第56話
戦いが始まった朝、地面は夜露に濡れていた。
高地の西側を下る敵部隊は、昨日よりずっと増えていた。敵の左翼が前へ出ている。高地の上から砲撃が始まり、右翼の第一線では魔法射撃の光が散った。
俺は軍の指揮所から西を見た。敵が進んでいる畑の向こうに、こちらの主要街道がある。あの道に達されれば、砲弾も飼料も止まる。
斥候からの第一報は早かった。
「右翼が敵と交戦を始めました。敵の左翼に、中央から加わったと思われる部隊がございます」
「どの程度ですか」
「現時点では数を確かめております。旗は増えております」
右翼の指揮官には敵を引きつけるよう命じた。それでも、前線の兵には本物の砲弾が落ちる。俺の策だと知っているのは指揮官たちだけで、倒れた兵にはそんな事情は何の慰めにもならない。
右翼から伝令が着いた。
「陛下、第一線の西寄りが押され、右翼指揮官の判断で予定の第2陣地へ後退を始めました」
「了解しました。隊列を切らさず、後続との連絡を保つよう伝えてください」
伝令が去り、砲兵の指揮官が高地の方を示した。
「敵中央はまだ厚うございます。いま主攻を始めれば、砲と射撃を正面から受けます」
「ええ。もう少し待ちます」
敵は攻めてきた。だが、中央が十分に薄くなったわけではない。
西側では味方の旗が後ろへ移った。最初の予定どおりとはいえ、見ていて気持ちの良いものではなかった。敵の兵はその空いた場所へ進み、砲を前へ引いてくる。遠くで担架が動いているのが見えた。
すぐに負傷者の速報も届いた。
「右翼、負傷者が増えております。収容所へ運び切れていない兵もおります」
「運び込める者を先に。動かせない者には救護兵を回してください。陣地を維持できるかは?」
「まだ維持できます。ただ、右翼の指揮官が1200人の予備を求めております」
「送ってください」
右翼の後ろに配置した1200人が動いた。予定した増援だ。
ところが敵は止まらなかった。
敵の兵が畑の畝を越えるたび、こちらの砲も射撃した。相手の隊列が乱れても、その後ろから別の旗が進む。こちらの右翼は踏みとどまろうとしながら、さらに西寄りの陣地を失った。
「陛下、右翼の指揮官から再度の要請です。増援を受けても敵の前進が止まりません。中央の予備からも援軍をいただきたいとのことです」
俺は地図に目を落とした。
右翼4400人に、すでに1200人を送った。敵の左翼は初めよりずっと多い。中央から動かした兵が加わっている。
「中央の予備1100人のうち、600人を右翼へ。残り500人はその場に待機させてください」
「陛下、中央の後方は薄くなります。中央攻撃の後詰めもその分減りますが、よろしいでしょうか」
「右翼を突破されてからでは、主攻の兵も北へ戻るしかない。今は右翼です」
兵が動くまでの時間が長い。たった600人でも、荷馬車ではないのだから命じた瞬間に着くわけではない。
その間にも右翼から報告が来た。街道の入口に近い畑へ敵兵が集まり始めている。前列の負傷者が増え、右翼の指揮官は自分も馬を下りて隊列を立て直しているらしい。
俺は机の縁をつかんだ。
こんな危険を引き受けさせると決めたのは俺だ。
それでも、いま中央を攻めれば大損害を出して失敗するかもしれない。右翼を助けるために高地へ突っ込み、どちらも失うのが一番まずい。
「陛下、高地の中央から、西側へ部隊が移動しております」
斥候の指揮官が駆け込んだ。
「敵中央の兵がまとまって西へ動いております。南側の予備は、まだ動いていないようです」
「西へ向かったのは?」
「旗と隊列から、およそ3000人。中央の陣地に残る兵は明らかに減りました。敵の左翼へ加わる動きです」
