第43話
春になって、王宮へ持ち込まれる紙の束にも少し変化が出た。
冬のあいだに滞っていた工事や輸送の相談が増え、王都からは道路や排水の修繕予定が上がってくる。その中に、カスパルが別にまとめた薄い束があった。
「人口関係の記録を集めるため、王都の救貧側にも照会していました。その中で、孤児養育施設から補助の増額を求める要請が出ています」
「何か所からですか」
「主要なものが4か所です。いずれも教会か、教会に関係する慈善団体が運営しています」
俺は最初の紙を取った。
食料費。薪。寝具。屋根の補修。子供の世話をする者の給金。別の紙には教師を増やしたいとある。
「今までは、どこから出していたんですか」
「教会側の収入、寄進、遺贈、町からの補助です。足りない年には、救貧費から一時的に出すこともあります」
「では、今回もそこから出せば済む話では?」
カスパルは首を横に振った。
「1度だけなら、それで処理できます。今回は4施設とも、来年以降も同じような不足が見込まれています。毎年国庫から補助するのであれば、一時的な救済ではなくなります」
なるほど。
金額だけを見れば、俺のところまで上げるほどでもないものが混じっている。それでも、今後ずっと国が払うとなれば話は別だ。
「4か所で、子供は何人いますか」
「今いる者だけで、およそ300人です」
「年齢はどのくらいですか」
「幼児から、奉公へ出る前の年齢までです」
隣にいたケラーが、別の紙を机へ置いた。
「入所した日と退所先まで残している施設があります。一方で、その年に養った人数と支出しか残していないところもあります。死亡についても、人数だけの記録と、年齢や病状まで残している記録が混在しています」
俺は何枚かめくった。
子供が入って、出ていく。その間に、死んだ子供の記録もある。
「一番余裕があるところと、一番苦しいところを見たいです」
カスパルが少し考えてから頷いた。
「手配します」
「できれば、普段どおりのところを見たいです。私が行くからといって、余計なことをさせないでください」
「先方にはそのように伝えます」
数日後、俺は王都にある古い教会施設の1つへ向かった。
石造りの建物は新しくはなかったが、入口の扉も窓枠も手入れされていた。中庭には洗った布が干され、端では年長の子供が薪を積んでいる。
案内した聖職者は、俺が寝室を見たいと言うと少し驚いた顔をしたが、すぐに先へ立った。
寝台が並んでいる。
王宮の部屋と比べるものではないが、子供1人に1つずつ寝る場所があった。奥には小さな部屋があり、熱を出した子供を一時的に移すという。
「医師は来るのですか」
「重い時には呼びます。近くの医師が、代金を抑えて診てくださっています」
食堂では、ちょうど昼の片付けが始まっていた。
大きな鍋が運ばれ、年長の子供が木の椀を重ねている。別の部屋では10数人が机について文字を書いていた。
「全員に教えているのですか」
「年齢と仕事に合わせています。小さい子は長く座っていられませんし、年長の子は炊事や洗濯を手伝う時間もあります。それでも、自分の名前を書けることと、簡単な文章を読むこと、買い物で困らない程度の計算は覚えさせるようにしています」
壁際には、名前と年齢らしいものが並んだ帳面が積まれていた。
「ここへ入れる子供には、決まりがあるのですか」
「あります。両親を亡くし、引き取れる親族もいない子が優先です。親族がいても、病気や困窮で実際には養えない場合がありますので、そこは教区の者が確認します」
「親が1人でも生きていれば、入れない?」
「必ずしもそうではありません。母親が長く病んでいる、父親が行方不明で戻る見込みがない、といった事情なら預かることがあります。ただ、空きがなければ、教会から食料を出して親族宅で見てもらうこともあります」
「ここを出た子供は、どこへ行くことが多いのですか」
