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第55話 天ノ透け

 マイクは冒険者ギルドに来ていた。


 前回から受けている魔物資料をまとめる仕事を引き続き受けることの確認と新規資料の回収、途中経過の報告を行った。その分の報酬をもらい、他の依頼を受けることにした。

 ちなみに魔物図鑑をまとめている依頼中ではあるのだが依頼を受けることは可能らしい。いつの間にか特別定期依頼という処理がなされているとか…


 今回は下水道に大量発生したスライムの間引きと拡散の依頼を受けることにした。どうにも下水では一点に集まりやすくなっているらしく、全体に行きわたらせる、多い場合は討伐も可という内容らしい。成功証明は下水における魔力感知の魔道具にスライムを複数ずつ確認させることらしい。一人で受ける依頼ではないらしいが3日もあれば可能という話だった…


 仕方ない…誰かがやらねばならないことだ…騎士が巡回することもあるらしいがその報告書はいい加減で実際はどうなのか冒険者ギルドでは把握できていないらしい。アカンじゃん!


 関門近くから地下に入れるらしく衛兵に案内を受け進入していく。ちゃんとクサい…簡易的なマスクを作り全身に沿うように結界魔法を展開、付与は浄化の効果でかなり嫌悪感はなくなった。


 さてさて簡易的に環境対応は完了したので、探知魔法と音響魔法で下水の地図を作製する。記憶魔法を刻印できる手に収まるくらいの石板を造形魔法で構築、さらに重ねる形で管理魔法と映像魔法で簡易地図を生成。これにより大体の魔道具の位置も確認。テキトーな紐を括り付け…いや造形魔法で巻き込んで首にかけるようにした…


 入口から感知できるだけで訓練場と王宮にスライムは偏っているみたい…


 まずは原因を探ってみたい…訓練場の方に進むとまぁまぁスライムが増えてきた。こちらに攻撃する感じは見られない…ので一体狩ってみることにした…


 魔物資料もとい図鑑に載っていた情報によると物理攻撃はほぼ効かないらしいが魔法であれば当たれば形は保てなくなるらしい…攻撃をしてくる個体は通常個体以外なのでここにいるスライムはほぼ心配ない。


 というわけで火玉!…ポイッ


 消滅してしまった…溶けたみたいな…なんとなくヌメヌメが残っているがこれがスライム素材になるのかもしれない。瓶を造形魔法で生成して保存しておく。きれいな状態で保存したいが砂利が少しついた…あとからなんとかできるだろうか…?


 騎士団訓練場の魔下あたりについたがそこまでスライムが多いわけではないが魔法師団の方に集まってるみたい…まさか……


 行ってみると案の定、魔力残滓が溢れ出とる…ちゃんとやれよ魔法師団!!そういえば空気清浄機は設置されたのだろうか…してないだろうな…こんな溢れてるし…片付けできない赤ん坊かよ!!!


 スライムたちは魔力残滓に群がっている。これが分かったのであとは魔力残滓を片付けつつ、撒いて全体にいきわたるように処理しておけばしばらく問題ないはず…


 でも浄化しかやり方がわからない…


 結界で運べないかな?考える前に結界を展開…

 ……動かせない…念動魔法で引き寄せる…


 しっかり魔力残滓を閉じ込めたまま結界に封じ込められてる…濃度が薄くなった気が……別にしないけど大体バスケットボールが入るくらいの立方体の結界にどんどん閉じ込めておく…


 大体50作ったくらいで感知の魔道具がある場所に管理魔法と併用して念動魔法で運んでいく。完全な自動で運んでいるのでラクチン…魔力の消費量はここまでで大体3割くらい、無問題!!!


 配置ができるまで魔法師団エリアの浄化をします!!


 ……ああぁっああ、スライムも消えちゃった…おっおう~失敗した…でもまだ5匹くらいいるからいいか…

 移動してもう一つの王宮エリアへ…


 ここもひどい…なんで下水に垂れ流すのかな…ゴミの分別とかなにのか…魔道具が丸ごと無造作にポイッされてるわ…王族が不法投棄すんなよ!!下っ端のせいだろうけどよ!!!


