第60話 下町依頼を受注♡
いつも通りコミュ症先生の授業も副団長の訓練もすっぽかして、本日は冒険者ギルドに来ていた。
「現在マイク様が受けることができる依頼はこの貴族街にはありませんね…」
「その言い方だと下町の方にはあるの?」
「え?…ですがあちらで依頼を受注するには保護者としてCランク一人かDランク2人が必要になりますので冒険者の知り合いがいない方にはご案内ができません」
「そうなんだ…ちなみにそういう依頼を出したら付き添ってもらえるの?」
「個人が出すというより冒険者ギルドが負担するということになっています。それがランクアップの条件にも組み込まれていたりするのですが…ほとんどの冒険者の方はそういった依頼を受けないことが多いですね」
「ランクアップに必要なのに?」
「はい絶対ではないといいますか抜け道はいくつもあるのでそういった冒険者ギルドへの貢献が無くても問題ないのですよ」
「ふ~んじゃあ連れてきたら大丈夫だね…」
「えっと…心当たりが?」
「ラヴェ~!来っ…!!!!!!」
「お待たせしました!マイク様」
「え?え?どこから?え?本当に人ですか?うわっ!かわいい!!!メイドさん?」
「はい!イングランディーレ家マイク様のメイド・ラヴェルと申します。こちらを…」
「え?Bランク…!!!?同行されるということで問題ないですか?」
「はい!常にマイク様のそばにいるので問題ありません!」
(え?そうなの?)
「では…こちらの依頼からお選びいただけます」
こうして冒険者ギルド内を通って下町に出た。オレが今回受けた依頼はスラム街の側溝に詰まったゴミ掃除だった…ラヴェからは「マイク様がされることではありませんが、そうして優しさを持っている方を主として仕えられてうれしく思います。」と飴と鞭をいただいた…
スラム街は貴族街の西側の訓練場の先にある罪人収容施設に隣接建物群がそう呼ばれている。はた目から見ると崩れかかった建物がひしめき、素人仕事であろう簡素な修繕でなんとか暮らせそうな街である。灯はなく収容施設の高い壁のせいで日も差しにくい。さらに最近まで下水でのスライムが偏った動きにより汚物が詰まりや汚臭など被害が増え,一度更地にする案が出たほどの土地もあった。
冒険者ギルド街を通り、宿の質が落ちていくのと同じように活気が失われて行き、罪人収容施設のそびえ立つ壁により暗くなると同時にその場所の人気のなさや生活感のない不衛生さからスラムに入ったことが分かる。
スラムは下町よりさらに一段低い場所にあるようで地下の下水の高さくらいっぽい…そりゃクサい……
下水の処理施設はないらしい…そこにスライム集めちゃえばいいのに…
濁った水が川に流れていっているのはなんとなくわかった…ただ側溝の掃除とはどこを指しているのかよくわからなかった。ラヴェに案内してもらうと地下の下水から流れ込んでる場所が複数発見し、辿っていくと汚物が溜まり山になっている。
「これ?」
「ですね!数か所を処理すれば問題ないかと…」
「コレなんで詰まってるわけ?うわっ!」
体に沿うようにすでに結界を張っているとはいえ、発酵して破裂してくる汚物は反射的に避けてしまう。処理の仕方は考えてなかったが、念動魔法で浮かして結界に包む、なんとなく中身というかせき止めてたものを確認してから乾燥魔法でたい肥にしちゃう!鑑定魔法で確認して造形魔法で箱を作り、保管!
別の場所に向かう前に地下から出てくる溝付近まで高圧洗浄魔法でキレイにしておいた…うん!ピカピカ!
建物を挟んで同じような道路に出ると同じように詰まってる場所を発見する。全部で4か所を見つけつつ通った場所には高圧洗浄魔法を施しておいた。
「これで全部かな?」
「私が知っている側溝はこれだけですね…一応川に繋がる方も確認しておきますか?」
「そうしよっか…」
そうして街を進むと建物は跡があるな…くらいになっていく…その隅をねぐらにしている者もいるらしい…過酷なホームレスだな…もうちょい手前は2階の壁が剥がれて落ちてるくらいだったのに…そこに住んでる人もいたのかな~
そんなことを思いながら街を抜けて確かめ終わる、どこの側溝も問題なさそう…詰まってた原因は触れないでおこうかな…助けられそうな人がいたらどうにかしようと思ったけど、みんな避けて行動しているので全く出会えなかった…予想以上にピカピカにされてビックリしているのかな?
収容所の門兵がスラム側にも配備されており、確認のサインをもらいに行った。こっちに出たくないのか、チラ見確認という画期的な仕事ぶりだった。信用してくれてうれしいぜ!いろいろ改造しても起こられることもないだろう。なんせソイツが責任者らしいのだから…
好き勝手やらさせてもらうとして、まず地下から流れる下水の出口を確認する。
「マイク様戻らないのですか?」
「うん、付き合ってくれる?」
「もちろんです!マイク様のなさること全てを肯定します!」
確認できた地下から流れ出る下水は側溝の数と同じ4か所、果たしてそれが必要なのかは判断できない。ただ上水と合流してしまうのは良くない。見放されているとはいえ人はいる!ならその仕切りくらいは作ろう。華麗にな!キレイなわけではないけどそれだけでも生活感は出る。
壊れた上水路の修理をして水は流れるもしっかり貯めれて場所を簡素だが設置…これでいい!自己満足大事!常に側溝に水が通っていることも大事!
さらに下水の出てくる部分に小さい水車を作って汚物を分解できる簡単な仕組みを置いておく。これは一つの試作なのでテキトーな時にでも回収する予定だ。誰かやってくれてもいいんだぜ!それに異世界に来て水車作らないなんて許されないからな…
こうして納得できたので冒険者ギルドに戻ることにした。
「お疲れ様です、マイク様!特別依頼の方も進んでいるので10歳になればDランクからになりそうです」
「すぐに魔物討伐できるってこと?」
「そうなりますね…マイク様の場合はすでに魔物を狩ってそうな気配がしますけど…というか記録にしっかり残ってます。スライム以外のウミヘビとかCランクなんですが?何されてるんですか?」
「……」
「…」
「まぁいいですマイク様が普通の6歳児でないことは察してますから…依頼完了おめでとうございます!」
ひとまず下町の依頼を終わらせたのであった。