「多くは奉公か徒弟です。商家へ行く子もいます。女の子なら使用人や縫い仕事へ進むことが多いですね」
聖職者は、廊下の先で立ち止まった。
「食べさせて寝かせるだけなら、もう少し人数を増やせるかもしれません。しかし、それだけではここを出た後に困ります。長く置きすぎても自立が遅れますし、早く奉公へ出して続かず、ここへ戻ってくる子もいます」
俺は頷いた。
その日の午後、別の施設へ向かった。
こちらは川に近い古い街区にあった。
建物は古いが、入口は掃かれ、床にも拭いた跡が残っていた。女が濡れた布を絞り、廊下の端には掃除用の桶が置かれている。
最初の施設との違いは、寝室へ入るとすぐに分かった。
寝室には寝台が詰めて置かれ、通る隙間が狭い。小さな子供が使う寝台の一部には、昼間使わない毛布が重ねてあった。
「冬は、この部屋を暖めるのですか」
「はい。夜通し十分に焚ける日ばかりではありません」
案内していた施設の責任者が答えた。
「薪代がかかるからですか」
「それもあります。古い建物ですので、暖めても逃げます。去年は窓を3枚直しましたが、全部を直すところまではできませんでした」
奥へ行くと、扉の前で女性が腰掛けていた。
中には2人の子供が寝ている。
「熱があります」
「ここが病気の子の部屋ですか」
「本来は物置でした。今は空けています。ただ、3人以上になると入りません」
食事も見た。
大鍋から薄いスープがよそわれ、パンが配られていた。子供たちは、俺が来たから急に黙り込むようなこともなく、隣の椀を覗いて何か言い合っている。
廊下では、小さな子を抱いた女性が別の子に靴を履かせていた。
その向こうで桶の倒れる音がした。
女性が顔を上げる。抱かれていた子が離れまいとして首へ腕を回したため、すぐには動けない。別の年長児が先に駆けていき、床へ広がった水を布で押さえ始めた。
責任者もそちらを見たが、俺たちの案内を途中で放り出すわけにもいかない。
しばらくして、奥から別の女性が出てきた。さっき病室の前にいた女性だった。
「そちらは大丈夫です。私がやります」
そう言って水の始末に加わる。
ほんの数分のことだ。
それでも、誰かが病人につけば、別の場所から手が減るという話は見れば分かった。
「補助が増えたら、何に使いたいですか」
俺は責任者に聞いた。
少し考えるのかと思ったが、答えは早かった。
「人を1人増やしたいです」
「建物の修繕より、人を増やす方が先ですか」
「修繕も必要です。ただ、子供が病気になると、誰か1人はそちらへ付きます。そうすると、他の子供を見る者が足りなくなります。夜も同じです」
なるほど。
俺は建物ばかり見ていた。
「補助要請には、教師も増やしたいと書かれていました」
「はい。ただ、まず日々の世話です。今は教える者も、午前は別の仕事をしています」
その教える者がいる部屋へ案内された。
机は6つ。子供は9人。
2人ずつ座っている机もある。
壁には何度も使ったらしい文字表が掛かっていた。紙を惜しむためか、板に書いて消せるようにしたものもある。年下の子供が声を揃えて文字を読み、その横で少し大きな子が掛け算をしていた。
教師は全員へ同じことをさせてはいなかった。
1人の間違いを直している間に、別の子には前の続きをさせる。質問が重なると、年長の子が小さい子へ教えていた。
俺たちが入る前から、さらに年長の子供が紙を見ながら何かを書いていた。授業中ではないらしい。
「何をしているんですか」
教師役の男が答えた。
「今日届いた薪と粉の数を書き写させています。字の練習になりますので」
紙を見せてもらう。
受取数と、横に足した合計がある。
俺が見ている横で、1人の少年が教師の袖を引いた。
「先生、ここ、違うよ」
男が紙を取る。
「どこだ」
少年が数字を指した。
俺も横から見た。
確かに、足し算が合っていない。
