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いちにちめ(王都)


 ミーシャに連れられて、本日のお宿『ふくろう亭』へと入っていく我らがナツ隊員(俺)とドラ隊長。ドラは人が多いところは初めてらしく、ビミョーに俺の後ろに隠れながらついてきている。

「うー・・・ナツ、だいじょぶ・・・?」

「だいじょーぶだって、おいしいものいっぱい食べれるぞー」

「・・・ほんと?」

「ほんとほんと」

ドラはぴったりと俺にくっつき、周りをキョロキョロと見回している。ドラを安心させるためにも、ここは俺が一肌脱ぐしかあるまい・・・。俺の秘奥義をくらえー!


「うりうりーほっぺむにむにー」

「うみゅうむもわぁー」

「うわドラのほっぺ超やわらけぇ・・・なにこれ餅?やわらかっ」

「なちゅなにしゅるのぉー!」

「いやードラのほっぺたすごいやわらかそうだなって思ってたらついつい触っちゃってたわ」

「もー・・・」


「・・・」

「・・・」

「・・・」


「(なにあれかわいい・・・!)」

「・・・はっ!いかん、ついほっこりしてしまった・・・。すまないご主人、この二人をしばらくここに泊めてやってほしいんだが、部屋は空いているか?」

「あ、ああ・・・この時期は客も少ないからね、部屋ならいくつか空いてるよ」

「そうか、なら一週間ほど頼めるか?宿泊費は私が出そう」

「え、ミーシャがお金出してくれるのか?なんか申し訳ないんだけどなぁ・・・」

「なに、ジャルディーノ地方から王都まで運んでくれたのだ、これくらいはさせてくれ。」

「なにやら訳ありみたいだね・・・まぁ、詳しくは聞かないよ。それで、一週間だったかな?なら金貨45枚・・・と言いたい所だけど、ミーシャ様のお知り合いってことなら40枚にしとくよ。何度かうちの食堂を利用してもらったこともあるからね」

「なんかありがとうございます・・・あ、俺ナツっていいます。こっちはドラ。・・・ほら、あいさつしような」

「うー・・・ドラ、です」


 ドラは宿の主人に一言あいさつをすると、すぐに俺の後ろへと隠れてしまった。まぁ、名前は言えたし良しとしよう。ドラの頭を撫でて、主人に向き直る。

「よろしく、私はゴードン・オウル。ここ『ふくろう亭』の主人をしているよ」

「あ、じゃあゴードンさんって呼んでもいいですか?『ご主人』だとなんか堅苦しくて・・・」

「ああ、構わないよ。・・・ところで、さっきミーシャ様がジャルディーノ地方がどうって言っていたけど、もしかしてそこから来たのかい?たしか騎士団が調査から帰ってきたのは一昨日だったはずだけど・・・」

「あー・・・それは・・・(チラッ」

 まさか一人だけはぐれて森をうろうろしてたなんて誰も思わないんだろうなー・・・まぁ、一見ミーシャは方向音痴には見えないし・・・。

「コホン・・・では、私は騎士団の拠点に一度戻ってくる。ご主人、報告が終わったあとに金貨を持ってくるから、少し待っていてもらえないか?」

「問題ないよ、遅くなるようだったら明日でも構わないから」

「すまない、助かる」


 そう言って、ミーシャはふくろう亭を出て、騎士団の拠点へと向かっていった。・・・また方向音痴が発動しなきゃいいけど。

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