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第31話 オープン ざ カフェ!

 ついに開店してしまった。カフェ…


 名前も決まった…


 後光カフェ


 スターバックスって輝きを背負うみたいなことだろうから後光…


 うん、考えすぎてダサいかもとは思ってる。たぶんスターバックスもそんな由来ではないだろうけど、カフェと言ったらスタバじゃん!2回くらいしか行ったことないけど…


 基本的な出入り口は時計台のふもとの屋上なので噂を聞いていても入り方がわからないものが続出した。一応案内板は出しているのに読んでないヤツが多すぎる…人が多いからか、仕方ないのかな


 ココの似顔絵屋はカフェが落ち着くまで休業…それよりもココはいろんなところでスケッチしたり開店した状態や混んでる状況を絵におこしたりしていた。いい着眼点…写真があればいいのだけど魔法に頼り過ぎてそんなものないからこれでいいだろう…

 映像魔法?……知らん知らんそんなもん知らん!


 開店後すぐ満員になった。やはり紅茶が多い…チャレンジャーは多くないが知識としてコーヒーを知っていた者が飲みに来た。かなり楽しんでいる。店内のみならずテイクアウトもやってみた…


 夏の終わりということで冷たい紅茶とコーヒーも用意した。コップは土魔法で用意。しかもタンブラー仕様…ストローもつけようかと思ったが使い方分からないだろうから店内でレモンスカッシュ飲むヤツが現れたら出そうと思ってる。


 順調で安心した…クレーマーもいたけどこんなものだろう…氷が少ないとか中身の量を増やせだとかお代わりはサービスだろとか貴族の個室を作れとか値段が高いとか…


 全部解決してあげた…氷漬けにしてあげたり、お湯に閉じ込めたり、ちょっと多めにお金をもらったり、個室に閉じ込めてあげたりした。


 大丈夫大丈夫全員誰がなにしたか分かっていないので…


 そんな一日目だった。売り上げも満足できるものなはず…続けてみてどうなるか…そうして一日一日を過ごしていけばよいはず…



 屋敷に戻ると父上に呼び出された。母上もいた…


「今日の晩に食堂に来るように伝えたはずだが…」

「はい、思いのほかやることがあったので行けませんでした」


 嘘です、本当は行きたくないのでココと屋台でメシ買って食べてました!


「…そうか、順調か?」

「…えぇ問題ありません。勇者パーティーの名を汚さぬように努めていきたいと思います」


「それで…コーヒーというのはどういうものなのかしら?」


 うわっ!今度は母上か…


「はい、用意します…ラヴェ」

「はい、こちらにご用意させていただきました」


 さすがラヴェ!仕事ができる有能メイド!


「へぇ~こんな色しているのね~本当に飲めるのかしら…」

「ええ問題ないはずです。手前から苦みが強いもの、酸味が強いもの、そして牛乳と混ぜたものを用意しました。匂いに催眠作用があるのですがコーヒー自体には覚醒作用があるのでもしかしたら眠り辛くなるかもしれません…あと利尿作用もあるので気を付けてください。大量に飲み過ぎると胃が荒れて内臓に負担がかかりますのでご注意ください…」


 そんな間に飲んでいる…いいのかそのマナー


「「……」」


 リアクションねぇのかよ!


「コーヒーとはこういうものだったのか…昔ルミナンスに行ったときは気付きもしなかったな…ふっ…」

「そうね、不思議な苦みだわ香りがとてもいいわ!牛乳があることでよりわかりやすいわね…ほかにも何かなかったのかしら…」

「そうだなルミナンスにライジンマルというデカい鬼がいたんだが…」


 めっちゃ長くなりそうやん…だっるぅぅぅぅ

 もう疲れてるから帰ろうかな…いいよね


 隠密しようとしたらラヴェに止められた…なぜに?

 え?挨拶…必要か?もう2人の世界入ってまっせ?仕方ない…


「それでは自分は失礼します。今日は疲れたので早めに休ませてもらいます」


 全力で出ていった…「待っ…」って聞こえたけど全力で無視だ…!知らん知らん!と早歩き


 自室にむかう廊下に誰かいた…うわっ姉上だ…なんで?ちょっと派手に動きすぎたか?生意気とか言われるんだろうか今から隠密使えば誤魔化せるかな?


「…お…お疲れ様…大変だったみたいね!」

「?はい…そうですね、おやすみなさい!」


「そ…そうね、疲れてるようね、ゆっくり休みなさい!」

「…っす!失礼します!」


 なんだったんだ?何かあるのか屋敷を出る準備がバレたのか…でも将来的には仕方ないしな…ん?てか初会話かな…姉上名前なんだっけ?ノヴァだっけ?


 うわっまずいなぁ~…急に家族問題勃発してきたぞ…

 帰ってくるのも辞めてしまおうかな?はぁ~~~


 なんなん?



 〈ノヴァリリス視点〉


 私はイングランディーレ家長女ノヴァリリス・イングランディーレ、7歳でもうすぐ8歳!兄が二人と弟が一人いる。


 一番上の兄はしっかり者で優しくしてくれる大好きなお兄ちゃん!下の兄も優しいけどいじわるも多い勉強が苦手なお兄ちゃん!


