第4話 魔法の鍛錬?
魔法の適正検査が終わり今まで隠れてやっていた練習を大っぴらにできるようになった。わ~い!
今までやってきた練習は細かい魔法操作が多く、魔力を多く使うも最大出力を放ったことがなかった。そのために裏庭のスペースに来ているのだが…
狭いな…貴族街に設けられた屋敷だからかバスケットボールのコートほどがギリあるくらい。表の庭園はほとんど植物が占めているので空きが少ない。
「坊ちゃん、どうした?」
「アーロン!魔法の練習をしようと思ったんだけど、この裏庭じゃデカいの撃てなくてね」
「そうですな、騎士の訓練場にお邪魔されてはどうです?ブルース副団長殿に頼んでみては?」
「えぇ~~!?あの人に頼んだら、即体力訓練に移行しちゃうよ!」
「はははっ!坊ちゃんことを鍛えるのが好きな方と認識してますぜ!自分の都合のいいように解釈するのがブルース殿ですからね~」
「うわっ勘弁してよ!オレはもっと気楽に過ごしたいんだから~」
「呼んだか?」
「うわっ!鬼ゴリラ!うげっ!」
「ほう!よほど訓練をしたいと見えるな、今日は倍いっておくか?」
「え?」
「倍では足りないか、では3倍…いや5倍は行ってみるか!」
「倍で!倍でお願いします!オレやってやりますよ!副団長様!」
「よしっ!では行くぞ!アーロン、連絡は頼むぞ!」
「へーへー、了解でごぜーやすぜ」
「なぜ誰もいないのですか?」
「今日の騎士団訓練は夜行訓練だ!」
「…つまり昼は休み?」
「マンツーマンでみっちりやるぞ!では走れ!」
400mトラックのような場所、走るコースは桑田ロードのように禿げ上がってる。先人たちの苦難の道…
それをまず40周…、まだ5歳やぞ!あ、この間5歳も誕生日を迎えたんです。ハッピーバースデイオレ!ってちょけてる場合じゃない!身体強化だけじゃさすがにキツイ!追い風だ!風の魔法をばれないように…、うわっ浮きそうになった。こ…これ魔力操作むずいな、もっと工夫しないと…
そして苦戦してたらいつの間にか終わっていた…ゴリラ副団長は100周くらいしてたけど…
続いてスプリント走。100m、50m、30m、10mずつかな…20本ずつ……
風魔法じゃ大して疲労度は変わらない…、ここは土魔法だ!動く歩道だ!これでゴリラよりも速く…
気にすることなくペースを上げて対応してくる、どんだけ早いねん!ならゴリラにはバレないように逆方向に展開だ!
「ムッ!良いハンデだ!それでもワタシのほうが早いぞ!」
「バケモノめっ!…」
続いて腕立て!1.5レップ法で行われている。現代すぎるトレーニング。誰だ異世界にこんな知識持ち込んだ脳筋は!だが関係ない地面をへこませたり、見え方を工夫する。サボりの天才を舐めるなよ!
いやっ、身体強化使っても、もはや基本姿勢でキツイ!幻影魔法だ。これでやってる感じを再現する。
「おいっ!しっかりやれよ!」
クソッ!触られた状態じゃ魔法の意味がない!…ならゴリラにはおもりをくれてやる!重力魔法だ!くらえ!100kg!!!
「ムッ!これは…」
どうだ!同じ辛さを味わいやがれ!そして二度と俺に触れないように…
「いい付加だ!ちょうど飽きていたところだったのだ!良いぞ良いぞ!良いぞ!!がはははははっ!」
この脳筋野郎!魔力消費だって疲れるんだぞ!てか魔法使ってるのもしかしてバレてたのか!
「がはははっ!甘いぞ!もっと隠ぺい魔法を強くしなければ簡単にわかってしまうぞ!この重力魔法は関係ないがなっ!」
くっ!
このあとのスクワット系、バービージャンプ、腹筋背筋、静止運動系でも重力魔法をかけつつ、自分にも軽くするようにかけ、土魔法や幻影魔法で不正をしつつ、倍のメニューをこなしていった。当然身体強化もフル稼働
よって
「メッチャ疲れた~、気力も全部持っていかれた~、死ぬ~!」
「では昼飯だ!午後は剣術だ!たくさん食ってたくさんやるぞ!」
「げっ!まだあった…、逃げる体力も無ぇ…」
「がはははっ!では行くぞ、タンッと食え!」
昼飯も昼飯で食トレ…死ぬほど食わされた。高校球児か!
よぼよぼ状態にもかかわらず木剣を持って訓練場…、魔法の練習したかっただけなのに…
え?回復魔法?体力回復するの?確かにメシ食べて魔力が自然回復しそうな感じはする…
「じゃあ、ヒール!」
うわっ、すごい…
「では素振り千回!行け!」
「ううぇっ!」
「じゃあ2千!」
「はい!千回やらしていただきます!」
ここでは魔法の使いどころがない…、いや温存魔力が戻ってくるまで身体強化と重力魔法で木剣を軽くするぜ!
打ち込みまで同じように過ごし、回復魔法かけて
……模擬戦…
誰と……?
ゴリラ副団長の指してる先にはゴリラがいる。さすがにペット相手は気が引けるというかヨロイつけて木剣持ってますけど、動物愛護団体に訴えられるというか…
『ゴンッ!!!』
はい、ごめんなさい!そうですよね、副団長ですよね、あはは…
はぁ~、やってやるよ、オレ!やってやんよぉ~~
「そういえば、ちゃんと模擬戦やるのは初めてですよね…」
「おお!そうだな、いつもは逃げ回る小細工ザルをひっ捕らえてたからな…」
「ムキィーー!いつもは魔法加減してただけなんで!しかし!今日は周りに誰もいない!覚悟してください!」
「がははは!そうか!なら魔法の最大出力も確認しておけ!」
「よっしゃぁぁぁぁ!まずは火魔法からじゃい!」
ぜ~~~~んぶ防がれた。
火属性なら火玉の乱れ打ち、全方位火柱囲い、最大熱量圧縮ビームにしても…
水属性なら水玉に閉じ込めても、氷漬けにしても…
風属性は最大風力を叩きつけても風の刃を飛ばしてもびくともしない
土属性は圧縮した土弾に爆発と風属性で推進力をつけても
雷属性の最速貫通攻撃も…
重力魔法も通じない、闇属性の幻影魔法もなにも…
無属性のシールドも簡単に突破され、光属性の瞬間移動も目つぶしも…
純粋な身体強化に全てつぶされた。
無属性強すぎだろっ!身体強化に強化付与、感知範囲拡張…
近接戦でこの人に勝てる奴いるのか…
「がはははっ…どうだ!勝てそうか?魔法の弱さを思い知ったか!結局は純粋な強さに小細工では勝てんのだ!」
くっ…何も言えない…
何か一点突破できる魔法を…
全部混ぜるか……
「ん?なんだそれは?」
「これ?合成魔法…かな、名前はあとで考えるよ…まずは味わって…」
放たれた魔力が副団長に迫る。副団長は身体強化を右こぶしに絞りマイクの魔法に振りぬいた…吹き飛ぶ副団長…舞い上がる土埃…
ドサッ!
マイクは力尽きその場に倒れたのだった…
「とんでもねぇもん出してきよった…これは魔王が使ってきた消失弾ではないか!
これが魔王因子を持って生まれた人間か…
セブンよ…これは大変だぞ……」