教師は少し笑った。
「また見つけたか」
「計算は得意だからね」
「その勢いで字の練習もしてくれればな」
「それは、ちょっと、話が違う」
そのやり取りに、周りの子供が笑った。
俺も少し笑った。
少年は俺が見ていることに気づくと、急に口を閉じた。
「計算は好きですか」
「……はい、陛下」
さっきまでの勢いが消えている。
無理もない。
「いつから習っているんですか」
「ここに来てから……です」
教師に視線を移した。
「この子は何歳ですか」
「12歳です」
「この先はどうする予定ですか」
「夏までに奉公先を探します。帳場仕事のある商家を探せればと思っています」
悪い話ではない。
むしろ、読み書きと計算を覚えた子供なら、かなり良い方なのかもしれない。
「もう少し学校で学ばせることはできませんか」
教師は少年を1度見てから答えた。
「この施設の中で教えられる範囲なら続けられます。上の学校へ通わせるとなると、授業料のほかに本や衣服も要ります。働き始める時期も遅れますので、今の費用では難しいです」
この国で学校と呼ばれるものは1つではない。
教会で週に何度か文字を習う子もいれば、町や家業の中で必要な読み書きや計算を覚える子もいる。王都にはさらに学問を続ける者が通う場所もあるが、前世の学校のように、同じ年齢の子供が毎日そろって通うのが普通というわけではなかった。
当然、その先へ進むほど授業料や本代が要る。働き始める年齢を遅らせるなら、その間の生活費も必要になる。
少年は黙っていた。
自分の話をされているのは分かっているだろう。
「本人はどうしたい?」
聞いてから、少し聞き方が悪かったかと思った。
12歳に、奉公と学校のどちらがよいかと聞いても、どちらを選べば何が起きるのか十分には分からない。
少年はしばらく迷ってから言った。
「勉強は、嫌いじゃないです」
それだけだった。
帰る前に、俺は責任者へもう1つ聞いた。
「ここへ入れたくても、入れられなかった子供はいますか」
「います」
今度の返事も早かった。
「空きがない時は、親族へ頼めないか探します。別の教会施設へ相談することもあります。町の救貧側が食料を出して、その家で何とか暮らせることもあります」
「それでも決まらない時は?」
責任者は少し間を置いた。
「あります。遠い親族の家を何度か移る子もいます。短い奉公へ入って、続かず戻る子もいます。教会で数日預かって、その間に次を探すこともあります」
「その人数は分かりますか」
「ここへ相談に来た分なら帳面があります」
「では、その帳面を確認させてください」
帳面を確認した後、王宮へ戻った。
翌日、王都の救貧担当者に、教会4施設だけではなく、親族や奉公先へ回した後も安定した行き先が決まらなかった子供の記録を集めてもらった。
数日で集まった記録だけでも、同じ名前が別の帳面に何度か出てくる例があった。
母親を亡くし、父親の所在が分からず、叔母の家へ預けられた後にその家も困窮した子。
教会施設が満員で、町から食料を受けながら遠縁の家へ移ったが、そこにも長くはいられなかった子。
奉公へ出たものの、年齢が幼すぎて戻された子。
誰かが見捨てたというより、どこも自分のところで長く抱えられなかった。
既存の仕組みの間を移るうちに、子供の暮らす場所そのものが安定しなくなる。
教会への補助で受け入れられる子供は増やせる。
そのうえで、安定した行き先のない子供を受け止める場所が要る。
俺はヨアヒム先生に来てもらった。
先生と最初に会ってから、もう10年以上になる。
当時から白髪の混じっていた暗褐色の髪は、今では白い部分の方がずっと目についた。目元と頬の皺も深くなったが、細身の身体とまっすぐな背筋は変わっていない。
歴史や地理、法や古典を教わった教師であり、成人後も教育の話をするときに何度も相談してきた相手でもある。
