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不滅のリーパーキング~死体の山で梯子を作れ。あなたに届く、その日まで~  作者: 柳原ミツキ
第一章

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消えたグリム

ドカンッ!という轟音により、ダインの意識は覚醒した。

「......!!なんだ!?敵襲か!?」


バクつく心臓の鼓動を感じながら勢いよく飛び起きる。

若干焦点の合わない眼に映ったのは見知った空間で、


「ここは祠の中......だよな。俺、いつの間に眠って...くっ...」


急に起き上がったことによる立ち眩みに悩まされつつ、状況を整理する。

「俺はグリムと話してて.......そうだ。グリムは!?」


「なになに?そんなに私が恋しかったの?」という生意気な声を期待し周囲を見渡すも、それらしき人影は見当たらない。


この目に映るのは見知ったクイズ部屋と、横たわる二人の寝顔だけだ。

二人にはところどころ包帯が巻かれており、毛布の下で寝息を立てている。


「グリムがやってくれたのか......礼を言いたいところだが」

肝心の本人はどこへ行ったのだろうか。

重い体に鞭を打ち、グリムの部屋へと足を運ぶが、


「おーい。グリムー!どこ行ったんだよー!まだ返事聞いてねえぞー!!」

自分たちと共にここから出ようと持ち掛けた答えを、まだ聞いていない。

ベッドの下やクローゼットの中。はたまたトイレに至るまで。いくら探せど気配一つ感じなかった。


「.....まさか、博士か?」

ありえない話ではない。もしこの部屋が監視されていたとしたら。会話を聞かれていたのなら。


「.....そういえば、あの音」

自分の目覚めの起因となった、嫌な暴力的な音を思い出し嫌な予感が脳をよぎる。


「くそっ......!!思い違いであってくれ......!!」

頭を覆いつくさんとする不安感に駆られ、部屋から飛び出し二人のいる大広間へ。

そして、


「......!!あの扉、今まであったか....?」

ここへ入るときに使った通路とは反対方向。大きなモニターのすぐ横に、石の扉を発見した。


「間違いねえ。グリムはここから出ていったんだ」

扉の先には石の階段が伸びており、先は遠いのか出口は見えない。


はぁっ、はぁっと息を切らし、長い階段を上っていく。

まだ体調が万全でないことも重なり、息も絶え絶え。不格好なフォームで歩を進める。


「......!!」

しばらく進むと光が差し込み、出口が近いことを知らせてきた。


「......グリム!」

無意識に歩を早め、光に焦点を合わせ上っていく。


出口まであと5段といった所だろうか。

この時点で、妙な違和感を感じていた。


「......なんか、寒い?それに、なんか変な音が......」

ブルッと身震いし、視線を足元へ這わせると。


「......なんで、こんなところに...?」

この目に映ったのは、階段を覆いつくさんとする霜だった。

それに、出口から吹き込む風はダインの体を冷たく蝕んでいく。


「暖かい気温だったはずだ。これは明らかにおかしい....まさか、魔法か?」

一気に背筋に嫌なものが走り、滑る危険を顧みず駆け上がる。


「グリム!グリムー!!はぁっはぁっ......あ?」

一気に駆け上がり祠の外へ出たダインを出迎えたのは、望んだものではなく。


「なん、だよ。これ......」

ダインの眼下に広がるのは、大地を覆いつくさんとする霜。

地面に突き刺さった2m以上ある氷塊。凍った大樹。そして......


「あ、か...?」

真っ白な世界を汚す微量の赤。その付近には、複数の足跡が奥へ奥へと続いていた。

それが何を意味するか、考えるまでもないだろう。


「まずいまずいまずいまずい。は、はやく助けに行かねえと......は?」

目の前の光景にパンクしながらも、残った手がかりに縋りつき、捜索に向かおうとしたその刹那。

空から眩い光が差し込んだ。


否、光が差したのではない。空に、巨大な扉が現れたのだ。


「なん、だ......あれ」

超常的な光景に立ち尽くすダインの視線の先では、重厚な扉が開かれていく。そして、


「あれは......聖騎士....か?」

翼の生えた馬に乗った甲冑が、次から次へと飛び出してきた。

それらはざっと100機以上いるだろうか。ほとんど同じ色形をしていて、見分けがつきそうにない。


しかし、一つだけ目を引く存在が。

群れの先頭に、黄金の甲冑を纏った隊長らしき人物を視認した。

彼の指示に従い聖騎士の軍団は列を成し、指示を待っているようだ。


空に浮かんだ異物に目を奪われていると、先頭にいた聖騎士と目が合ったような気がした。

しかしそれは気のせいではなかったようで、先頭の騎士とその他2体の騎士がこちらへ方向転換し、勢いよく向かってきた。


バサッバサッと風を吹かせ、三体の騎馬が目の前に着地する。

リーダーらしき男は「とうっ!」と馬から降り、ダインの目の前まで歩を進めると。

「やぁやぁ、君も災難だったね。こんなところに攫われるなんて。......でも、大丈夫!」


前髪をかき上げ、きらりと輝く歯を見せながら、

「なぜかって?.....決まっているだろう。この俺っ!が来たから......だっ!!」

キランッ!という効果音が付きそうなほどの陽のオーラを放ち、決め顔でこちらを見てきた。


……なんだろう、全然頼もしそうに見えないんだが。

ダインはめまいを覚えながら、とりあえず敵ではなさそうなことに安堵しつつ、口を開く。

「えーっと。......とりあえず、あんた誰よ?」

ご愛読ありがとうございます!

ここからもっともっと面白くなっていくので、ぜひ楽しみにしててください!

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