第50話 じょじょじょ乗馬
王都郊外の草原に来た…
本日はオルに乗る訓練を始めるためであり、コミュ症先生の授業も訓練もすっぽかしてきていた。
「ライアンは今日は暇なの?」
「ええ!誰の外出の予定がございませんし、万が一にもお出かけになる際はアーロン氏にお願いしております」
「馬こっちに連れてきちゃって大丈夫?」
「心配ありません。騎士団から借りられるようになっておりますから…」
「なんか今日は丁寧だね…」
「そうですね、もう少し砕けたほうがいいですかね?わかりやした…それでは坊ちゃんよろしくお願いします」
「まずはこの馬具ですね…すでに装着していますが…」
そういってまず鞍や手綱といったわかりやすい部分から説明してくれた…装着に気を遣うハミなどの顔の装備における着脱に関してはしっかり学んだ…と言っても身長的に届かないんだよね…浮遊できるので関係ないっちゃないのだが…魔法で全部できないのかしら……
一つ一つ確かめつつ取り外しては付けなおすを繰り返す…木馬みたいな疑似馬はないのかな?オルはじゃれてると思っているらしくなんか喜んだしぐさを見せている。かわいいかよ…
そうこうしていると遠くからゴリラがばんえい馬みたいにデカい馬に乗ってこっちに走ってきた…
「訓練に来ぬから迎えに来たぞ小僧!…乗馬か?」
「ええ!とんでもなくデカい馬ですね…」
「ああ!魔獣の血が入っている…たまには走らせないとならんからな、ついでに乗ってきた…」
「へぇ~、でも今習ってる最中なんで帰ってもらっても?」
「なに小僧ならすぐに乗れるであろう。その馬とも仲は良いのだ、関係構築が捗ればすぐだ!」
どんだけ休ませたくねぇんだよ!まだ乗る前だから油断するようなことこんなチビに言うなや!オレが言うことじゃないけどあんま軽く考えなんよ、危機感持っていこうぜ!
「では坊ちゃん乗ってみましょうか、まずは前であっしが引きますんでご安心を」
「よろしく、乗り方は自由?」
そういいつつも風属性の魔法で浮遊して軽くオルに乗っちゃうマイク…
「では動きますね…」
簡単に指示に従うオル。そのあたりを歩いてだんだんと早歩きになっていく…
「馬の動きに合わせてみてください…背筋伸ばして、そうです!はい…手綱しっかり持ってください…それで操縦します。引くとブレーキ、押して促せば動きます。右左の方向指示も腕の力具合です…ではまず右から……」
そうして操縦方法を感覚で憶えていく。リードはまだ繋がっているので徐々に縄を緩ませてもらいつつライアンを中心に5・6mで右回り、左回りに進ませる。
「良い感じです。止めてください、はいそうです。では次は…」
「跳べ!跳んでみろ!手綱で上に合図しつつ馬に合わせてジャンプだ!」
「できるかそんなこと!」
と言いつつ、やってみるとオルの光属性の光線魔法がさく裂した…
「はぁ?」
50m先の岩を破壊した…
「ちょっ…なに?なんか変なボタン押した?コントローラ―どうなってんの?」
「これはすさまじいな…その馬も只者ではなかったか…」
「言ってる場合か!なんだコレ…」
鑑定魔法でオルを確認する。
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名前 オル (魔馬)
年齢 2歳
マイクの持ち馬
体長/体重 150cm/410kg
魔力量 1800/2000
魔法属性 闇・光・無
使用魔法
闇属性:隠密魔法、隠ぺい魔法、幻影魔法、暗黒弾
光属性:光線、回復魔法、瞬間移動、閃光弾、神速、
無属性:気配察知、シールド、魔力感知、妨害魔法
体術:身体強化
混合:映像魔法、幻惑魔法
合成:光学迷彩
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は?なんこれ?なんで屋敷の裏手にこんなバケモノが育ってんだ!どんな庭だ!
「その馬にも魔獣の血が流れているのか…いやしかし魔物にもなりえるか…」
「これは驚きましたね…魔獣になりかけてたとはいえここまでの能力を持っているとは…」
「いや関心してる場合じゃないよ!受け入れる準備が早いわ!これどうするのさ」
「とりあえずリードを外すので好きに動いてみてください」
「ええ!!ここからフリー!?」
そうしてオルにまたがったままリードが外された…
オルはこっちの指示を待っている…軽く促して押してみる。オルは了解!って顔で歩き始めた…よしよし……
そうして徐々に具合がわかってきたので軽く走らせた。反応して走り始めたのだが、スピードにどんどん乗っていく…簡単に原付以上の速度が出た…ふげぇぇ
何とかスピードを落とそうとすると止まってしまう…え?ムズっ…パワプロの操作スティックぐらい精密操作が必要じゃん…どうしようかと思ったら、オルがこっちを見ている…そういえばこっちが言ってる意味理解してたよな…
簡単だった…じゃあ行こう!とかで動き始めてくれるし、ペース落としてとか速すぎっって言葉で軽く走ってくれるようになるし、周囲の魔素を制圧する方法を教えたらすぐできたし、魔力を共有できる魔質変換も簡単に行えた…うん怖っ!!!
こういうのってハプニングとか起こって手に入れられる能力じゃないの?簡単に会得しちゃってるじゃない?天才かな?身体強化も魔素の周囲制圧も一体化することで力が沸き上がりそうになった…オルは嬉しそうにしているがこれ以上はやめておこうか、怖いし…
軽くその辺りを走っている間にライアンは動揺していた…簡単に乗れただけで乗りこなしていることに…騎乗姿勢は褒められたものではないが馬との息があっていると感じざる得ない。さらに魔力共有で身体強化によるバフまでかけている。6歳児の行動じゃない…
「ふはははっ…!!流石だ!これなら馬上での戦闘術も覚えさせても問題なさそうだな…すでに王国騎士団に入団できる能力を満たしておるわ!」
「ブルース副団長は坊ちゃんを騎士になさるおつもりなのですか?」
「ふふっ…難しいだろうな…小僧ほど自由なものは勇者以来だ…貴族としての枠組みも無視して行動するであろう…どうなろうと将来が楽しみである。何をやらかすのか…」
「あはは、さいですね…末恐ろしいの権化ですけど楽しみです」
ライアンと副団長はどんどん上達していくマイクの姿を見ながら笑い合うのであった。
最終的に走る合図は魔力で決めることになった。共有している分簡単なので言葉をかけるよりも早く意思疎通ができる。魔法に関してもある程度はオルに任すことになったが攻撃指示は聞いてくれることが確定した。ここに従属魔法が刻印魔法なしで行使できる形になったのだが、本人たちはまだ理解していない…使役魔法という異世界あるある魔法がこの世界に誕生したことに…




