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不滅のリーパーキング~死体の山で梯子を作れ。あなたに届く、その日まで~  作者: 柳原ミツキ
第一章

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聖騎士、吊るされる

「一匹そっち行ったぞ!ルイ!......っラァ!!」

サル型のリーパーの首元に短剣を突き刺し、深く押し込む。

悲鳴を上げて崩れる体を確認し、後方へ視線を送ると、ちょうどルイが仕留め終わった所であった。


「やりましたね!ダイン君!」

「サル型はそんなに大したことねぇな!さっ、物資を漁ろうぜ~」

駆け寄ってきたルイと拳を合わせ、物資箱へと向かう。


今回は少し大きめの箱の様だが、中身はどうだろうか......

期待に目を膨らませ、ゆっくりと蓋を開ける。


「にしても、一人味方がいるだけでこんなに楽になるとは思わなかったぜ......おっ、見ろよルイ!紅茶パックがあったぞ!」

ダインは嬉々としてアールグレイと書かれた紅茶パックを見せつけると、


「しばらく飲み物は水だけでしたもんね。......今日のおやつは紅茶とクッキーにしましょうか」

顔を綻ばせたルイが、もう一つの物資箱からクッキーの袋を取り出した。


森へ立ち入って、5時間は経っただろうか。

目印である巨大槍が落ちた地点を目指し、二人は順調に歩を進めていた。

道中いくつか物資箱が目に入ったので、周辺の魔物に奇襲を仕掛け、難なく物資を回収していた。


物資を回収し終わり、戦利品を整理しているとふとあることを思い出した。

「そういえば、さっき面白い物見つけたんだよな......」

どこへやったかとポケットをまさぐると、

「あったあった!......なぁルイー!これなんだと思う?すげえキラキラしてんだけど!」

ルイのもとへ駆け寄り、光る石を見せつけると、ルイはしげしげとそれを見つめた。


「......ダイン君、これどこで見つけたんですか?」

「ああ。さっきの魔物が落としたんだよ。おもしれえだろ?この石、なんか生きてるみてえに点滅するんだよ」


ルイはしばらく石を凝視したのち、何かに気づいたように目を見開いた。

「......!!ダイン君!これ、魔石ではないでしょうか。昔、本で読んだことがあります。稀にこの石を落とす魔物がいる、と」


「ほぇ〜......その魔石って、なんか特別な石なのか?高く売れたり?」

「ええ。もちろん高値で取引されますが、おもな使用法は『魔装の強化』です。...ちょっと剣お借りしますね」


そういうとルイは短剣を受け取り、魔石に近づけた。

すると......

「あれぇ!?は、弾かれた!?」


素っ頓狂な声を上げ、反発した剣と魔石を交互に見やるルイ。

どうやら予想外のことが起きたらしい。

「ん??失敗ってこと......?一応、ルイの弓でもやってみようぜ」

そういって立てかけていた大弓を手に取り、魔石へと近づける。すると....


「......!!石が消えやがった!!」

「やっぱり!!よかったぁ......危うくダイン君に嘘をつくとこでしたよ」

ほっと胸を撫でおろし、安堵のため息をつくルイ。


目の前の光景に息を吞み、ダインは目を輝かせた。

「これが魔装の強化ってやつか!!テンション上がるなぁ!!......ちなみにどう強化されたんだ?」


ダインの問いにポリポリと頬を掻きながら、ルイは口を開いた。

「確か強化の度合いは魔石の純度によるらしく.......まぁ、使ってみるまではなんとも言えませんね......」

肩をすくませ、わからないと正直に答えるルイ。


ダインは肩透かしをくらい、がっくりと肩を落とした。

「わかんねぇのかよ!!......にしても、なんで俺の剣は弾かれたんだろうな」

「そうですね......その剣、魔装じゃないとか?」


せっかくなら、俺の愛刀も強化したかったのだが......

うーん、と二人で首を傾げていると、


「う、うわああああああああああ!!!」

森に悲鳴が響き渡った。


「おい!なんだ今の声!!」

「おそらくあっちの方向ですね......ちょっ!ダイン君!?」

驚くルイを置き去りに、声のする方へと走り出す。


この森で、悲鳴が響くことは少なくない。

しかし、ダインをそこへと駆り立てる要素が、その声にはあった。それは..

.

「明らか、女性の声だったよな......!待ってろ、すぐ行くぜ!!」

「ダイン君ー!!置いていかないでくださいよー!!!」

風になったダインは、木々のざわめきとルイの苦情を置き去りにした......


・・・・・・


「くっ......!殺せ!!貴様、その飢えた獣のような視線をこちらに向けるな!!」


大木につながった紐に足を取られ宙を浮く、哀れな女性をまじまじと観察する。

ホワイトブロンドの髪、そして豊満な胸が、彼女が暴れるたびに揺らめいている。


逆さにつられたことによりスカートが重力に抗えず、日頃懸命に隠している小さな布を周囲に晒してしまっていた。


あまりに綺麗な三角形に、ダインは思わず呟いた。

「......水色のストライプ、か。いいね」

「貴様ぁぁぁぁ!!!ぶっ殺す!!殺す殺す殺す殺す!!!」

言葉の雨に打たれながらも頭上に広がる絶景を目に焼き付けていると、


「ぜぇ、ぜぇ......やっと追いつきました...ってどういう状況ですか!?」

遅れて到着したルイが、罵詈雑言を吐きながら暴れまわる女性を観察するダイン、という異様な光景に思わず声を上げた。


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