デスゲームⅠ
目の前の画面には、左上に時計、中央にルール説明、右下にはグリムを模したキャラクターが書かれていた。
そのキャラは人をバカにしたような表情をしており、左手を口元に当てている。
「バカでもわかるように~グリムちゃんがわかりやす~く説明してあげる♡」
ハート形のマイクを手に持ち、グリムは説明を始めた。
「ゲームは三試合行うよ。一試合あたり問題は3問!どれか一つでもクリアしたらおにーさんたちの勝ち!次の試合に進めちゃう♡」
「ふむ......さきほど、三回負けるとチョーカーが閉まり、死に至ると言っていましたね。つまり僕たち三人が、どれか一問でも正解できれば勝利、できなければ死、ということでしょうか」
形のいい顎に手を当て、素早く現状を理解したルイが述べると、グリムは目を輝かせた。
「イケメンのお兄さん、すっごぉ♡頭いいんだね~♡あとで連絡先交換しない?」
「結構です......それより、第二ゲームでもチョーカーの締め付けは継続ですか?」
ぐいぐい迫るグリムをあしらい、理解を進めようとするルイ。
そんなルイに頬を膨らませ、「でもかっこいい♡」とうっとりするグリム。
「ええ~そんなぁ。......ま、いっか。どうせ死んじゃうもんね♡……あっ、第一ゲームが終わったらチョーカーは外してあげる♡」
「……なるほど。とりあえず、今から出される三問のうちどれかを答えられたらクリアなんだな?......報酬とかはないのか?」
ダインがそう問うとグリムはいたずらな笑みを浮かべ、画面のスライドを変えた。
「全部の試合に勝ったらゴールのヒントをあげちゃう!......いいでしょ?どーせ、お兄さんたちヒント欲しいだろうし♡」
からかうようにニヤニヤ見てくるグリム。
可愛らしい姿をしているのに、どうしてこうも腹立たしいのだろうか。
「ああそうだよ。俺たちはヒントが欲しいんだ。やるなら、さっさとやろうぜ」
「おっ♡お兄さんやる気満々だね~♡……いいよ?じゃ、第1試合、始めよっか」
「じゃあ第一試合!スタート!」
グリムの声とともに機械的な音声が流れ、画面にはルール説明の代わりに問題が映し出された。時計は16:00と表示され、相変わらず女の子の絵は人を煽る表情をしている。
「デデン!問題です。『桜、苺、春、制服から連想される言葉』ってなーんだ?」
「「「ん?」」」
さっそく、意味の分からない問題が出題された。
「おい、ルイ。わかるか?」
「いえ......エレオノーラさんは?」
「ふむ......花見...ではないだろうしな」
どうやらお手上げの様だ。
どうしよう。早速詰んじまった。
三人してうーんと首を傾げていると、エレオノーラの横に座るグリムがピコーンとボタンを押した。
「正解は~『四月』でしょ?」
「ピンポーン、正解です。正解できなかった三人のチョーカーが、一段階閉まります」
機械的な音声とともに、三人のチョーカーが徐々に締まってくる。
「っ!!...チョーカーが締まってきて...!!ぐっ....結構くるし...い」
鈍い圧が首を圧迫し、思わず息が詰まる。
まだ息はできるが、これ以上はまずい。
『死』が着実に近づいているのを感じ、首筋から嫌な汗が伝っていく。
「おい!貴様、答えを知っているのではあるまいな!?」
エレオノーラがキッと睨みつけると、グリムはけらけらと笑いながら、
「これはあんたたちを試す、いわば『テスト』なの♡無理ゲーになんてなってないから、安心して?……今回は、おばさんたちが頭が悪かっただ~け♡……ざぁ~こ♡」
「二度もおばさんと....!!ぶっ殺す!!」
ぎゃあぎゃあと二人が騒ぐ中、ルイがなにか思いつめたように目を閉じぶつぶつと呟いていた。
「......ルイ、なにか気づいたか?」
首をさすりながらルイの方に視線を送り、小声で問いかける。
「いえ、彼女の発言が気になって......彼女は『テスト』だと言いました。つまり、問題の解き方は知識だけじゃなく、なにか法則や判断基準がある可能性があります」
そういうと、ルイは画面やこの部屋全体を見渡し始めた。
なるほど、確かに一理ある。しかし、知識以外ってどうやって......?
ダインも同様に部屋を見渡し考えを巡らせていると、再びアナウンスが流れた。