俺は高地を見た。敵があの高さを持っているうちは、こちらが攻めれば有利に射撃できる。それでも、守る人間そのものが少なくなれば事情が変わる。
「中央主攻の指揮官を」
呼ばれた将校は、すぐに地図を見た。
「敵が中央から3000ほどを西へ出しました。こちらは8200で攻めます。残った500の予備は、その後ろへつけてください」
「陛下、敵が後方の予備まで中央高地へ投入した場合、こちらも苦しくなります」
「そこへ着く前に、高地へ上がりたい。砲兵と合わせてください。中央を破ったら、そこで止まらず南側へ出る。敵の左翼と中央の間を断ちます」
将校はうなずき、命令を伝えに向かった。
斜面へ向かう兵の列が見えた。少し離れた場所では、さっき右翼から運ばれた担架が指揮所の後ろを通っていた。
俺は息を吸い、もう一度高地を見た。
行け。
主攻部隊が動くと、砲声の方向が増えた。
高地の北側から王国軍の砲が射撃し、その間を歩兵が前進する。最初は整っていた旗の列が、斜面にかかると少しずつ間隔を変えた。
敵も迎え撃ってきた。
高地の上から魔法射撃が降り、先頭の兵が身を低くして防いだ。隣の隊が前へ出て火力を返し、砲兵が敵の射撃位置へ砲弾を送る。反撃で土が跳ねるたび、味方の旗が一度止まった。
「中央の右寄り、前進が止まりました!」
「左寄りは?」
「斜面を上がっております。敵の前列に入りかけています」
「進める方を先へ出してください。右寄りの隊は射撃を続けて、敵をこちらへ向けさせないように」
山を登るような斜面ではない。それでも、人が射撃を受けながら上がるには十分にきつい。俺の隣では、砲兵の指揮官が着弾の位置を見ながら何度も伝令を送っていた。
高地の敵が一部後退した。
俺の胸が跳ねた。
「中央の前列が敵の陣地に入りました!」
その声のあと、王国軍の旗が丘の稜線に現れた。敵の旗もまだ見える。すぐには決着しない。
「陛下、敵の後方から新しい部隊です。南側に控えていた予備が、高地へ入ろうとしております」
「数は?」
「2000人を超えます。南側で待機していた予備の大部分と思われます」
「中央の隊へ知らせてください。高地に入った部隊は横へ広がり、敵を入れないように」
敵将も手を打ってきた。西へ出した中央の3000人とは別に、南側に残していた予備を高地へ投入しているのだろう。ここで押し戻されれば、中央突破の機会を失う。
さらに西から別の報告が届いた。
「我が軍右翼への敵の攻撃が緩み始めております。先ほど高地から西へ送られた部隊が、向きを変えました」
こちらの右翼を攻めていた敵左翼から、さっき西へ出た約3000人が高地へ引き返そうとしている。
そいつらを戻せば、高地の守備がまた厚くなる。
コンラートにはその動きを見ていてほしいと頼んだ。だが、いまどこまで進んだのか。
確認を命じかけたところへ、別の伝令が入ってきた。
「コンラート殿からです。西から高地へ引き返す敵の隊列の側面へ回っております。敵は前進を止め、護衛を出してこちらを追い払おうとしているとのことです」
「本人は?」
「無事です。接触しているのは敵の後ろ寄りの部隊で、敵の全軍ではございません。騎兵を深く入れすぎないように動かしております」
帰還する隊列の横から何度も撃ちかけられれば、敵も好きな速さでは歩けない。護衛の兵を割き、後方を確かめ、向きを直す。その一つ一つに時間がかかる。
「主攻の指揮官にも知らせていますか」
「主攻指揮官へは別の伝令を出しております。到着の確認はまだ取れておりません。右翼指揮官へも別便を送ったとのことです」
前にゲオルクから、進路を変えたあとの連絡が遅いと叱られたことを思い出した。今度は相手ごとに伝令を分けている。ただ、中央へ届いたかどうかは、まだ分からない。
