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ある転生王の一代記  作者: アレグリア
第3章 若き王の国づくり

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第36話

春のヴァイスブルクは、冬より汚れて見える時期がある。


雪と霜が消えれば、きれいな石畳だけが出てくるわけではない。冬の間に踏み固められた泥、馬の落としたもの、藁、道の端へ寄せられていたごみまで一緒に顔を出す。日が高くなると、屋根や日陰に残った雪解け水が細い流れになって側溝へ落ちていった。


そんな頃、ケラーがヴァイスブルクの地区別記録を持ってきた。


「こちらの2地区です」


地図の上へ、何年分かの記録が置かれる。


戸口、埋葬、穀物価格、収穫、病気について残っている記録。王国全体を眺めた時にも使った種類のものだが、今回はヴァイスブルクの中だけに絞ってあった。


「戸口の数は?」


「年ごとの増減はありますが、片方だけ人口が大きく増えた時期を比べているわけではありません。記録の区分も、確認できる範囲では途中で大きく変わっておりません」


「穀物価格は同じ市場?」


「はい。家ごとの所得や食事まで同じとは申せませんが、同じ価格変動の影響を受ける範囲です」


俺は2地区の記録を見比べた。


片方では、何度か「腹の病」と書かれた記録がまとまって増え、その時期には埋葬も増えている。もう片方にも同じ言葉は出てくるが、増え方は同じではない。


同じ町の中で、食料事情も大きく離れていない。それでも差がある。


もちろん、それだけで原因が分かるわけではない。


俺は「腹の病」の欄を指で叩いた。


「これ、同じ病気として数えていいのか?」


ケラーは首を横に振った。


「そこまでは判断できません。記録した者も同じではありませんし、私は医師ではありません」


「医師の側から、この記録を読める人を呼べる?」


「手配いたします。王都内の診療と、こうした地区報告の両方を見ている者を探します」


「頼む」



もう一度、2地区の地図を見る。


腹の病が増える理由なら、食べ物もある。家の中で広がる病気もある。飲み水や、仕事場で触れるものが原因のこともある。今の資料だけで一つに決めるのは無理だ。


ただ、片方の地区で何度かまとまって増えているなら、地区ごとに共通して使うものや、場所ごとに違う環境は見ておきたい。


前世では、激しい下痢を起こす病気の中に、人の便で汚れた水や食べ物から広がるものがあることくらいは知っている。全部の「腹の病」がそうだとは思わないが、共同井戸と排水、便槽の位置関係は候補から外せない。


