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第33話 良い睡眠をしよう

 寝るということは生きるために必要なことである。心身を回復させる効果をもつ行動のひとつであり、その時間は6~8時間が適当とされている。つまり一日の4分の1もしくは3分の1を布団の上にいることになる。


 ゆえに寝具とは人生において3分の1リソースを割いても問題ないほど重要である。寝具は大事!睡眠は大事!休むということは生きるということ!生きるということは寝るということ!


 そんな素敵な寝具を見つけるため貴族街で有名な寝具店にラヴェを連れてきた…


「いらっしゃいませ、お連れの方はどちらに?」

「2人だけだ!今日は寝具一式を見に来た!」

「失礼ですがどちらの家の方でございますでしょうか?」

「この方はイングランディーレ家三男のマイク・イングランディーレ様でございます。」

「おお…勇者パーティーの…失礼しました!それではご案内いたします、マイク様」


 そうして寝具店を見回って気づいたことは…うちの標準と変わらないということだった。スプリングの利いた低反発マットレスが欲しい…形状記憶で熱に反応する枕が欲しい…布団も冬にめけて毛布と羽毛布団がいいのだけど…


 これは寝具はそんな発展してないな…重要なのにな…屋敷のソファとか無いから気づかなかったけどスプリングってないのか?馬車に乗ったときはサスペンションあるじゃん!と思って感動してたから気づいてなかったけど…あんまり細かい金属加工って存在してないのか?


 低い枕だけ調整して買うことにした…なるべくワイドに肩までなだらかにあるやつ…綿でも羽毛でもない枕…素材はわからないが通気性があり、ある程度形を保ちやすい素材らしい。これは他の素材を探さなければ…


 届けてもらうことになったが果たして自分の部屋に届くだろうか…不安だ…


 寝具店を出て商人ギルドに向かった…とりあえずどんな素材があるのか確認したい。冒険者が倒してきた魔物の素材が集まっているはずなので見せてもらうことにした…


 商業ギルドは貴族街からと下町から入ることができる。貴族街から入るときらびやかで豪華な雰囲気を放っている。下町から入ると怒号や喧騒入り混じる混沌とした相対する雰囲気がある。それらを取り仕切る商人ギルド側で働く者は当然どちらにいるかで地位が変わってくる。もちろん貴族側を担当する者の方が偉く実績もあり、生み出す利益も莫大になっている。


 この仲介があるからこそ商人ギルドは儲かっており、貴族側の対応で金にならないモノが来た時はかなり疎ましく思われその対応が露骨になっている。


 今目の前で対応しているヤツがまさにそんなヤツ!長いものに巻かれてそうな小物…きっしょっ…


「何に使われる予定か聞いてもよろしいですか?用途次第で紹介する物も変わってくるので一言で魔物の羽と申されましてもたくさんあるんでございますよ…それはお分かりでありますか坊ちゃん?」


 ムカつくしゃべり方…完全にこちらを下に見てる…将来とか考えないのかこのクソは…いま 下町で起きてる噂を知らないのか、この無能が!


「使用用途は布団…もしくはクッションだな…水鳥のモノがあれば羽の実物が見たい…」

「水鳥?失礼ですがそんな安物では貴族としての品格を問われますよ?小さいからわからないのでしょうが将来苦労されますよ?

 貴族様のベーシックで言えば綿ですね、西の暖かい地方でつくられた素材なんですがいまなら1キロ銀貨一枚ってところですね」

「はぁ綿は買うけど品質を知りたいから持ってきてくれ…そのうえで身につけても問題ない魔物の羽を見せてくれ」

「えぇわかりました用意させてもらいます…おい聞いてたな持ってきてくれ…」


 偉そうでムカつくわ商売人ちゃうんけ?


 出された綿は品質として問題はなかった…だが持ってきた魔物の素材はどれもこれも扱いづらいモノばかり…グリフォンの羽、デザートイーグルの羽(弾丸ワシ)、コカトリスの羽、ハーピーの羽などどれもこれもデカくて使いにくいものばかり…


「寝具に使うって聞こえてなかったんですかね…もういいです。綿だけ10キロお願いします」

「そうですかではこちらにお運びしますので会計お願いします。」


 そうして綿だけ収納魔法に入れて冒険者ギルドに向かうことにした。商人ギルドから出る時に何も持っていなかったので担当のヤツは唖然としていた…もう関わることもないだろうしこっち見てくんなうぜぇから!


 冒険者ギルドは隣にあり貴族が依頼を頼めるようになっている。素材の良し悪しを知りたかったけど…まずはそこから調べてもらうことになりそうだ…


 自分の脚で行ければいいのだがさすがに外泊するのはダメな気がする。いずれ冒険者登録するつもりだし予行演習に色々調べておこう。


 貴族側の冒険者ギルドは清潔に保たれている。ただそれだけの受付があるのみだった。


「ようこそいらっしゃいました。こちら冒険者ギルド受付になります。ご依頼でしょうか」


 中々しっかりした女性だ…さっきのクソ商人とはだいぶ違う。オッパイもデカいし


「はい…依頼ですね~水辺またはその近辺にいる水鳥の羽が欲しいんだ!ただあまりその辺のことに詳しくなくてそういった魔物や鳥に心当たりはないか?」

「水辺の鳥で言うとアヒルやカモ、ガチョウといった生物のことで問題ありませんか?」

「あぁ…そういった魔物はいないのか?」

「いますね…王都近辺ですとキメラ鴨、三つ首ハクチョウですねDランクの魔物ですので成功報酬は銀貨5枚ですかね。羽が必要ということですので銀貨10枚出せば10羽ほど丁寧に狩ってくるかと思われますね

 ちなみにですがカモやアヒルであれば下町でも買えると思います。隣の商業ギルドで扱っていると思います」


 さっきの商人なんやねん!仕事しろや!クソが自分の利益しか考えられねぇ愚物が!マジで次会ったらぶっ殺す!


「あぁ、ありがとう!じゃあ今言った内容で依頼を出してほしい」

「分かりました。ではこちらで認証お願いします。」


 石板に手を当て依頼者として登録…


「マイク・イングランディーレ様のご依頼承りました。まだ仮にはなりますが冒険者ギルドに登録できますがどうされますか?」

「え?5歳だけどできるの?10歳からって聞いたけど?」

「はい仮登録でしたら適性検査を受けた者が可能です。」

「じゃあお願いします!なにか依頼を受けられるのですか?」

「はい、下町側のみですが町の清掃、外壁の補修などの簡単な依頼を受けることが可能です。仮登録時にフリーランクの依頼を受けておくことで登録してからFランクもしくはEランクからのスタートができます。」

「貴族街にそういう依頼はないの?」

「そうですね…そういったものはかなり早い段階でなくなってしまいますね…貴族様の中にもいろいろいらっしゃいますから冒険者の資格持っている人も多いのですよ…おそらくマイク様のご依頼も貴族の方が受けると思います」

「へぇ~なるほどね~そうか…うん、ありがとう、じゃあお願いね」

「はい、本日はまことにありがとうございました。」


 冒険者ギルドから出るとラヴェに釘を刺される


「絶対に下町で依頼を受けてはダメですよ…将来のことを考えれば必要でしょうが今は絶対にダメです」


 手厳しい…いいのに…そんな言わなくても…

 分かってるもん!


 肌触りのいい布を買いに行くのだった。

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