いちにちめ(王都)
王都の門に近づき、車を停める。門付近で警戒していた衛兵たちは武器を構え、じっとこちらを見つめていた。うわぁこれ外出たくねぇ・・・。
「ナツ殿、ここからは私が行こう。私を見れば衛兵たちも警戒を解くはずだ」
「あ、オネガイシマス(ミーシャってそんなに有名人なのか・・・)」
俺はミーシャが乗っていた席のロックを解除しドアを開けると、彼女は車の外へと出ていった。
「・・・おい、あれミーシャ様じゃないか?」
「ほ、本当だ!おーい、ミーシャ様が帰ってきたぞ!早く騎士団に伝えろ!」
「というかさっきあの化け物の腹から出てこなかったか?わしの見間違い?ねぇねぇ?わしの見間違い?」
ざわざわ
「忙しいところすまない、ヴァルト王国女性騎士団所属のミーシャ・フィオーレ、ただいま帰還した。ここを通してもらっても良いか?」
「え、ええ・・・それは構いませんが・・・その、さっきミーシャ様が出てきたあれはいったい・・・?」
「ああ、あれは私の知人の持ち物だ。『きゃんぴんぐかー』というらしい。魔物などではないから安心してくれ」
「まぁ、ミーシャ様がそう仰るならば・・・おい、全警備兵に警戒解除を伝達だ」
「了解しました!」
ミーシャが外に出てからしばらくすると、門の周辺にいた警備兵が散らばっていく。どうやら話し合いは終わったようだ。ついでにさっきドラも昼寝から起きて大きなあくびをしていた。かわいい。
「わー・・・ねぇねぇナツ、ここがおうとー?」
「そうだなー、たぶん人がいっぱいいるぞ」
これでダメだったよとか言われたら、俺はドラを連れてスタコラサッサするつもりだったけど、どうやら問題ないようだ。再びエンジンをかけて門の近くへと車を進めることにした。
「おーいミーシャ、もう大丈夫なのかー?」
「ああ、ナツ殿。警備兵に話は通したから問題ないぞ」
「りょーかい、じゃあここでお別れだな」
「・・・ちょ、待てまて!ここまで運んでもらったんだ、少しはお礼をさせてくれないか!?というかもう帰るのか!?」
「だってミーシャを王都に送るっていう目的は達成したし・・・」
「ほ、ほら!王都はいろんなものが集まってくるから、観光には事欠かないぞ!私に王都を案内させてくれないか?」
「んー・・・そうだなー・・・」
まぁ時間は山ほどあるし、急いで帰らないといけないって訳でもないし・・・何日か滞在するのもありかなー。
ていうかさすがに運転し続けてちょっと疲れたし、せっかくだからミーシャの提案に乗ろう。
「なぁドラ、何日か王都で過ごさないか?街を見て回ろう」
「んぅ?おうちはー?」
「んー、お家にはいつでも帰れるし、せっかくだから美味しいものでも探そうかなって思うんだけど」
「ごはん!ナツ、おいしいごはんある!?」
「おおぅ食いつきいいな」
さすがはドラ、ごはんのことになるとテンション上がってるわ。かくいう俺もだけど。
「ドラがおいしいもの食べたいって言ってるから観光するわ」
「・・・なんというか、ブレないな君は・・・」




