突然…
『〜♪〜♪〜♪〜』
別れ際、兄弟の携帯の音が鳴り出した。
「あ、すまん」
一言謝って、電話に出る兄弟はかかってきた画面に少し眉を顰めている。
「え!ほんとですか?!嘘って言ってください!そんな…分かりました、今から向かいます」
ほとんど叫び声のような電話口に僕も嫌な予感が走る。
「なぁ、俺どうしよう…親父が死んじゃうかもしれない…今、病院の人が様態が急変してるって…」
その後、どうしたか自分でも不思議な程に自然に体が動いた。
「どうしたもないだろ?!一緒に病院言ってやるから、そんなこと言うな、まだお前の父親は死ない!」
そう叫びながら兄弟の手を取り、タクシー乗り場まで走る。タクシーに乗り込み、叫ぶように父親のいる病院に行くように頼む。タクシーの運転手も僕らの様子を見て察したのだろう、「なるべく急ぎます!」と上げれるスピードまで早くしてくれた。
「お釣りはいりません!」
そう言ってお金を運転手にわたし、兄弟の手を取り病室に走った。
病室に着くと、ドアのには家族以外面会不可と書かれた紙が貼ってあった。
僕はそれを見て弾かれるようにドアのぶを離した。
「行ってこい、」
そう言って兄弟を送り届けた。
僕がすることは終わった。いまは、今だけはこのドアを開けることは僕にはできない。そっと病室を離れようとした。
何故だろう、ふと少し離れたソファに座る女性に目が向いた。ずっと泣いているのに気づいていないような魂の抜けたような儚い今にも壊れそうな不思議な人だ。
いつもの僕は知らない振りをするだろう、あぁ家族に不幸があったのかなそんな憶測だけして…
でも僕自身が気づく前に僕は声を掛けていた。
「どうかされましたか?」
ハンカチを差し出しながら…




