第16話 夏に向けて
「暑ぃ~」
屋上庭園で絶賛日向ぼっこ中のマイクは思ってる以上に熱がこもることを知る。
「屋根裏かなり広いから熱がこもり辛いと思ってたけど、ちょっとガラス面増やしすぎたかな」
現在、北棟の屋根の半分がガラスになっている。これはアーロンが熱望したこともあり、屋上の強度を上げつつリフォームを済ませていた。これはこの屋敷の主人セブンも了承を得ている。だが、この場所に足を踏み入れられる人間はマイクとアーロン、ラヴェルのみである。ブルース副団長もいたかもしれない…
いつも通りプールサイドチェアでのんびり人工知能魔法の本に記述していた。
「我が君!気温を変えましょうか?」
「いらん!窓開けて…」
「窓などありませんが?」
「そのガラス押せば上に開くし、ツッパリ棒も垂れてくるからそれを支柱にして」
「うわっ!すごいですね!我が君!これが屋上と呼んでるわけですね」
「あぁ…って外も暑いな…」
もう春が過ぎ、夏に差し掛かっているのだと認識できる。
「やっぱ閉めて」
「え?もうですか…そうですか…そうですね…空気の入れ替えは大事ですものね……」
「好きなだけ開閉していいよ!そのギミックは建築の項目にでも追記しといて…!」
「はいっ!流石です我が君っ!」
靴履きたくないな…のんびりをやめようと思って立とうとしたが脱いだ靴を前に動けずにいた…
現在、靴下と呼ばれる文化はあり、靴自体も現代っぽいテイストをもつ種類も存在する。室内履きとしてスリッパはあるがこの屋敷では採用されていない。
マイク自身もスリッパもありと考えていたが、どうせならサンダルにすることに決めた。貴族は不用意に足をさらしてはいけないなんて考え方はあるがマイクにとってはクソくらえなルールだった。
スポーツサンダルにするか…いや草履もあっていいよな…あるのかな下町なら?あとは室内用にスリッパサンダルだな…
サンダルの素材は…プラスチックだよな…?こっちじゃスライムが素材になるとかかな?
ソールは靴にも使われてるやつで、ハーネス部分はどうしよ…頑丈な布で肌触りいいモノってあるのか?
ごちゃごちゃ考えても仕方いので貴族街の外れの靴工房に乗り込んだ。
マイクはサンダルを注文した。店主はサンダルというものが下町や南・西の暑い地域で履物であるというのは理解していたが作ったことはなく動揺していた…
なので素材などはマイク側から提示してまず足の型をとってもらった。そのうえでメモ用紙に簡単に図を描き完成図をイメージさせた。頼んだのはスポーツサンダル、ビーチサンダル、スリッパサンダルの3つで試行錯誤してもいいように多めにお金も渡すことにした。
支払いはもちろん管理魔法における石板でのタッチ決済!素材代・技術習得代、取り寄せて参考品購入代諸々…
ソールはよく使われる素材スライム加工で足に合わせて作ってもらい、スポーツサンダルのハーネス部分は素材を選んでもらいバックルは土魔法で生み出した。使いにくければダサいけど靴下履くスタイルでいけばいい。
ビーチサンダルはスライムで全素材行けそうであり、スリッパサンダルも問題ないようである。
さらに完成形も土魔法でつくり見本として置いてきたので出来上がりが楽しみになった…暑くなってきて蒸れる足から解放してくれ…できれば貴族街でも流行ってくれ!
サンダルの製作を頼んだので、普段使いできるカジュアルな服が必要だ…
この世界にはTシャツもどきやパーカーなども既に存在している。下町でも襟付きの服を着ている人もちらほら見る。冒険者ギルドなどの受付の制服はかわいいし、衛兵も装備が整えられていたり、身だしなみに対しての意識は全体的に高い。素材加工の質は低いのでそこは気になる。
服飾関係はかなり整っている部分ではあるのだが貴族内での規則が多い!基本的にカジュアルなものを着るのを良しとされていない。靴も革靴だけ…スーツ着ることが常…息苦しい…
父が魔導士関係でローブを羽織るところを見たことがあるがその下は正装だし…家の中でも楽な格好してるところなんて一回も見たことない…
でも自分三男なんで…いずれは着ていても問題なくなる。準貴族扱いになるはずなのでこういうのに慣れておくことも大事だと思うんだ!