「中央へ伝えてください。西から戻る敵の一隊は足を止めています。北側の斜面をもう一段押し上げられるなら、今です」
その間にも、高地の上で敵と味方の旗が交差していた。前へ出た味方の隊列が崩れかけ、後続が穴を埋める。攻撃の先頭にいた兵が肩を貸されて下がってくる。遠いのに、俺にはその姿ばかりが目に入った。
「敵の南側の予備が高地へ入りました!」
歓声になりかけた声が止まった。
敵の動きは速かった。斜面の南側で新しい旗が増え、王国軍の先頭が押し戻される。
「中央主攻の指揮官からです。南側の敵を受け止めていますが、右翼寄りの隊で損害が増えております」
「こちらの左翼は、敵右翼を抑えられていますか」
「はい。東側で敵を引きつけております。大きな転進はありません」
俺は高地を見た。右翼は西で耐え、左翼は東で敵を引きとめる。中央の兵が、敵の予備を受け止めている。
あと少しだ。
「中央の隊へ。高地を抜けた部隊は、南へ向かって敵の連絡を遮ってください。高地の頂上だけを守る必要はありません」
伝令が走る。
丘の向こう、南側でまた新しい王国軍の旗が立った。
高地の南側へ出た王国軍の兵が、敵の隊列に横から撃ちかけた。
北の斜面を登った隊だけではない。中央の後続が高地を越えて進み、敵が右翼の攻撃へ送った部隊の後ろへ回り込もうとしている。
「敵中央が南へ下がっております! 西側の敵との連絡が切れかけています」
「中央の西寄りの隊を、そのまま前へ。右翼にも、敵が引き返し始めたと伝えてください。陣地を立て直したら、反撃です」
俺の周囲で将校たちの声が重なった。
「陛下、敵は中央の砲を下げようとしております」
「砲を引く馬は?」
「何頭か失われ、置き去りになった砲がございます」
「追撃の部隊に知らせてください。敵の砲を奪おうとして隊列を崩す必要はありません。退く敵軍に圧力をかけ続けてください」
西側で、右翼の旗が前へ動いた。
さっきまで押されていた兵たちだ。1200人の予備を受け、さらに600人を加えた右翼が陣地を出て敵を押し戻す。損害は大きい。だからこそ、中央から来た部隊と挟む形を作らなければ、また撃ち合いになる。
敵将も気づいたのだろう。高地から西へ下りた部隊の一部が、次々と南へ向きを変えた。戦列を整えて退こうとする。しかし西の後方と中央の間を往復した部隊は隊形が乱れており、コンラートの騎兵がそこへまた姿を見せた。
「敵が護衛を増やしました。コンラート殿は一度引いて、別の位置から射撃しております。負傷者が出たため、全隊をまとめずに後送させているとのことです」
「追いすぎるなと伝えてください。役目はもう十分果たしています」
「承知いたしました」
あいつなら勝てそうに見えたときほど前へ出たがる。そう思った直後、今はあいつも昔のままではないと気づいた。負傷者を先に下げ、部隊を引き直している。
高地の向こうから、王国軍の中央部隊が西へ走るように進み始めた。敵左翼の退路へ向かう。砲撃が重なり、敵の旗が一本、また一本と下がる。
やがて、右翼の指揮官から新しい報告が届いた。
「陛下、敵左翼の一部が降伏を求めております。退路を失った隊が、武器を下ろし始めました」
思わず聞き返した。
「一部とは、どのくらいですか」
「まだ確認中ですが、1000人を超える見込みです。降伏を求めた兵がさらに続いております」
胸の奥が一気に熱くなった。
来た。
高地を取り返しただけなら、敵はまた明日戦えたはずだ。だが、まとまった兵が降伏するなら違う。あの軍は、もう同じ人数でこちらの前へ戻ってはこられない。
「武装解除を確認して、捕虜を保護してください。降伏した者を追い撃ちしないよう、各隊へ伝えてください」