久しぶりに向かい合って座ると、教わる側だった頃の癖で、少しだけ背筋が伸びる。
「孤児院で、計算が得意な子を見ました」
「そうですか」
「12歳で、今年には奉公へ出るそうです。悪い進路ではありません。でも、もう少し勉強させたらどうなるのかを試す前に終わるのは、もったいないと思いました」
先生はすぐには答えなかった。
俺は続けた。
「それと、教会の施設へ入れず、親族や奉公先を移っている子もいます。教会への補助は出したい。でも、それだけで最後まで行き先が決まらない子が残ります」
「国で預かる場所を作るおつもりですか」
「はい。教会には補助を続けます。そのうえで、行き先が決まらない子供を国で引き受ける場所を作りたいです」
口にしてみると、考えていたものが少し形になった。
先生は頷いた。
「そこで、どんな子に育てたいのですか」
「まずは、自分で暮らしていけるところまでです。食べさせて、寝かせて、病気になれば診てもらう。読み書きと計算を教えて、年齢が上がれば仕事につながることも覚えさせる」
最初に見た教会施設でも、そこまでは考えていた。
「それと、得意なものを見つけたいです。計算に強い、文章を読むのが早い、手先が器用、魔法に向いている。そういう違いが分かれば、伸ばせる子はもう少し先まで学ばせられる。役所や測量、会計、教師に進む人間が出れば、国にとっても大きいです」
ヨアヒム先生はしばらく考えた。
「それなら、先に選抜方法を決めるより、子供たちがいろいろなことを試せるようにした方がよいでしょう」
「いろいろなこと?」
「文字を書く。文章を読む。数を扱う。長さを測る。簡単な図を写す。道具を使う。年下の子へ覚えたことを教える。年齢に応じて経験を増やしていけば、同じ授業だけを続けるより、その子が得意なことを見つけやすくなります」
確かに、計算しかさせなければ、計算の得意な子しか見つからない。
「教師には、その時の様子も記録してもらった方がいいですか」
「ええ。できた、できなかっただけではなく、どこでつまずいたか、教えた後にどう変わったかも残せるとよいですね。半年、1年と見れば、その子が何を覚えやすいかも分かってきます」
「その記録を見て、次の進路を決める?」
「記録は材料になります。算術がよく伸びた子なら、その先を教えられる教師に見てもらう。手仕事が得意なら、職人の仕事へつなぐ。魔法なら、今ある検査や教育の経路へ送る。進む先ごとに、その分野を知る者へ見てもらえばよいでしょう」
「上の学校だけじゃなくて、職人や商家へ進む道も含めて見るわけですね」
「はい。学び方も、その先の仕事も1つではありません」
俺は机の上の紙へ目を落とした。
「国の施設では、それを最初からやってみたいです。教会の施設にも使えるなら、同じ記録の仕方を渡す。そこから将来の職業に繋がるところまで、見ていきたい」
「では、教える者にもその見方を覚えてもらう必要がありますね」
教師を置くだけでは足りないらしい。
何を教えるかだけではなく、何を見て、何を残すかまで決める必要がある。
数日後、カスパルと王都の救貧担当者、教会側の代表者、それにヨアヒム先生を交えて方針を詰めた。
教会の主要4施設には、これまでどおり運営を任せる。
その代わり、食料、薪、寝具、養育人員、医療、必要な小修繕、基礎教育への継続補助として、年間5000ターラーを当面の枠にする。
配分は4等分にはしない。
人数も建物も、今持っている寄進財産も違う。
救貧担当者が、4施設から出された要請額を順に読み上げた。食料を多く求めるところもあれば、修繕を急ぐところもある。最初に見た施設は、他より補助要求が少なかった。
読み上げが終わると、カスパルが続けた。
「要請額をそのまま出すのではありません。寄進財産と町からの補助、現在の支出を確認した上で、子供の生活を維持するために不足している分を出します。修繕のように1度で終わる費用と、人員や食料のように毎年かかる費用も分けます」
