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不滅のリーパーキング~死体の山で梯子を作れ。あなたに届く、その日まで~  作者: 柳原ミツキ
第一章

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デスゲームⅣ 第二試合、開始


「ぜぇ、ぜぇ.......て、てめぇの信仰する神様は、ぜぇ.......人の話を聞きなさいとか、そういうことは教えてくんなかったのか...?」

「はぁ、はぁ......生憎、いくら慈悲深いフレイヤ様であっても、貴様の、ような......口先だけの男の戯言など、聞くに値しないとおっしゃるだろうな......!!」


このように話は平行線をたどっており、いまだ収束する気配はない。


グリムが奥の部屋へと消えた後も罵倒しあっていた俺たちは、しだいに疲れて口数が減っていった。

各々椅子に座り、沈黙が流れる。


しかし、ただ黙っていたわけではもちろんない。

俺はルイの残したヒントをもとに、正解の糸口を探っていたのだ。


俺は大きくため息をつくと、静寂を切り裂いた。

「おい、もう一度説明するから、ちゃんと聞けよ?」

俺は両耳を塞ぎ、意地でも話を聞こうとしないエレオノーラの両手をつかみ、強引に自論を流し込むことにした。


「いいか?ルイは『時計』がヒントだって教えてくれた。で、これまでの三問の、正解と時刻を思い出してみろ。1問目は16:00で四月、2問目は16:05分で五感、最後は16:15分で16条、が正解だった。......つまり、時と分が交互に正解へと直結してる可能性が高い」


自信満々に推理する俺にエレオノーラはやれやれと首を揺らし、うろんな目を向けてきた。


「なぜ貴様がたどり着ける結論に、私がたどり着けてないと思ったのだ?」


こいつ可愛くねえ!!!

なんだろう、このダンジョンに入ってから、やたらと我が強いように感じる。

パーティに入れてくれと頼んできたあの時のお前はどこに行ったんだと問い詰めてやりたい。


しかし、もし俺の推理が違った場合、俺たちみんな仲良く地獄の片道切符を発行することになるだろう。


こんな時こそ、協力してみんなで攻略するべきだ。

あまり気が進まないが、俺はエレオノーラの方をじっと見て。


「......なぁ、ノラ。いい加減機嫌直せよ。別に、俺はお前を信用してないから解答すんなって言ったわけじゃねえぞ?ただシンプルに、ノラがルイと同じ目にあってほしくなかっただけなんだよ」

俺の告白に、ピクリとエレオノーラの体が揺れた。


「そ、そうなのか.....?うむ......た、確かに、私も少し強がりすぎた節があったかもしれん。私は、ただ軽くみられるのが嫌いなだけ...っておい待て。今私のことなんて呼んだ?」

俺はノラの疑問をスルーしつつ、優しく問いかける。


「一旦仲直りして、協力して攻略しようぜ?ノラは任務が終わって帰る途中だったんだろ?俺たちはこんなところで死ぬわけにはいかない。ということで、ここはひとつ、仲直りの握手を...っていでででで!」

「今度は聞き逃さんぞ!おい、貴様。私のことをノラと呼んだな?別に嫌ではないが......その、急に距離を詰められた感じがして居心地が悪いぞ!」


気恥ずかしいのか本気で怒ってるのかよくわからない表情で、俺の右手を全力で握りこむノラ。


「なにすんだこの野郎!折れるかと思ったぞ!」と、怒鳴りつけたい気持ちをぐっと堪える。

せっかく仲直りできたっぽいのだ。ここでいつまでも争ってる場合ではない。


「ま、まぁいいじゃねえか。それより、俺のことも貴様じゃなくて名前で呼んでくれよ。......ノラ」

「痒い痒い痒い!こんな感覚は初めてだ!......おい、その生温かい目をやめろ!ああ、わかった!わかったから、慣れないポーズをするな!気色悪い!」


失礼な。ただ、よくモテる男が女の子を口説くときにする、爽やかな笑顔で手を差し出すやつをやってみただけなのだが。

どうやら不評だったらしく、両手で肩を掴んでブルブル震えるノラを眺めていると、バタンと奥の扉が開き、メスガキ少女が歩いてきた。


「おまたせ~♡勝手に自滅してくれれば助かったのに、なんか仲良くなっちゃってるし~?グリムちゃん悲しい♡どうしよ~このままじゃ負けちゃうよ~♡」

めそめそと泣くポーズをするグリムに。


「見え見えの嘘ついてんじゃねーよ女狐。勝ちを確信して、早く負かせたくてうずうずしてんのバレバレだ」

俺の指摘に、顔を隠していた両手を下げてペロっと舌を出し、挑発的な表情を浮かべるグリム。


「くふふ、お兄さんには隠し事はムリか♡ご名答。どうせ私の勝ちなんだからサクッと負けちゃえって思ってま~す♡」

そんなグリムを鼻で笑い、ノラは言い放った。


「貴様、まだ自分の勝ちがゆるぎないという幻想に浸っているのか?それはそれは、たいそうめでたい頭をしているようだな」


ピクッと眉を一瞬動かし、ノラの方を睨むグリム。

「......ん~?なにかなぁ?もしかして、法則に気づいちゃってる...とか、言わないよね?いるんだよね~そういう可哀そうな挑戦者。経験則から得た、浅はかな推理で悦に浸っちゃってさぁ......そうだ、そんな可哀そうな挑戦者がどんな末路を辿ったか、教えてあげる♡」


トコトコとノラの前まで歩いたグリムは、ノラの耳元でこう囁いた。

「みんな第二試合であっけな~く、は・い・ぼ・く♡しちゃったの♡」

背筋をぞくりとさせたノラは、グリムを反射的に振り払う。


「くふふ......あなたたちも、そうなっちゃわないように頑張ってね?♡……じゃ、第二試合、始めよっか」

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