「ケラー。この2地区の共同井戸と側溝、暗渠、便槽の位置を、一枚の地図に重ねられるか」


ケラーが地図を見た。


「できます。ただ、全部は拾えません。水場は記録があります。側溝と暗渠は道路側、便槽は家主や地区側の記録が中心ですので、位置が残っていない家もあります」


「分かる範囲でいい。雨の後に水が溢れた場所や、暗渠が詰まった記録も、場所が分かるものは入れてくれ」


「承知しました」


数日後、マティアス・ヴェーバーという医師が王宮へ来た。


王都で長く診療し、病人が増えた時には地区から上がる報告も見てきた人物だと聞いている。


俺が調べている理由を簡単に話すと、ヴェーバーはケラーの資料をしばらく読んだ。


「この『腹の病』という言葉ですが、病名というより、腹痛や下痢が目立つ者をまとめて呼んでいる表現だと思われます」


「同じ病気とは限らない?」


「分かりません。同じ病でも出方は違いますし、似た症状を出す別の病もあります。この記録だけで病名を分けることはできません」


「古い記録からでも分かることは?」


「主な症状と、同じ家や近所で続いたかどうか。その程度です。それ以上に細かく分けても、記録の書き方が揃っておりません」


それで十分だった。


病名を決めたいわけではない。片方の地区で、腹の症状を訴える人間が何度かまとまって増えている。そのまとまり方に何か共通点があるかを見たい。


「同じ家で続いたのか、近所の別の家にも出たのか。そのくらいは追える?」


ヴェーバーは記録をめくった。


「書き足しが残っているものなら。家が分かる記録もあります」


「普段使う水場までは?」


「診療記録には普通、そこまでは書きません。ただ、家が分かれば、後から確かめられる場合はあります」


「分かった」


ちょうどその時、ケラーが頼んでいた地区図を広げた。


共同井戸には丸印。開いた側溝は実線。蓋のある暗渠は破線。位置が確認できた便槽は、家の裏手に小さな四角で入っている。


全部の家が揃っているわけではない。


それでも、別々の帳簿を机の上で見比べるより、位置関係はずっと分かりやすかった。


ヴェーバーが読める範囲で、腹の病が記録された家も印を付けていく。


印がいくつか集まった一角の近くに、共同井戸があった。


その上手には古い家並みがあり、裏手には便槽の印が並んでいる。側溝は井戸の脇を通り、その先で暗渠へ入っていた。


俺には気になる並びに見えた。


「この井戸から見たい」


俺は地図を指した。


「実際にこの辺りの家が使っているのか。それから、上の便槽や排水から、雨の時に水がどう流れるのか」


ヴェーバーも地図を見た。


「分かりました。現地なら、記録だけでは分からないことも確認できます」


「頼む。原因を決めに行くんじゃない。水と汚物が近づく経路が本当にあるかを見たい」


「承知しました」


現場で見る順番は決まった。


まず共同井戸。


その上手の家並み。


便槽と排水。


それから、雨が降った時に水がどこへ流れるか。


次は現場を見ることにした。


*


春の街へ出たのは、その数日後だった。


対象にしたのは、ヴァイスブルクの中でも古い家と新しい家が混じる地区だった。職人の工房、小さな商店、住居が同じ通りに並んでいる。


俺とルーカス、ケラー、ヴェーバー、それに護衛が数人。


現地で待っていたのが、ヨハン・ブレーマーだった。


王都の道路、橋、公共水場、排水路など、今で言えば都市の土木や公共施設をまとめて見てきた実務官だと事前に聞いている。


「陛下。図にある共同井戸はこちらです」


通りが少し広がった場所に、腰ほどの高さまで石を積んだ井戸があった。


上には木の巻き上げ枠が渡され、縄の先の桶を下ろして水を汲む。井戸の周囲は平たい石で舗装され、こぼれた水が片側へ流れるよう、わずかに傾斜が付いている。その先に細い石溝があり、道路脇の側溝へつながっていた。


