第32話 大好きなアレたち
後光カフェが絶賛荒稼ぎ無双状態に入り、やることが無くなったマイクは一時間だけコミュ症先生の授業を受けて逃げ出していた…
厨房に行くといつも通りトムが下処理をしていた。しっかり清潔魔法をかけてトムのまえに立つと嫌そうな顔をしている。
「トム!テストだ!」
意味が分からなすぎるこの屋敷の末坊ちゃま…
トムは厨房で一番の下っ端でもあり準備もそれなりにしなければならない…上司とマイクの求められているモノに応える必要がある。その点御しやすいのはマイクであるがマイクが連れだせばそれはそれで仕方ないとなる。面倒な立ち位置…
今日もどっちにしようか迷いながらマイクに対応する。
「どうされましたマイク様…テストとは何ですか?」
「トム!今必要なものはなんだ!!」
「クッキー足りなくなりましたか?」
「ちっがぁぁ~うっ!減点だぞ!よく考えろ!コーヒーで胃の荒れたオレに必要なもの…それは…!」
「胃薬ですか?」
「馬鹿野郎!ラーメン食べたいだろうが!あんな暇人どもが集まる店にほぼ監禁されて精神いかれたんだゾ!ストレス解消にこってりラーメンだろうが!準備するよ!」
「またですか…あれコンロ一口持っていかれるから嫌だって料理長愚痴ってたんですけど…」
「なに!?料理長はラーメンが嫌いなのか?全く…外でやるぞ!馬たちに豚骨の匂いをくらわせてやろう!」
そうして厨房を出て屋敷の裏手の馬房近くの空きスペースに土魔法で寸胴鍋を用意。買ってきた豚骨を煮込む!
その間に煮卵、チャーシューを準備する。オークの肩ロースをひもで縛る。フライパンで表面を焼いていく…しばらくしてしょうが・にんにく・ネギと煮る、裏返してもう一回煮る。その間にゆで卵を大量に準備!卵をむいたら麺つゆっぽいたれを用意!醤油と砂糖とみりんだっけか?なんで麺つゆって商品としてないんだよ!ついでに刻んだ乾昆布も撒いておく。
製麺は済んでるものがあったのでパクってきた。余った葉物を馬房でゆっくりしているウマたちにあげる。オルにもあげる…結構元気にしてる…広いところにたまには連れ出してあげよう…
とりあえず一旦煮込んだ骨を取り出し粉砕、再度煮込む!その番をトムに任してオルと訓練場に行く!
走り回っていたら副団長が来た…最近忙しくしていて鍛錬していなかったのでしごきに来たらしい。当然逃げる…だってラーメン食べる予定なんだもん!邪魔すんな!勢い良く逃げるもオルが一瞬で捕まってしまい見捨てられず訓練をすることになった。
帰った時には3回目の煮込みが済んでおり豚骨スープはできていた。ラードも速攻で準備して麺もゆで煮卵をのせて同じく漬けたチャーシューそんでネギ!ニンニクも用意!ああ美味そう!それを見守っている副団長と御者のライアン…
仕方ないので空きスペースにテーブルを設置してトムの分も含め4つ準備!オルも混ぜてほしそうにしているが残念、馬には食えないぞ!食べようとしたらアーロンも来た…どうせいるラヴェも呼んで6人で食べる…
「これはマイクぼっちゃまが作られたものなのですか?」
「うん!そうだよ!美味しいよね~」
「すごいですね~今話題のカフェも経営されているんですよね…」
「確かにすごい才能だな…騎士団にはならねぇのか?」
「無理です!無理です!その代わりトムが入ります」
「いやですよ、動ける訳ないでしょ!」
ラヴェは給仕をしつつ食べている。器用だな…トムは一旦戻って炒飯持ってきた…うまうま!ライアンは少し緊張していたがみんなおいしそうでよかった。うん、一日かけてラーメンを作る。バカみてぇだけど一番いい過ごし方なんだよなぁ!
最中アイスを所望!
風呂上り牛乳を飲む…物足りない…あ、牛乳がたりないって意味じゃないです。しまってラヴェルさん…なんで思考に勝手に入ってきてるの?この子…
甘いものが足りない…それも冷たいやつ、つまりアイスだ!
向こうにいた時は良かった…コンビニに行けばなんでもあった。ジャンプもスナック菓子も、ジュースもスイーツも…なんて便利なものを失ったんだ!…悔しい
コンビニ…なんて便利だったのだろう…まさにコンビニエンス…照明魔法があるからとおいそれと夜に出歩けないこの世界なんて…なんて……本当クソだな!
とにかくこのままじゃ眠れない…このベッドも暑いんだよな…適度に熱が逃げるようにしておけよ…これはまたあとで改良だな…タオルケットでも作るか?ブランケットはあるんだから誰か作れよ…
枕も高いんだよね…最初のふわふわに首を沈めること以外はほぼ無能の極みだからなこの枕…これも作る必要がありそうだな…どこかのスローライファーが言っていたな…睡眠は人生の3分の1を占める、その空間を邪険するなんて言語道断だと…良い寝具店を探すか…
おっと今考えるべきことは寝具ではない…アイスだ!
