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第26話 友達を探す

 友達がいないことに気づいた…この間スプマンテにやりたいことリストを作らせてた時に気づいてしまった。もちろん、ラヴェもトムもアーロンも最近仲良くなった御者のライアンもいる。騎士団見習い2年目トリオのブレシア、カタリナ、ゴージャスとも仲いいしこの枠にいれたくないけど副団長もいる…


 だが同年代がいない。近い年齢の兄も姉も全然相手をしてくれなかったし…使用人の子どもも乳兄弟もいないしな…


 なので下町に友達を探しに行くことにした。問題は勝手に下町に行くのをアーロンが許してくれるかどうか、黙っていくとどこかで察知して連れ戻しにかかるのだ…意味が分からない…副団長とアーロンは規格外すぎる…


 つまり気づかれる前に友達を作る必要がある。下町は路地は細かくわからないが大通りはひとまず問題ない子供がいそうな場所に目星をつけてレッツゴー!


 まず第一関門屋敷の門をどう出るか…ラヴェの目をかいくぐる必要もあるので最初にして最難関でもある。門番さんもいるので出かける時はどうしてもバレる、ならどうするか?そう!テキトーな用事をでっちあげて外に出る!これ一択だ!


 屋敷から出れればこっちのもん!貴族街と下町との関門は隠密術でス~イスイッ、あっという間に大広場!


 さて同世代の子はどこかにいるかな…

 向かいの屋台、路地裏の窓、そんなとこにいるわけもないのに!


「一人か坊主?」


 後ろから声をかけられた、さっきからオレのことを目で追っていた屋台のおっさんである。


「うん!友達探してる!」

「そうか!一緒に探そうか?」

「モーマンタイ!こういうのは一人でやってこそ意味があると思うんだ…」


「いやでも友達とはぐれたんなら寂しいだろ!」


 わぁ!勘違い!ふつうはそういう意味になるのか…たしかに!


「違うよ!オレは友達を作りたいんだ!」

「え?そうだったのか…そ…そうか……」


 めちゃ気ぃ使われた。屋台の串差し出された…もらうけどな…うん、美味い!


「運動場の方がいいと思うぞ…!ここら辺には昼時にならないと誰も来ない…」

「おお!グッドいんふぉメーション!さっそく行ってみるよ!ありがとう!親父さん!友達出来たら連れてくるぞ!」

「あぁ元気で行って来い!」


 大広場をでて運動場へ!場所はわからないのでたぶん行ったことない方向にあるはず!地図とかないかしら…


 分からないときは一度路地に入って浮遊魔法!上に上がればあら不思議丸っと丸わかりなのである!


「なにしてるんですか坊ちゃん!」

「うげぇ!ア…アーロン!なぜに!?」


 ヤツがいた…警戒していたヤツが…屋根の上に……

 なぜゴリラとアーロンは簡単に後ろを取ってくるんだ!


「あと100mは視野を広げてくだせぇ!そうすれば察知くらいはできますぜ…それでこんなところで何を?」

「友達を作りに来た…」


 沈黙が流れる。マイクは友達を作るという答えを口にして情けなくなっている。友達はつくろうとしてつくるモノではなく、勝手になっていることを分かっているがゆえにそれがままならない状況が恥ずかしいのである。

 一方、アーロンはそんな状態のマイクに同情してしまい、かける言葉が見つからないのだ…いや友達くらいは好きにつくってほしいと思うのだった。


 ため息とともに行ってこいのジェスチャーにマイクはアイルビーバックのつもりの親指をたて屋根から降りて運動場に向かった…


「世知辛ぇなぁ~」



 運動場に着くといろんな世代の子たちが遊んでたサッカーとバスケ、走り回ってる子たちもちらほら…混ぜてもらおう!5歳くらいの子たちは…サッカーしてる!


「お~いオレも入れてくれ~」

「今試合中だからあとでな!」


 あれ…だいぶ本格的…ん?あれは指導者か?…

 あぁサッカーチームみたいなことか…ガク~ん


 他には…バスケやってるやつには人数制限で追い出され、鬼ごっこは知らないヤツ過ぎて無視された…子供ってシビアだなぁ~


 まぁ運動一緒したらぶっちぎっちゃうし今日のところはこのくらいで勘弁してやろう!


 とぼとぼ歩いてカムバック、大広場に戻ってきた…


 串焼き屋の親父に慰められた。…うん強く生きるさ…

 隠密術で関門をサササッと抜け貴族街に戻る。屋敷に向かう途中でなにかを描いてる子を発見した…


 何かのスケッチだろうか…気になって寄ってみる…全然気づいてないらしい

 後ろからのぞきこむと見事な絵が描かれていた。鉛筆でのスケッチで影の差し方なんかもはっきりしていてカッコイイ!


「すごいね…」


 その子はびっくりしてスケッチ帖を落とし、完全にテンパっていた…

 前髪で顔は隠れていて栄養失調気味に顔色は悪い…全体的に細く弱弱しい印象…年上かな?


「あ、ごめん…オレはマイク!その絵メッチャかっこいいね!」

「あぁぁああっあ、うん!ありがとう…わ…ボクはココ・アエロリットだす…」


「いつもここで絵を描いてるの?」

「いろんなところで描いてるのさ…キミは貴族なのかい?」

「もちろん!イングランディーレ男爵家三男マイク・イングランディーレだね…ココも男爵家でしょ…」

「あぁ…親はね…ボクは庶子だからね、正式な貴族ではないのさ」

「そうか!そうなんだね!いくつなの!?」

「なんでうれしそうなんだ?年は10だよ」

「あ~ごめんごめん!貴族が煩わしいのはオレも同じだからさ!オレも絵を描こう!」

「え?紙はあるの?ペンは?」


 見えない角度から収納魔法で紙と鉛筆と画板を取り出す


「ええ!?どこから出したの?」

「ふっ…秘密だ!」


 そしてオレはココの横顔を描き始めた。まぁ下手だけどいい感じ…ちょびっと漫画風のタッチも描いておこう!うん、良きだね…

 風景画はあまり得意ではないので雑に書いてココにみせる


「うわつすごいねこれボク?ありがとう!初めて書いてもらったよ、この絵の簡略化している感じはすごいね…これなら僕にも人が描けそうだ…」

「人を描くのは好きじゃないの?」

「うん、気持ち悪がられるからね」

「え~そうなの今度描いたの見せてよ!描いてもらえばいいのか…」

「本気で言ってる?」

「もち!」


 こうしてココとしばらく絵を描き過ごした。


「そろそろ帰るよ、今度見かけたらまた声かけていい?」

「あ、うん…絵を描いてるときは気づかないかもしれないけど…」


 ふふふっ…これで何とか一人確保できたな…よしよしこの調子で増やしていくぞ…友達の友達を…

 …うん期待するのはやめておこう。とりあえず一人目、うん


 ぴこん!ココ・アエロリットが友達になった。最年少記録を更新した…

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