朝なので人が多い。


使用人らしい女性が大きな桶へ水を移し、工房の若い男が壺を抱えて順番を待っている。子ども用らしい小さな桶もあった。


俺たちが近づくと、当然ながら手が止まった。


……やっぱり国王が来ると普段どおりにはならない。


「作業はそのままで構わない」


完全に元へ戻るわけではないが、少しずつ水汲みが再開された。


ちょうど上がってきた桶を覗く。


底が見えるくらいには澄んでいる。変な臭いもしない。


ブレーマーが言った。


「この井戸は冬の間も使われています。雪解け前に周囲の泥をさらい、排水口も確認しています。今朝だけ特別に掃除させたわけではございません」


「分かった。井戸そのものより、周りから見たい」


ブレーマーが先に立った。


井戸の敷石から出た細い溝は、通りの側溝へ落ちる。そこへ家々から出る洗い水なども入り、さらに下ったところで石蓋のある暗渠へ入っていた。


「大雨の時も、この流れ?」


「基本は同じです。ただ、暗渠の入口が詰まると水が引かず、この辺りまで広がります」


ブレーマーが靴先で、井戸前の敷石と通りの境を示した。


よく見ると、一部の石がわずかに沈み、目地に乾いた泥が残っている。


「ここまで?」


「ひどい時には。井戸の縁を越えて中へ流れ込むほどではありませんが、周囲に水が溜まります」


井戸の口は石縁で高くしてある。


それでも、汚れた水が足元まで来るのは気持ちのいい話ではない。石の隙間や地面の中でどう動くかまで、俺には分からない。


「上の家並みは?」


地図で見た方を指す。


「こちらです」


表通りから1本入ると、人が2人並べば狭く感じる裏路地になった。


井戸のある通りより少し高い。


路地の片側に家の裏口や物置が並び、そのうち1軒の奥に便所小屋があった。床板の下に、汲み取り口を石板で塞いだ便槽がある。


ブレーマーが石板を全部外させることはしなかった。


代わりに、外側の石積みへ回る。


「図に記録が残っているのは、これです」


便槽は地面を掘った穴の内側を石で囲った造りだった。崩れてはいない。ただ、下の方の目地が黒く湿り、石の表面に細い染みが残っている。


「この湿り、雨が降ってない日も出る?」


「出ます」


「中身が染みている可能性は?」


「あります。目地が痩せているのか、内側の石が動いているのかは、開けて見なければ分かりません」


便槽の中身がそのまま外へ流れ出している、と確認できたわけではない。


ただ、漏れている可能性がある。


しかも、この便槽のある裏路地は井戸のある通りより高い。


ブレーマーが路地の先を指した。


「強い雨の時は、この路地の水も表通りへ下ります。本来は途中の溝から暗渠へ入りますが、先ほどの入口が詰まっていると、井戸前の方へ回ることがあります」


頭の中で地図と目の前の傾斜がつながった。


上手に便槽がある。


その石積みに漏れの疑いがある。


雨が降れば裏路地の水が下へ流れる。


下の暗渠が詰まれば、井戸の周囲まで水が広がる。


それだけで井戸水が汚染された証拠にはならない。


だが、少なくとも「水場と汚物は別の場所にあるから関係ない」とは言えなかった。


ヴェーバーも便槽と路地を見比べている。


「この辺りの家で、腹の病が多かったのですか」


ケラーが地図を開いた。


「この家を含む数軒に記録があります。ただ、同じ家の中で続いた例ばかりではありません」


「大雨の後に増えたかは?」


「今の記録では日付が粗く、まだ分かりません」


「そこは今後ですね」


ヴェーバーはそれ以上決めつけなかった。


俺はブレーマーへ聞いた。


「この便槽は、補修するなら一度空にする?」


「はい。中を減らしてからでないと、内側までは見られません」


「通常の汲み取り日は?」


少し後ろにいた汲み取り側の男が答えた。


「まだ先です。ですが、この数軒だけ前倒しすることはできます」


「前倒しした分、いつもの受け入れ先で引き取れる?」


男はすぐには答えず、予定を思い出すように目を上げた。


「近郊の農家へ肥料として渡しておりますが、同じ日に量を増やすのは難しいです。日を分ければ受けられます。荷車と馬も、その方が回せます」


便槽を早く空にしたい。


だが、汲み取った中身を路上へ置いておくわけにはいかない。


運ぶ荷車と馬だけでなく、受け取る農家側の都合まで合わせる必要がある。


「ほかの地区の汲み取りを遅らせずに組める?」


「この数軒なら。日を分ける前提です」


「ブレーマー。この井戸を使う家並みと、上手の便槽、それから同じ暗渠へ流れる範囲。まずはこの一角だけ手を入れられる?」


ブレーマーは地図と通りを見比べた。


「できます。工事も、王都全体を止める規模にはなりません」


「ケラー、範囲を図に残してくれ」


「はい」


ケラーが、持ってきた一枚の地区図へ対象範囲を書き込んだ。


その横で、ルーカスが俺へ近づいてくる。


「陛下」


「何?」


「そろそろ昼食のお時間です。続けてご覧になるのでしたら、先に場所だけ決めていただけますか」


俺は便槽を見る。


次にルーカスを見る。


「ここ以外で」


「そのつもりで伺いました」


即答だった。


さすがに、便槽の横で昼飯を食べたいわけではない。


食事の前に手を洗いながら、今朝の共同井戸を思い出した。


桶の底まで見えるほど澄んだ水だった。


その少し上手には、内側から染みているかもしれない便槽がある。強い雨では、その路地の水が井戸前まで下ってくることもある。


見た目だけでは、つながっているようには見えない。


席についてから、ヴェーバーへ聞いた。


「顕微鏡で井戸水を見たことはある?」


