第17話 許可取り
スポーツサンダルに関する商業登録のため、父であるセブン・イングランディーレの許可が必要になり、必要書類を靴工房の親方に作成してもらい父にアポイントメントをとった。
その結果、常に父についている執事であるトクが部屋に現れ、すぐに面会の流れとなった。
父が働く執務室に訪れると「遅い…」とぼやかれた…怖っ……
向かい合ってるソファにすでに腰かけていたので向かいに座り、書類も並べた。トクが近づいてきて「お任せください」というので任せた。こういうのは従者の仕事なのか…
「失礼します。スポーツサンダルという新しい履物を商業登録するために父上のサインをいただけないかと思い参りました」
「商業登録?…その製品は持ってきてないのか?モノもなしに許可もないだろう…」
収納魔法から取り出し机に自分サイズのスポーツサンダルを置いた。どぅ~ぞ!
「こちらは裸足で履けるようになっておりまして、暑い夏などに気軽にはけるものとして作ってもらいました。貴族として足を出すことは好ましくありませんが、自分の場合は問題ないかと思い作りました」
「そうか、貴族に売るものではなく平民向けの商品ということか?」
「はい、そうです。そのうえでハーネス部分におけるこの部分も多様に使える助言をいただいたのでこちらも別途登録しておこうと思います。」
そういって大きさの異なる簡易な長方形の物質を並べた。現代社会ではトリグライドと名称をもつアレである。
難しい顔でそれを見る父…これを理解させるのは厳しいと思い、服飾店で見せたファスナーの許可をとることにした。
「こちらはファスナーという簡単に布に取り付け開閉できる便利な機構です。こちらは衣服やカバンなどに仕えるモノです。縫い付けるのに技術が必要ですが軽く便利で機能としても有能であると考えています」
ビーチサンダルのベルトの構造を理解したうえでファスナーの方も手に取った…いろいろと吟味しているのだろうか…
「平民向けということはコスト面ではそこまで費用がかからないというわけだな」
「はい、薄利多売な考えですが、十分な収益になるかと思います。父上に後ろ盾になっていただければスムーズに進むと思い話を持ってきた次第です。」
「…そうか、この件に関してはひとまずいいだろう。宮廷魔導士セブンとして後援させてもらう。技術的に不安な部分はあるが急ぎの必要がないのなら問題ないだろう。」
おお!すんなりOKが出た…こういう場合は厄介ごとも同時についてくるから嫌なんだよな…
「別件になるが…」
うわっ!早速…なんだろう
「屋根をガラス張りにしたあの造りの建設許可が欲しいとビートブラック家から打診があった。」
「は?」
「ほかにも子爵家からも数件あったが、そちらも建築生産・構造の許可登録をしておくか?」
何気なくなんかぶっこんで来た父…これギリギリ親子の会話なのか?いやそれよ屋上庭園もそれにあたるのか…ギミックも少し特殊だし充分特許申請に関わる案件だったか…
「えーっと、そうですね…大した構造ではない気もしますが父上がそういうなら登録します。構造の資料とモデルはあとで用意します。それでいいですか」
「いや、もう資料はアーロンに作らせてる。それとあそこに行くために階段を設置するが問題ないな?」
「え?誰か出入りするのですか?」
「あぁ、ヴィータが気になるらしくてな、マイクの部屋にあるらしい出入口を使えと言ったのだがな…今さら向き合えるわけもないと言ってな」
「はぁそうですか…狭いので大変だと思いますのでお勧めはしませんがお好きになさってください。」
「そうか…そう伝えておく……では以上だ…これは一緒に出しておこう」
「はい!ありがとうございます。失礼します。」
なんだか優しくなってる気がする。それに関わろうとしてくれているのかな…
謎だ…生まれてから一度もそんな感情を向けたこともないのに…
まぁ好きにすればいいか…好きにさせてもらってきたし…オレの快適ゾーンは隔離すればいいしね…
ということで北棟の奥に新しく階段が設置され屋上庭園に誰でも足を運べるようになった。
最初の方に作った側が共有の場所となったため、北棟の真ん中付近を土魔法でカベを作り、自分専用の屋内庭園を新しく作ることにした。レモンは植木鉢ごと自分専用のスペースに運び、、他のニンニクや長ネギ、大豆を自分の方に引っ越させた。もちろんこれらを置くために作った収納式の棚も動かした。
同じような造りにするのは癪だったので、外からは屋根に見えるような造りに再チャレンジした。
ムリっぽいのであきらめて普通に作った。隣から見えないように仕切りを作ってくつろぎスペースを確保した。
これにより北棟の中庭側の屋根はほぼガラス張りになり、来客からかなり人気になりイングランディーレ家に訪れるものが増えたとか増えてないとか…




