第37話 お話を考えよう
ココの仕事を増やすためお話を考えることになった…文章を構成する能力は二の次でとりあえず面白そうなエピソードを時系列上に並べるだけをする。事象並べ物語方式で描きだすことにした。
まずはこの王都で間違いない話は勇者パーティーのエピソードである。もうすでに時計台爆破事件に関しては人気があり、食いつくように映像魔法を眺める客が多い。それに並ぶエピソードでもある有名な〝公爵令嬢連行事件〟についてまとめていきたい…
登場人物はもちろん勇者パーティーであるはず…ちゃんと答えてくれるのは父セブンのみである。しかしマイク自身は聞きに行きたくないのでもう一人の登場人物〝公爵令嬢〟から話を伺いたい…
そう!元公爵令嬢である母ヴィータローザが誘拐ではなく勇者パーティーについていった話なのである。詳細に関しては十分知れ渡っているのだが各々がどのような考えだったのか知っておく必要があると考えた…
だが父に聞くのもそうだが母に聞くのも同じようにキツイ…今までを考えればこそ嫌…
なので二人の日誌などをスプマンテに簡単に集めさせる…
面白いように王都中にある記述を紙に吐き出してくれる…母の侍女のハナの日記や母の実家であるユニヴァース公爵家の記録、公爵家家令ヴィクトワールの日誌などに詳しく描かれている。
マイクにとって母ヴィータローザのイメージは気品があり、自分や家にとって益になるものしか認めない貴族筆頭ような認識だったが描かれた内容によるとじゃじゃ馬令嬢だったらしい…公爵令嬢が男爵に嫁いでいる時点で意味のわからない話であるが、以前から令嬢らしからぬ行動に周りを振り回しているらしかった。
暗殺者に襲撃された際に侍女と立った2人で蹴散らしたとか、婚約者であった第3王子を下町に連れ回し誘拐事件になったりだとか、遊んでばかりいるのに成績優秀で教師の買収やカンニングを疑われたり、終いには悪役令嬢認定されそうになったところを論破し逆に婚約破棄を突き付けたり、お淑やかさから離れた扱いにくい強かな令嬢だった…みたい……だいぶ浮いてるな
社交としていろんな貴族と話していたのは何だったのか…たしかに男爵夫人にしては他の貴族に頭を下げられてた気が…しなくもないか……?
そうした資料をまとめるとどうやら勇者パーティーが王都に一時的に滞在しているときに起きた事件だったようだ…
事件の当事者は当然公爵令嬢であった母ヴィータローザ、魔導士セブンと勇者ロイの3人らしい。
当時王都の学園に通うヴィータローザがセブンとロイが受けたユニヴァース家からの依頼についていこうとしたことから起こったものらしい。
依頼内容は公爵家にちょっかいを出してくる謎の組織を調べてほしいというものだった…
ロイはアーロンに任せれば余裕だろうと考え気軽に依頼を受けたがアーロンが謎の襲撃を受け、治療のために聖職者クリス・ソー・ヴァリアントがそばにつき、それを守る戦士ブルース、席を外していた王国連絡係デュラン・ローランを除き、セブンを連れてその調査にあたることになった。
その過程で話を聞いたヴィータローザが囮に立候補してらしい。それに賛成する勇者ロイ、止められないセブンがなし崩し的にヴィータローザに付き添う形になる…
調査中に襲撃犯の一人二丁拳銃の男と勇者ロイが交戦、セブンとローザの二人は他の刺客を粉砕していく…セブンが次々に撃墜していくのに腹を立てたローザがセブンに勝負を仕掛ける…倒した数が多いほうの勝ちという単純な勝負だったがセブンは付き合う気になれなかった。だが調子に乗ったローザが暗殺されかけてしまう。
というのも相対してた勇者ロイが撒かれ、姿をくらました二丁拳銃の男が死角から襲ってきたのだ…その攻撃を身を挺してセブンがかばい、その状態から襲撃犯を完封してしまう。これがロマンスを発展させてしまう。襲撃犯から依頼主まで特定できユニヴァース家の依頼を達成…数日後また王都を出ることになった…
これだけ聞けば事件の呼称は公爵令嬢襲撃事件のはずなのだが、この事件を知るすべての者が公爵令嬢連行事件としている理由はこのあとである。
ヴィータローザはセブンを追っかけ勇者パーティーに勝手に付いていったのだった…
これに対してセブンの責任問題にした勇者一行は旅の世話もすべてセブンがすることになった…じゃじゃ馬の公爵令嬢でも野営などは初めてで日に日に元気が失れていった。
街についても町の代官の責任問題になるので安易に任せられず、セブンは一晩で連絡手段を構築して迎えを呼んだ…それまで街に留まることになり、二人は一旦勇者パーティーから離れ、さらに愛を育むことになったとされている…
ちょうど11年前くらい…うん確実だ…バートラムは10歳だからな…そんな感じだ…
あんま知りたくないかも…
ただ今回はそんなラブロマンスを主軸にするか戦いをメインにするか…意外に母上視点の話にするか考えさせられる…う~ん……ココにブン投げようかしら…
それがいいような気がしてきた…それか吟遊詩人でも探そうか…話をまとめる力はあるだろうし…
「我が君!私にお任せを!文字の悪魔として素晴らしき文章を構築して見せましょう!!」
そうして出来上がった文章は3パターンほどココに渡り、さらに好評となる作品が誕生した…
その裏にいる本物のゴーストライターには誰も気づくことはないのであった…