 さてどうやってスライムを剥がすか…


 デカめの結界を使って魔力残滓、いやここまで来ると瘴気か…瘴気を囲んで結界内のみに浄化!

 範囲が広いのにすぐ瘴気が充満する。何度か繰り返し、だいたい配置できた結界の方を解除してスライムを誘導…


 しばらくするとスライムたちがあちこちに動き始めたので水中で積み重なってるガラクタを足場に魔力残滓の濃い部分を浄化しながら移動する。このガラクタはどうすればいいのやら…全く流れず、腐った食物と絡み合って、人の排泄物と汚ねぇオブジェを作り上げてた…浄化で多少は見れるけど……ちゃんとグロいよ…ていうか魔道具使い捨てるってどういう感覚なん?魔石変えるだけで充分だろ!!業者も引き取れよ、リサイクルを知らねぇのか!


 念動でテキトーに浮かせて浄化をかけてたら水中がブクブクし始めた…


 ん?なんだ?


 現れたのはデカいスライムだった…2トントラックくらいかな?普通のスライムが膝くらいの体長しかないのでだいたい100倍くらいのデカさ…


 それにしてもコイツ…

 なんかカクカクしてるんだけど…普通丸いだろ!ある程度楕円かドロドロ系の二択だろ!なんで角ばってんだよ!


「プルルッ!」


 いや分からんって使役魔法使えないんだから…

 …あ、待てよ!オルのこと使役できたんじゃなかったっけ?あれやると意思疎通できたよな…??


 いっちょやってみっか…!!ホホいのホォ~イ!


「へっ!オイラに主人か!仕方ねぇ!名づけをしてくれよな!」


 なんかチュートリアル始まった?説明キャラなん?コイツ!!


「ん~じゃあ天の透けでいい?なんか似てるし、同音だけど文字面で何とかなるでしょ!」

「へへぇ~テンノスケかぁ~!!悪くないね!ヨロシクなご主人!」


 何だか知らんがスライムの天の透けが従魔になった。


 =================

 名前 天の透け (ビッグスライム) 

 年齢 不明

 マイクの従魔

 体長/体重 200cm/2000 増減あり

 魔力量 2000/2000

 魔法属性  水・闇


 使用魔法

 水属性:水圧カッター、水弾、水大砲

 闇属性:気配遮断

 体術:身体強化、物理無効

 混合:環境同化

 合成:なし

 =================


 鑑定したけど環境同化と気配遮断とかいう初見の魔法持ってた…超いいじゃん!練習しよ!

 とりあえず連れて帰れないのでここで待機で!召喚できるようにも練習しておくけど基本的にココに待機で!


「落ち込むなよ、なんでこんなところに住んでるんだ?」

「分からない…考えられるようになってからはココから他のスライムに出口探してっていってるけど、誰も帰ってこない…」

「うん、外行っちゃってるねソレ…動かなかった理由はあるの?」

「たまにとんでもなく強いヤツがウロウロしてて怖かった…一回殺されそうになった…」

「それ以来ここで埋まってたのか?あはっは…どんな奴?」

「ちょっと待って…こんなやつ!!」


 意思疎通で頭の中に記憶が浮かんできた……!



 アーロンじゃん!

 何してんだアイツ…


「おけおけ、じゃあ本人に伝えておくから任せて!それ以外なら大丈夫?」

「…う~?たぶん?」

「よし、じゃあここのスライム指揮下にいれて満遍なく配置しておいてくれる?」

「うんわかったよ~任せて~~」

「よしなら、たまにそれで小遣いと評価稼ぎできるじゃん!!…頼むね」


 こうして新たな仲間を手に入れ依頼を終えるのであった…


 帰りに屋敷の近くの地下道を調べると2か所くらい出入口見つけた…アーロン問い詰めよ!


 依頼達成をギルドに報告…ついでに王宮と魔法師団の地下から魔力残滓が溢れて瘴気になっていたことを報告…注意喚起がなされるという。


まずいかな?…言わんほうが良かったかも…天の透け大丈夫かな?たぶん大丈夫だよな…


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