俺は頷いた。
「もう1つです」
机の上へ、救貧側に集めてもらった帳面の写しを置いた。
「教会施設にも親族にも、安定して置けない子供を国で預かる場所を作ります」
教会側の代表者がこちらを見た。
「新しい孤児院を、国が運営するということでしょうか」
「そうです。親族や教会で暮らせる子はそこで支えてもらい、それでも行き先が決まらない子供を受け入れます」
カスパルが帳面へ目を落とした。
「教会への補助とは別に、建物の改修費と当面の運営費を見積もります。王都内の国有建物を転用すれば、40人前後を預かれる規模で始められます。候補を調べます」
「それで進めてください」
「運営する人間はどうしますか」
「役所の書記だけ置いても子供は育てられません。教会側にも、人を紹介してもらえませんか」
代表者は少し考えた。
「養育に長く携わった者なら、何人か心当たりがあります。教会を離れる者だけでなく、一定期間国の施設へ手伝いに出せる者もいるでしょう」
「お願いします」
教会で養育に携わってきた者を中心に、国の施設の運営体制を組む話がまとまった。
教会側の代表者が、手元の紙をめくった。
「国から継続して補助をいただけるのであれば、大変ありがたいことです。ただ、補助を受ける施設について、教育や日々の運営まで王都の役所が決めるのでしょうか」
俺は答えた。
「礼拝や日々の細かな運営は、それぞれの施設で決めてください。国庫から補助する以上、何人を養っているのか、何に使ったのかは記録してもらいます」
代表者が頷く。
「それから、入所と退所、亡くなった子供の年齢と分かる範囲の病状も残してほしいです」
「死亡についても、年齢や病状まで記録するということでしょうか」
「はい。食事や暖房、人の数を増やすことで、亡くなる子を減らせるか確認したいので」
国が直接作る施設でも、同じ記録を取る。
入所した理由も残す。
親族へ戻れたのか、奉公へ出たのか、別の教育へ進んだのかも、分かる範囲で追う。
基礎教育は読み書きと算術を中心にし、年齢に応じて、数量を扱う仕事、簡単な計測、図を写す作業、手仕事などにも触れさせる。
教師には、何ができたかだけでなく、教えた後にどう変わったかも記録してもらう。
補助を受ける教会施設にも、子供が何を学び、どこでつまずき、どんな仕事へ進んだかを同じように残してもらうことにした。
視察で会った12歳の少年については、教会の教師が算術の課題と帳簿の手伝いを少し増やし、その様子を記録する。何か月か続けた後で、ヨアヒム先生にも見てもらうことになった。
数か月分の記録がたまったところで、ヨアヒム先生が実際の課題と帳簿を見て、次に何を教えるかを決める。
そこから国の施設が開くまでには、少し時間がかかった。
使える国有建物を選び、傷んだところを直し、寝台を入れ、炊事場を整える。
教会側から紹介された経験者を中心に、子供の世話をする者を集める。帳簿を付ける書記と、読み書きや算術を教える者も置いた。
夏が近づく頃、最初の子供たちが入った。
開設時に入ったのは、まず十数人だった。
親族へ戻れた子もいれば、教会施設に空きができてそちらへ入った子もいる。国の施設には、最後まで安定した行き先が決まらなかった子供たちが残った。
玄関で泣いている幼い子がいた。
寝台を選ぶだけで迷っている子もいる。
年長の子供は、役人が持ってきた荷物の数を黙って見ていた。
教室として使う部屋では、まだ新しい板と古い机が混ざっている。
教師が最初の文字を書くと、前の席の子がそれを真似して自分の板へ書いた。
線は大きく曲がった。
教師が隣に同じ文字を書いて見せる。
子供は見比べてから、もう1度書いた。
今度は、最初より少しまっすぐだった。
国が育てる最初の子供たちの1日は、そんなふうに始まった。




