか?放心状態?もうめんどくさいのでオルに乗ってその場をあとにした…
ちなみに金メッキは地面に吸い込まれていったよ!オレの造形魔法はたいてい存在理由が無くなったら周囲の魔素に消えていっている。カフェの容器なんかもゴミにもならず再利用すらできない素材なのだ!
そうして服飾店横の生地店についた…
「いらっしゃいませ!マイク様ですね、いtもご利用ありがとうございます!本日はどのようなモノをお探しでしょうか?」
「あ、うん通気性のいい生地かな、去年よりも汗とか吸ってくれるような素材か速乾性の高い素材もあればいいんだけど…」
「?汗…ですか……そうなると表に出るようになってしまいますが?」
「あぁ、そうなったらそうなったでかまわないよ着替えれば済むし…とりあえず見せてもらえる?」
「はいかしこまりました!」
そういって去年使われた生地をやスケスケすぎる生地など持ってきてもらった。切れ端とかでメッシュ生地の説明をしたり、石油から抽出されてる素材がないか確認
う~んポリエステルやナイロンは厳しいかな…
勧められたのは薄いベストで高級感ある生地だった。海の魔物素材から作られたものらしく火耐性を上げ、水属性の魔法を高め、汗なども処理する一品らしい…
「ウミラカンスという地方では生きた化石と言われる魔物の素材です。海の深い場所で過ごし、他の魔物を寄せ付けない腐敗臭を発し滅多に姿を見せない存在らしいのですが、たまたま浜辺に打つあがっていたようで希少な一品でございます」
「へえ~そんな希少なものいいの?確かにサイズ的にもオレにしか合わないだろうけど…」
「かまいません!マイク様の考えてくださった特殊なボタンやファスナーは我々衣服類を取り扱うものにとって大変ありがたい製品となっております。それを産み落としてくださったマイク様にはこれでも礼として足りないほどです!」
メチャクチャ感謝されてる~なんだろう…ごめんなさいYKK!
素敵なベストの着心地としてはかなり軽く蒸れ感もない。てか着てないみたい…この世界すごいわ…いろんな代用品があって異世界だと認識させられる…
頼んだものはいずれ届けてもらうことになり、夏に向けてのスタートをきるのであった…