オレの大好きなアイス…某森永のジャンボモナカアイスだ!
あのパリッとするときとしなっとしてる時でも楽しめる最中にチョコが挟まっているバニラアイス…ブロック状になってる分あと何口かで終わってしまうと思いながら、4ブロック一気に行っちゃお!みたいなのがしたい!贅沢に食べたい!今なら一気に3つはイケる!
ああジャンボモナカ、 あれって作れるのかな…作れるよな、バニラアイスは見たことあるし、板チョコはわからないけど…チョコ自体はどこかの領にあるって聞いたことあるし…最中はつくりかたわかるし、よしっ明日絶対作ろう。
モナカが1つ、モナカが2つ、モナカが3つ………
「朝ですよ!~マイク様~起きてください…」
「ん?朝か…」
くっ…モナカ数えて眠ってしまった…
朝ご飯を食べ散歩、コミュ症先生の授業を受け30分でリタイア、厨房に向かう。
「トム!やるぞ!」
いつも通り清掃と下準備をしている下っ端料理人トム…
「うわっ、今日もですか?何するんですか?」
「今日はモナカアイスを作るぞ!」
「モナカアイス…とは……?」
「説明しない!やるぞ!まずはチョコがあるかどうかだ!」
「チョコ?チョコレートならマイク様の店でも取り扱っているのでは?」
「え?マジ?」
「あの~ティナさんという方のご実家がカカオを栽培されているんですよ、だから加工品でもかなり安く手に入れられたとシェナさんがおっしゃってましたよ…」
「いつの間に仲良くなってるんだ…!」
「なに言ってんすか?あの店の茶菓子自分が作っているんすよ…持っていったら少しくらい会話するに決まってるじゃないですか…」
なんということだ…知らんかった…もしかしてモカとか出してた?チョコレートデコレーションとかやってたのかな…あれ?オレ経営者だよね…
「ちょっくら行ってくるからモチ米砕いて蒸しておいて!あとバニラアイスも用意しておいて…」
「アイス少ししかないですよ…氷があればミルクジェラートはできるかもしれないですけど…」
「おけ、バニラ仕入れてくる…」
マイクは早速店に行く…その速さはとんでもなく素早く隠密術も使っているので誰にも見られていない…遅るべき5歳児である…
店につくと容器の補充を頼まれた…五千個くらい納入したのに…そのあとしばらく見ないうちに図に乗っていた貴族にお灸を据えた…個室を使わせろとうるさい地方貴族…ムカついたのでマジックミラーの逆展開をして姿も音も何もかもダダ洩れにしてやった…
そこでの悪だくみはすぐ噂となりいずれ潰れることになるだろう…詳しくは知らん…
そんな感じで個室の要望はだんだん減っていった…あくまでも大衆向けの観光スポットのお店であるというきっかけの一つの事件となった。コーヒーの売り上げも日に日に増えているらしい…さっさと焙煎機を仕上げる必要がありそうだ…
チョコを仕入れて帰りにバニラエッセンスが売っているお店に着く…そこはティナの家からも何かと仕入れているらしく面白いものがたくさん売られていた…チョコやコーヒー、香辛料、大豆製品、録音機の魔道具やステレオの魔道具など売られていた…その店は覚えておこうと思い店名を見たら〝イオン異世界支店〟…
オレはなにも見なかった…オレのせいじゃない…昔の転生者が悪いんだ!オレは関係ない!
知らんぷりして速攻で返るとトムは準備を終え隅でオレを待っていた…
「マイク様お昼食べられますか?」
「ああたしかに…食べるよ…」
「ではラヴェルに伝えてきます。ここで食べますか?」
「うん」
ペペロンチーノを食べながら米粉の状態を見る…大丈夫そう…アイスも溶けずにそばにあった…
よしっ!これ食べ終わったらすぐ作るぞい!
まずはモナカ!米粉を蒸して型に流してプレス!プレスする方はもちろん土魔法で成形!サクッと完成!
モナカの皮ができたので…まずはチョコをとかしてきれいにモナカの皮の裏に塗る。板チョコを差し込んだバニラをきれいにのっけてチョコ塗りモナカをかぶせる…
できた!オレの愛しい愛しいチョコモナカジャンボ!うわぁぁ~
うれしいいいい!
パクッサクッウマっ!うまぁぁ~い!
ザッツべりしゃすいぇ~い!
たくさん作ろう!
「トム食べたか?」
「え?あぁ、いただきます……んっ!っまいっす!え?これやばくないすか?うわ!ばかうまい!ええ~ちょっとラヴェルにも渡してきます!」
「どんだけラヴェのこと好きなんだよ!早く行ってこい!」
こうしてこのあとチョコモナカジャンボを死ぬほど作った。厨房でも話題になり後日屋敷でも出したらしい。そのあとのことは知らん…リピートして太っている母上とかは見たくはないな…
どうせ会わないけどな…冷たい?アイスだけになっ!