そんな言い訳を大義としてサンダルに合うように服を作ります。まずは土魔法でマネキン。サイズはもちろん、オレ!
まずは半ズボンだな…いい丈のサイズがない。フォーマルなパンツは短すぎて動きづらい。オマタマタが千切れそう…そろそろ長くなるらしいけど、まじで恥ずい。なので膝上くらいまでちゃんとあるやつを紙におこす。生地はなにがあるんだろう…丈夫で肌触りが良く動きやすいものなんてあるのかな…
ナイロンに近い素材とかあるのか?ひとまず腰は紐でもいいか、ベルト嫌いだし…通せるようにしておこう。平ゴムとかあるのかな…
下着の方のパンツもなんとかできないかな伸縮性あって蒸れないように…トランクスからかな?ボクサータイプは無理かな?女性用の下着は確かしっかりしてんだよな、ムカつくことにな…この世界に来た男は気にならなかったのか?…
上はシャツは縫い方変えてもらうだけでいいな…さすがにTシャツ数枚、Yシャツの襟のタイプが違うものを数点…柄とかも帰れるなら変えて、ベストとかカーディガンとかも前もって頼んでおこう…スウェットなんかもあるのかな…
こうして考えていると未だにこの世界を知らなすぎると実感できる。
ボタンもあるけど高いのよな、お金がもったいない…あ!造形魔法があるからそれでカッコイイやつ作ろう!
他には紐は見栄え悪いしだらしなく見えるよな、リボンとか金具があれば問題ないかな…ファスナーもありか…研究してみようかな…簡単な造りのはずなのよね…
これでかなり幅が広がるだろ!女の子目線も必要かな…ラヴェに確認するか…
「お呼びでしょうか?」
「うわっ!…なんでいるの?」
「そうですね…なぜか呼ばれた気がしたのです。失礼しました。」
「いや、いいんだよ!とりあえずこんな感じの服を仕立てられる業者を紹介してくれない?服飾系は紹介がないとダメだろ?何とか母上経由でよさそうな人探ってくれ!」
「了解しました。見つけ次第連れてまいります。」
「いや、こっちからいくから!母上はともかく、オレは男爵令息だから!」
「マイク様は貴族様ですから、お気にすることではございませんが、了解しました。」
後日
まずサンダルをとりに行き、試し履き。良きかな裸足で履くことをかなり心配されたが、型とるときに散々見てたから問題なくない?そんな珍しいか?女の脚でもないのに…
え?欲しいってこと?作りたい?
…うん、商標登録しに行こうか…、オレ名義で行ける?父親必要?…うん仕方ないな、親方名義で取り分こっちにも回るようにしよう。え?製作者じゃないってバレたら打ち首…怖っ!
しゃーなし…父上への面会希望を出しておくか…オレの発案じゃなけど大丈夫かな…
その足で行こうとしたらさすがにラヴェに止められたので、黒い靴下を履いて現代にもいたダセェサンダル履きスタイルで服飾品店へ…
歩いてきて驚かれ、、奇妙なサンダルにも驚かれ、ラヴェと二人できたことにも驚かれた。そんなに珍しいのか…
どうやら母が公爵令嬢時代からの行きつけの店だったらしく意外としっかり対応してくれた。意外とカジュアルな服が出てきた。もっとカッチリしたのが出てくるかと思った。これとかエリの部分だけ独立してる!面白っ!
散々見て楽しみ考えていたデザインを用紙に描いて注文した。似たようなものの中から半ズボン、ノースリーブ、丸クビTシャツ、それに独立襟を買った。頼んだデザインのものの生地を決め必要な素材ボタンやファスナーを渡して作ったものは屋敷に届けてもらえるようにした…
また何かあれば対応してくれるらしい。父上に対応してもらうのだけ面倒くさいな…