 でも弟のことはよくわからない。私は弟が生まれたことを全く認識してなかった。お母さんのことが大好きでよく一緒にいたのに私が2歳の時に生まれていたらしい。そんな記憶が全くない。ただ誰かの鳴き声があって入って部屋は覚えてる。たぶんあれが弟のマイクだったのだろう。


 でもすぐにメイドに引き離されてお母様に関わらないように言われた。成長とともに会う機会もなく忘れていたころ、3歳になった弟が食堂にいた…

 弟はお父様に家庭教師をつけると言われていた…私には何も言ってくれないのに…

 私は期待されてないのだろうか…


 怖くなってお母様に淑女教育というものを学んだ。お母様は丁寧に教えてくれてお父様も褒めてくれた。それからも一層頑張った。その年に魔法の適性検査があって年の暮れに魔法協会に行ってきた。


 適性は火・雷・無属性の3種類だった。バート兄上は火・水・雷・光・闇・無属性の6種、ジーン兄上は水・雷・闇・無属性の4種類でお母様も雷が使えるので我が家では全員雷が使える。ちなみにお父様は全属性を扱える天才らしい…よく知らないけど勇者パーティーの魔導士として活躍したらしい。そんなすごい家族で私は一番すごくないと思っていた。


 でもよく考えたら弟がいる。自分にとってよくわからない弟…家庭教師から逃げ回っているらしく、よく外で庭師の方とのんびりしているのを見かける。おそらくあまり優れた子ではないのだろう。王国騎士団の副団長様にもどこかに連れていかれているし、何ごとからも逃げ家族のだれからも思われていない可哀そうな子と思っていた。


 …違ったらしい


 最近になってお母様が気にし始めた。バート兄上の婚約者ライラ様がいらしてからしきりに弟の居場所を気にしていたり、弟の作った屋上庭園を気に入り、そこでお茶会をすることが多くなったり、服飾店を弟に紹介したり、庭に温室ができたらそれを見に行く。私はそんなお母様が嫌だった。


 急にお母様がとられた気がして気分は最悪…でも弟に何かしようとは思えない。意地悪をすればお母様に嫌われてしまうかもしれないから。とりあえず気丈に振舞おう…貴族令嬢として習った通りに過ごすことにした。

 お父様やお母様が忙しくしているのはどうやら弟のせいらしい。いろんな発明をして家に貢献しているだとか…軽んじていた弟がすごい人だったと理解したとき自分の無力感を意識させられた。


 バート兄上に相談した。私はなにもできない、どうしたらいいのか…


「マイクは特別なんだろうね…生まれた時から…父上と母上はずっと気にしていたよ…僕たちにはなるべく遠ざけるように関わらないように言い含められてきたしね…」


 知らなかった…弟は才能があり両親にも影ながら愛されていた。私は同情していたが兄は違ったのだ…


「マイクは特に三男だから余計に自立心が強いんだろうね…それに能力も人一倍ある…きっと仲良くしておく方がいいんだよ…」

「バート兄上はお話したことがあるの?」

「あぁ、ライラ嬢が来た時にね…モノの構造に関しての能力が高いみたいだから罠についていろいろとアドバイスをもらったのさ…」

「そうなのですね…」


 意外だった…バート兄上は優しいけど弟には一切かかわろうとしてなかった…それなのにこの変わり様は何なのだろうか…


「それに聞いたかい?今度は時計台に屋上カフェテラスをオープンさせるみたいだよ…」

「時計台?下町の大広場の?」

「あぁ、父上にも関わり深いあの時計台のふもとの建物にガラス張りのお店を作ったらしいよ…あの子はいつそんなことをしているんだろうね…あぁ父上も見に行ったらしいよ」

「そ…そうなのですか?でも下町に行くには手続きは面倒だってほとんど行ったことがありませんわ!」

「僕もだよ…それにそこで出すコーヒーっていう商品も空の国ルミナンスでしか手に入らないらしいんだ。余計にいろんなところで噂になっているらしいんだよね…飲んでみるかい?」

「え?え?え?空の国?コーヒー…?どうやってそんなものをマイクが?」


 慌てている間にコーヒーが用意されていた…


「うっ…!に…苦いです…、見た目もよくないです…これ本当に売れるのですか?…珍しいだけなんじゃ?」

「あはは、それはお砂糖入れたり牛乳を入れたりするんだよ…!僕もそのままは飲まないさ!」

「い…いじわるです!兄上!先に言ってください!」


 ……おいしい…甘くすることでかなりマイルドになって香りを感じれる…


「こ…これは…すごくおいしいです…!マイクに直接もらったのですか?ずるいです!」

「いやいや…カレンがマイクの侍女のラヴェルから分けてもらったんだよ…もう屋敷のメイド内では大ブームが起こってるらしいよ!」


 兄上の侍女であるカレンと私のお付きをしてくれているナナがうなづいている。どうして教えてくれないの!?


「あはは…あの子はすごいよね…」

「私、お母様にも教えて差し上げてきますね!もう知っているのでしょうか?ナナ準備して!」


 兄上に相談に行ったはずが気づけばお母様とお茶会に発展していた。

 マイク…あの子はすごいのね!すごすぎるのね!お礼を言わなきゃいけないわ!


 今まで話しかけたことはないけれどいつ帰ってくるのかしら!これからはたくさんかわいがってあげなくっちゃ!


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