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第44話 リサイクル魔力残滓

 年が明け屋敷内の新年の挨拶である社交が始まっていた。新年の挨拶回りは宮廷貴族のみのモノでイングランディーレ家は魔法師団系の派閥として当主のセブンが出向くだけで済むはずなのだが、母ヴィータローザも出向き挨拶に出向いていた。元公爵令嬢という肩書きだけにあらずその交友関係の広さとイングランディーレ家の昇爵が決まっているのもあり角が立たないような牽制的な意味合いも持っている。


 屋敷にも挨拶をしに来る貴族の相手などもしていると家族で接する機会も生まれてしまっていた。


 そんな中マイクは頭の中で厨房の魔道具の不使用時の待機場所での魔力残滓の回収方法の構造を考えていた。

 一家の接待姿勢にに全く加わることなく常に魔法で認知機能にデバフをかけ存在を薄くして様々な行事を乗り越えた。何なら途中退室していた。


 貴族社会的にマイクの存在は知れ渡っているわけではない。そのため特に他貴族になにか思われることはないのは幸いだった。これまでの実績は全てイングランディーレ家のものでマイクがその原因であることはビートブラック家くらいしか知らないことである。ようは身内しか知らないことである。


 そんな時間が終わり考えを組み合わせしばらく経ち、できた…

 魔力を充電でき、魔力循環もできる仕組みがようやくできた。一か所で充電できるので魔力を補う側も手間は少ない。そのうえで2,3日は保てる魔力保存量である。アタッチメント機能も考え持ち手に接続機構を作りほぼ永続的に使い続けられるものとなった。この充電時に魔力残滓の回収もでき循環し、また魔力に変わる。2つできたのでそれぞれで別の場所で使ってくれればいい。


 実験もかねて厨房に向かった。厨房の管轄は料理長なので設置場所はあとにして使い勝手を試す。テキトーにミキサーが使える料理をすることにした。


「トム~~やるよぉ~~~~!!!」

「うげぇぇ!今日もですかぁぁ~~~!」


 パンケーキ、プリン、ショートケーキ、チーズケーキ、卵を使いすぎて料理長に呆れられるくらい使いまくった。母ヴィータローザがお茶会をしているのもあってスイーツは無駄にならず助かった。仮に余っても収納するので問題ないですけど…


 中途半端に残ったスイーツはお土産にもでき、厨房での実験を終え、魔力残滓の有無を確かめ、魔力の循環も確認した。どうやら正常に動いているらしかった。あとは長期的に使えるかどうかを料理長に頼んだ…


「…ぐっ、……はぁ~仕方ないですなぁ~……わかりました。トムに確認させればよいですか?」

「うん!明確な回数も欲しいけど、なんど魔力補充をしたかでまとめておいてもらえたらいいから!日付もあったらうれしいけど…厳格なものじゃなくてもいいよ!」

「準備段階のことなので問題でしょう…こういった技術は助かりますがあまりかき乱さないでほしいものですな…」

「ミキサーだけに?…!分かってる分かってる…年に1回くらいにしておくよ!」

「本当に勘弁してください!」

「あははは…」


 そして後日父に呼び出されることになった…


 なんでだ?新年の応対がまずかっただろうか…魔法発動気づいてたクセに今さらか…?


「これ…どうする気だ……」


 はい、魔道具ミキサーのお話でした…

 なぜバレた……


「料理長から報告は来ているぞ、マイクが新しく作ったものだと…見事なものだな…どう使うのは先ほど見せてもらった。たびたび厨房に出入りしているのは聞いていたが専用の魔道具を作っているとは思いもしなかったぞ」


 ふぁぁ~なんでこんな圧出してくるのさぁ~!!!怖ぇぇよ!


「特にこの魔力の循環見事だな…魔力残滓を余すことなく魔力に変化するようになっている…この機構の魔力残滓の集積は必要か?」

「…え…えぇ!魔力残滓はミキサー側にも生じるので余すことなく回収するためにも本体の機体の機構にも組み込む必要がありまして…」

「でどうする?これだけキレイに魔力残滓を循環させる機構は今の魔道具界隈では取り入れられてない考え方だぞ…特許は取らないのか?」

「そう…ですね……ないのですね…何とか父上の成果にすることはできないですかね?」

「それは心配ない…誰名義でもイングランディーレ家の利益になるせいかほとんどの人間が私の成果だと認識している…カフェすらな」

「それは助かります…そうなると小型の魔動具はかなり増えるのでは?」

「あぁそれらの機体からもガッポリもらえるだろうな…使い道を考えなきゃならん…」

「それはまずいのでは?」

「あぁ…正直な……魔道具関係の貴族もいるからソコと関係を築くことはできるが持て余してしまうからな…お金をもらいすぎても使い道がないのは悪手にしかならんからな…」

「では許可だけとって無償で使ってもらいましょうか…」

「マイクがそれでいいならそうしよう…他方面に利益ができるだろうからな…」


 こうして魔力残滓の循環機構は無事許可を通し、同時に充電機構と使用機構の親子機構として登録され魔道具界隈に新たな勢いが生まれた。新たな小型魔道具の製品が生み出され始めた…


 さらにそのシステムを作ったことで莫大な利益を得るはずのイングランディーレ家がその際の利益を受け取らないことでさらに火がつく形になった…より便利になっていく…


 家電10点セットとかいう無茶苦茶な商品も出たりしていた。同じ充電方法なら本体一つでいいでしょみたいなことかな?なしだろ…

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