「はい!」
砲声がまだ止まっていない向こうで、味方の喊声が聞こえた。
さらに南側へ退く敵軍の旗が見え始めた。
「敵中央の指揮官が後退命令を出した模様です! 南へ軍をまとめ直しております」
「追撃はどこまで行けますか」
騎兵指揮官が答えた。
「歩兵の後続がまだ丘を越えております。騎兵のみで敵の整った後衛に突撃すれば、こちらの損害が増えます。街道の出口までは監視と追撃を続けられますが、その先は主力の到着を待ちたいと存じます」
「それでいきましょう。捕虜を収容し、敵が戻ってこないか確かめる。深追いはしません」
敵の後衛は何度も立ち止まって射撃し、退く兵を守っている。あれだけの数を失わせても、敵将は残った兵を連れて帰ろうとしている。
それでも、街道を塞いでいた軍は南へ下がっていく。
「陛下、中央街道の敵陣地から最後の守備隊が退きました。北からの道をこちらで保持しております」
今度こそ、俺は声を上げた。
「よし!」
将校が何人か、つられて顔を上げた。
俺は笑っていた。
笑うぐらい、いいだろう。今ぐらいは。
高地へ上がると、下で聞いていた歓声がずっと大きく聞こえた。
兵たちは疲れ切っていた。剣を膝に置いたまま座り込んでいる者もいれば、血の付いた上着を押さえて歩く者もいる。傍らでは、救護兵が担架を運んでいた。
それでも俺の姿を見つけた兵士が声を上げると、周囲から次々に歓声が広がった。
「陛下!」
「勝ちました!」
「みんな、よくやってくれた!」
自分の声が思った以上に大きかった。兵士が笑い、また声を上げる。隣にいた将校まで笑っていた。
俺も嬉しかった。
高地の向こうには、南へ退く敵軍の最後尾が小さく見える。朝にはこちらへ迫っていた相手だ。いまは大砲を何門も残し、降伏した兵をこちらへ渡して逃げていく。
「陛下。ここまで来たなら、一つお伝えしてよろしいでしょうか」
砲兵の指揮官が近づいた。
「なんでしょう」
「最初に高地を下ろされたときは、正直に申し上げて、もったいないと考えておりました。ですが、敵が西へ兵を送ったあと、我々の砲が撃てる位置にその中央が現れました。砲の位置を変えた意味は、撃ち始めてから分かりました」
「あなたが嫌がっても、位置を変えてもらってよかった」
「嫌がったのではございません。……少し、強く申し上げただけです」
「それを嫌がったと言うのでは」
周囲で笑いが起きた。本人も口元を隠しきれていなかった。
そこへコンラートが戻ってきた。
軍靴にも上着にも泥が付いている。頬の傷は朝よりひどく見えたが、新しい血ではなさそうだった。
「陛下。敵の後ろへ出るのは、思ったより面倒でした」
「お前が面倒だと言うなら、よほどだったんだろうな」
「こっちの兵が前へ出ると、あちらも護衛を出してくるんですよ。隊列の先頭だけ止めれば済むと思ったら、横から追ってくる騎兵までいました」
「当たり前だ。戦場で待っていてくれるのは、訓練の相手ぐらいだろ」
「陛下は訓練でも待ってくれませんでしたけどね」
「お前の方が先に仕掛けてきただろ」
コンラートが笑った。
「ですが、中央から味方の旗が上がったときは助かりました。あれで敵の目が一斉にそちらへ向いたので」
「こちらも、お前が西の連絡を乱してくれたから間に合った。助かったよ」
「……それ、もう一度言ってもらっていいですか」
「一度で十分だろ」
「覚えておきたかったんですが」
「忘れるなよ」
笑いながら言い返すと、コンラートは満足そうにうなずいた。昔と同じように言い合っても、今はあいつが本当に何百人もの兵を率いて戻ってくる。変な感じだ。
ところが、その後に届いた紙を見て、さっきまでの気分が少し変わった。
