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不滅のリーパーキング~死体の山で梯子を作れ。あなたに届く、その日まで~  作者: 柳原ミツキ
第一章

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デスゲームⅤ ノラ、恥を知れ

パチンっとグリムが指を鳴らすと、再び椅子からベルトが延び、体の自由を奪ってくる。

ハートのマイクを掲げたグリムが口を開く。

「第二試合では、ルールが追加されるよ。それは、『挑戦者一人あたり、解答権は二回まで』、『挑戦者同士での会話禁止』それと『挑戦者のうち一人は一分以内に回答しなければならない』だよ♡」


解答権は二回まで。これって、なにか問題があるのか?

俺が小首を傾げていると、ニヤニヤと見つめてくる小悪魔と目があう。


「あれぇ~?お兄さん、もしかして......気づいてない?そっかぁ気づけないかぁ......うんうん、難ちいでちゅね~♡」

どうしよう、はしたない真似はしたくないが、体が動けないことをいいことに唾を吐きかけてやりたい。


そんな願望を理性で押しとどめ、思考を巡らせることにする。

二回しか答えられないってことは......うん、とにかく答えられる数が少ないってことだ。

慎重に解答しよう。


俺たちはどれか一問でも正解すれば試合には勝てるんだ。

そんなに大したことはない......ということにしておこう。


挑戦者同士の会話禁止。これは法則を見つけても、ノラに伝えられないということか。

…..なるほど、だから解答権二回が効いてくるというわけだ。

どっちかが法則を見抜いても、解答権が残ってなかったら答えられない。


最後の一分以内の回答は......シンプルに考える時間が短くてきついな。

でも、どっちみちグリムがすぐ解答するだろうし関係ないか.....?


そこまで考えて、ふとある疑問が浮かんできた。

「なぁ、間違えた場合の電撃って今回はないのか?」

「......くふふ、お兄さん気づいちゃった?今回も電撃が流れてリタイヤしちゃう場合、鬼のハードモードになるだろうね♡……でも安心して?グリムちゃんは慈悲深い少女!今回は電流は勘弁しといてあげる♡」


やけに良心的だな。

しかし、こいつのことだ。なにか裏があるに決まってる。


「おい、ノラ。わかってるな?」

俺が耳打ちすると、コクリと頷き小声で返すノラ。

「ああ、時計の時か分を見て考えればいい、だろう?これまでの法則からみて次は時。16か4をもとに考えれば勝てるだろう。......たぶん」


自信なさげなノラの表情に、こっちも自信がなくなってくる。

ここまでの推論はあくまで予想。間違っていれば一気に敗色が濃厚になる。

となれば、第二のプランを考えておくべきだろう。


そこで俺はふと、できればやりたくない最終手段を思いつく。

そして、ひそひそとノラに端的に伝え、あるものを手渡した。

そんな俺達の行動を見かねて、グリムが画面を切り替える。


「何コソコソ話してるか知らないけど、むーだ♡ささっとゲームスタートしちゃいまーす♡」


そうして、目の前の画面の中央に問題が映し出された。

画面左下には、俺とノラの名前の横に丸が二つ書かれている。これが解答権だろうか。

画面左上に時刻16:38、一分のタイマー、そして右下に右手を口にあてた少女のイラストが。


冷たい機械音が、再び部屋に響き渡る。

「問題です。『漆黒、武具、安全、硬い』これは何を表している?」


俺は、頭上にクエスチョンマークが浮かぶのを強く感じた。

落ち着け。冷静に、法則から見極めろ。

16か4に関連する答えになってるはずなんだ。


そう思い、16と4の読み方をこねくり回す。

あーでもないこーでもないと黒くて硬い武具を考えていると、隣で軽快な音が鳴った。

ギョッとしてそちらを見ると、したり顔のノラがボタンを押していた。


「ふふっ、私に掛かればこんな問題を解くなど造作ない!正解は『イムリンの箱舟』だろう?」


……なんだそれ。北の国の神話にはそんなものが出てくるのか?

南の国出身の俺にとって、初めて聞く単語だ。

北国出身のノラがいなければ、正解は不可能であっただろう。


おそらく、イムリンのイムが16から来ている。

やるじゃないか、ノラ。

ドヤ顔なのが少しだけうざいが、今回はちょっとくらい褒めてやっても......


「ブブー!!不正解!!」

「ええ!?」


画面のノラの横の丸の一つが消滅する。

予想外だったのか、ひどくショックを受けて俯くノラ。どうやら本気で間違えたらしい。


……俺のさっきまでの感心を返せ。

イムリンは何者なんだとか、箱舟は武具なのかとか、色々ツッコミたくなるが会話禁止なのでペナルティを恐れ、口を噤む。


頭にモヤモヤを残していると、何やら視線を感じた。

ふとそちらを見ると、ニヤニヤとこちらを見つめるグリムの姿が。

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