第6話 種まき
はい、ということで本日は屋敷を改造していきたいと思います。
まずオレの部屋は北棟の2階に位置しており従者が主に使っている。出入りは一階でほとんど人が寄り付かない位置にある。隣もラヴェの部屋で普通の従者の部屋の倍くらい。
従者の部屋は大体4畳くらいベッドとサイドテーブル、クローゼット、奥に窓
オレの部屋は右サイドにベッド、手前に勉強机、その間にバスルームへの扉、左サイドの入口にクローゼットが設置され、本棚とラヴェの部屋への入口。中央にベッドに食い込む形で絨毯が敷かれ奥に二つほど窓がある。
二階建てで屋根裏部屋はない…ないなら作ればいいじゃない!
出入口をまず作ることにした。部屋の中央に穴を空け、開くと梯子がかかるギミックを採用!魔力で開く仕様にしよう!これらをパパッと土属性の造形魔法で作成…
ということで屋根裏をサンルームっぽくしま~す!!
まずは念動魔法で屋根裏の掃除をしていきます。水属性の泡魔法を緻密に使い、床にも壁にも湿気をもたすことなく細かいホコリを吸着洗浄、洗剤はさすがに魔法で生み出せないらしいので仕入れてきたものを操り新しい魔法として運用。
続いて屋根裏部屋の補強。屋敷も含めた無理のない範囲で改造する必要があるので、崩れないかを検査する。音響魔法でどれだけ耐えられるか確認。確認したところでよくわからなかったので水平に保つことや脆くならないように工夫、雨風対策、最悪自分の部屋さえ無事ならいいをコンセプトに着工開始!
てなわけで自分の部屋に被害がない北棟の反対側の屋根裏で作業開始!
造形魔法を使い補強、そして屋根を切り取っていきま~す。あんまり柱がないところの方がいいよね。う~ん、とりあえず壊してから考えよ…
上手いこと取り外したが改造することをこの屋敷の主に伝えてないので、とりあえず復元できるように保管。
北側に作ってるので太陽が当たらない…
…うん、ミスった……
屋根を復元魔法で元通りにして南側を切り取る。ただやり過ぎると従者の目に入る可能性があるので外側からはしっかり屋根とわかる造りにしたい…柱が一定間隔であるのでそれに合わせて切り取った屋根の色のガラスを生成!窓枠もしっかり造形魔法を使用
北棟の屋根西側から徐々に変に反射を見せるガラス戸に姿を変えていく。だが下部部分だけなのでかなり目立つ。しかしマイクは気付いていない…
さすがに狭いので拡張、渡り廊下からはバッチリ見えるけど…あっち使う人はこっちなんかあんまり見ないよね?他の部屋の窓からはたぶん大丈夫。向かいは…エントランス側は応接室なはずだから使用頻度も低いし、中庭からは無問題!よしっ!
昨日買った苗を植木鉢に入れ替えておいた。レモンはデカくなるので動かさなくても邪魔にならない位置、ニンニク・ネギ・枝豆のプランターは屋根に沿うように段々づくりにして光が当たりやすいように設置!スライド式にして片付けやすく縦3列の棚になるだけの収納も完璧!!!
これ屋根ごと上にスライドさせて収納したときに同じように邪魔にならない位置に収納できたらカッコいいんじゃ……あ、ムリだ!…独立させとこ…
いやっ!屋根をおりたたんで手すりに加工すれば…
ダメだ隙間ができる!雨漏れ半端ない!くっ、どうすれば…
「あの…マイク様?」
突然話しかけられたと思ったらラヴェがいた…
昨日上げたヘアピン付けてくれてる、きゃわわっ!
「下から丸見えでしたけど、何をなさっているのでしょう?」
「えぇ!どこから?渡り廊下?」
「はい、何かお手伝いすることはありますか?」
「ならほかに見える場所を確認してくれる?」
「わかりました。確認してきます。」
びっくりした…あれ…でも出入り口閉めてたと思うんだけど…
…閉まってる、もういない?
……ん?まぁいいか…
最終目標はサンルーム、どう配置するかを検討。
すぐラヴェが戻ってきた。早っ!
ラヴェ曰く、もっと東棟側なら誰の目にもつかないらしい。設置した部分を復元、移動、切り取り、スライド式プランター置き場を設置。
ガラス使う場所がない?
う~~~ん……
もう少し範囲を広げようか…
結果、北棟中央部分に光がおかしく反射する屋根となる!縦3面横に4面に分かれて、下2面が上に動き収納されバルコニーになる。魔法で動く仕組みを採用。雨風対策問題なし。害虫対策に食中植物設置。光源もしっかり取れて大豆、ネギ、ニンニク、レモンの育成に問題なさそう。たぶん、疑似的にビニールハウスの栽培法になるはずだし、定期的に身に来れば大丈夫なはず……!
ふう疲れた…、好き勝手にやるのも悪くない…
後日―
「旦那様!北棟の東側の屋根がガラスに変わっています!」
従者が執務室にやってきた。
「…何か問題が出ているのか?」
「いえ…ですが素人の改築では屋敷が痛む可能性が…」
「もう確認済みだ。防水防風対策、その他もろもろ問題ない!屋敷の者全てに周知させておけ!」
「…マイク様の好きにさせてよろしいのですか?」
「ああ、何の問題がある?」
「…はぁ~、ではそのようにします」
「…ふう……魔王因子を持つ息子…その城にしてはかわいいものではないか…」
屋上庭園―
窓を開き、プールサイドのようなイスを並べ円型机にキンキンのドリンク、メイドを控えさせ、男たちが寝転がっている。
「坊ちゃん!ここの管理を命じられましたが、これでいいんですかい?」
「問題ない。人間休むことも大切だ。ゆっくり日光を浴びようぜ」
「いや庭いじりで死ぬほど浴びてるんで…庭にスペースないからってこれはやり過ぎでしょ。」
「いいだろ、ウチには温室がないんだから!」
「いや貴族令息は普通自分で温室作らないんで!」
「ここにはラヴェとアーロンしか来れないし、コミュ障先生から逃げるにはいい場所なのさ。鬼ゴリラ副隊長もこんな場所見つけられないだろうしな!」
「噂をすれば影が差すっていいますからね~、気ぃ付けてくださいよ~」
そしてオレは後ろに立つ影が一つ増えていることに気づかず、訓練場に連行されたのであった。