「右翼の損害報告です。確認済みの戦死者だけで、すでに200人を超えております。負傷者の収容は継続中です」
紙を受け取り、指が止まった。
右翼の指揮官には、敵を引きつけろと命じた。敵の左翼が強く攻めてくることも分かっていた。それでも、あの兵たちをそこへ置いたのは俺だ。
あのとき予備を出さず、もう少し待っていたら。そう考えかけて、首を振った。待った結果が良かったかどうか、今の俺には分からない。
「負傷者を後ろへ運ぶ馬車は足りていますか」
「不足が出始めています。捕虜の移送にも荷車を求められております」
「捕虜の移送より、いま治療を要する負傷者を優先してください。ただし、捕虜の中の重傷者も一緒に扱ってください。必要なら歩ける捕虜を警備兵の管理下に置いて、荷車を空けます」
「承知いたしました」
コンラートもさっきの笑いを引っ込め、紙の数を見ていた。
「うちも何人か運ばせました。軽傷で済んだ者もいますが、まだ戻っていない兵がいます」
「名前は分かってるか」
「分かっている者はいます。確認できない者については、今も探しています」
「見つかるといいな」
口から出たのは、それだけだった。
それからしばらく、二人とも何も言わずにいた。高地の下では、まだ兵たちの声が続いていた。
会戦から3日後、現地で確かめた戦果と各隊の報告を突き合わせ、ようやく数字が揃い始めた。
味方の会戦参加兵力は1万9200人。戦死が約420人、負傷が約1480人、まだ所属隊へ戻らない者が約100人。どれも集計中ではあるが、合わせれば約2000人が戦列から離れたことになる。
敵については、収容した捕虜が約3000人。戦死者は約1000人、敵が後送したとみられる負傷者は約2000人、部隊から離散した者は約1000人と推計された。捕虜となった負傷者は捕虜の欄に含め、負傷者の推計には重ねていない。合わせると、損失はおよそ7000人前後になる。
敵軍の名簿を手に入れたわけではない。戦死者や離散した兵の推計は今後も変わるだろう。それでも、約2万人ほどで出てきた敵軍が、もとの戦力を保っていないことは疑いなかった。
「捕虜の人数と、砲の回収状況は確かですか」
「捕虜は現時点の収容簿と照合しております。敵の砲は9門を確認し、修理が必要なものもございます。ほかに置き去りの荷車がございますが、内容はまだ調べております」
9門。
地図には、会戦まで敵が陣を置いていた場所が示されていた。今はそこを、こちらの斥候と荷車が通っている。
「中央街道の先へ、どこまで進めますか」
「敵の後衛がまだ南におります。明日から先遣の監視を広げられますが、主力の砲と荷は後続を待つ必要がございます」
「分かりました。無理には進めません。後方の輸送と歩調を合わせてください」
指揮官が下がったあと、俺はもう一度損害の紙を見た。
420。
あの朝、まだ生きていた兵たちだ。俺が右翼を薄く置き、高地を渡して敵を誘った。中央への主攻を命じた。どの命令にも、こうなる可能性はあった。
大勝利なのに、こんなに死んだのか。
その気持ちは、どうしても消えなかった。
けれど同じ机の上には、敵の砲と捕虜の報告がある。南へ退いた軍がすぐには戻れないことも、ハーゲンフェルトへの道を開いたことも、本当だった。
嬉しくないわけがない。
夕方、部隊の方からまた勝利を祝う声が聞こえた。俺は椅子から立ち上がり、幕舎の外へ出た。
兵たちの顔を見れば、会戦の高地で聞いたあの声が戻ってくる。
勝った。
その喜びを、今は隠したくなかった。
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