「あります」


「何が見える?」


「細かな粒や、動くものが見えることはあります。ただ、それで水が安全かどうかを判断したことはありません」


即答ではなかった。


ヴェーバーは続ける。


「陛下は、あの井戸の水から病の原因を見つけるおつもりですか」


「いや。今ある顕微鏡が、その判断に使える道具なのか知りたい。使えないなら、それでいい」


「それでしたら、比べるだけならできます」


数日後、王宮で使う水、対象地区の共同井戸、もう一方の地区の井戸、それから側溝脇の溜まり水を一度だけ見た。


前世の理科室にあったものより扱いにくい。焦点を合わせるだけでも時間がかかる。


それでも、小さな粒や糸のようなものは見えた。動いているように見えるものもある。


問題は、それが対象地区の井戸だけではなかったことだ。


王宮の水にもある。


もう一方の地区の井戸にもある。


溜まり水は目に見えるものが多かったが、それで病気を起こすものがどれか分かるわけではない。


俺は王宮の水と、対象地区の井戸水をもう一度見比べた。


「これじゃ、どれが病気に関わるかなんて分からないな」


ヴェーバーも接眼部から顔を上げた。


「はい。少なくとも、この見え方だけでは判断できません」


これを毎回数えても、今は意味がなさそうだ。


ただ、一つだけ伝えておいた方がいいことがある。


俺は地区図を机へ寄せた。


「ヴェーバー。私は、人の便で汚れた水や食べ物から病気が広がる時、目で見えないほど小さい何かが関わっていると思ってる」


ヴェーバーはすぐには答えなかった。


「……汚れそのものが身体に悪い、という話ではなく?」


「それだけじゃない。全部がそうだとは言わないけど、生き物に近いものが水や食べ物を通って身体へ入り、病気を起こすことがあると思ってる」


今度は、はっきり間が空いた。


「水の中の小さな生き物が、人を病ませるということですか」


「そういうものがいると思ってる。ただ、今見えたもののどれかは分からない。ここでは見えないほど小さいかもしれない」


ヴェーバーは顕微鏡と俺を見比べた。


「私は、その考え方は聞いたことがありません」


「だろうな。私もここで証明はできない」


「でしたら、その点については、今の私には判断できません」


俺は地図の一角を指した。


「ただ、こっちはどうだ。漏れているかもしれない便槽がある。暗渠が詰まれば、雨水が井戸の周りまで戻る。井戸前の敷石も沈んで、水が溜まりやすくなってる。便槽の中にいる悪さをする目に見えない小さいものが井戸に移っていると考えれば、腹の病になりやすくなるのも多少筋は通るのではないか」


ヴェーバーは図を見た。


「可能性としてはあるのかもしれません。とはいえ、それを証明することは中々に難しいことかと。ただ、汚れた水と井戸の水が混ざれば、腹の病になりやすいことは確かだと思います。ですので、便槽の漏れは直した方がいいでしょう。汚れた水が井戸の周りへ溜まるのも、避けた方がいい」


「なら、まずそこを直す。その後、この一角の腹の病がどう動くかを見る」


ヴェーバーは頷いた。


「その経過を見ることなら、私も協力できます」


微小なものが病を起こすという話を、ヴェーバーが信じたわけではない。


それでも、目の前にある衛生上の問題を直すことと、その後の患者の出方を見ることは両立する。


試行の内容を決めたのは、その翌日だった。


机へ広げたのは、ケラーが現地で書き足した地区図だ。


やることは難しくない。


共同井戸へ汚れが回り込む可能性を、この一角でできるだけ減らす。


その後、これまで集めてきた「腹の病」と埋葬の記録がどう動くかを見る。


俺はブレーマーへ聞いた。


「井戸前の敷石は?」


「沈んだものを起こして、こぼれ水が側溝へ落ちるよう傾きを直せます」


「側溝と暗渠は?」


「泥とごみをさらいます。先ほど見た暗渠入口を優先します。流れそのものを変える工事は、下流側を確認してからです」


「便槽は?」


「先に空にして中を見ます。外側が湿っていた場所に隙間があれば、目地を詰め直します。石が動いていれば、その部分だけ組み直します」


「汲み取りは?」


「この一角だけ、しばらく間隔を短くできます。荷車と受け入れ先の日程を合わせます」


「ほかの地区を遅らせない範囲で」


「はい」


次にケラーを見る。


「記録は増やしすぎなくていい。今まで通り、この2地区の腹の病と埋葬を追ってくれ。家が分かるものだけ、この範囲の内か外か分かるようにしておいて」


「承知しました」


「ヴェーバーは、いつも通り診ていて、この一角で腹の病がまとまって出た時だけ知らせてくれればいい。新しい帳簿を作る必要はない」


「承知しました」


「もう一方の地区も、危ない場所が見つかったら直す。比較のために放っておくことはしない」


ケラーが頷いた。


これで見るものははっきりした。


井戸周りの危ない経路を減らす。


その後、腹の病の出方が変わるかを見る。


すぐに答えが出る話ではない。


それでも、今できることは始められる。


*


最初の作業が始まった日、俺はもう一度現地へ出た。


暗渠の入口では蓋石を外し、溜まった泥やごみを掻き出している。水へ作用する魔法を使える作業員が流れを少し寄せ、その間に別の者が長い道具で泥を集めていた。


少し先では、汲み取りを終えた便槽の脇で石工が湿っていた目地を開いていた。


汲み取りの荷車も来ている。


「今日の分、受け入れ先は?」


俺がブレーマーへ聞く。


「確認済みです。近郊側で受けられます」


「ほかの地区の予定は?」


「遅らせておりません。今日は空きが出た荷車を1台回しています」


「分かった」


共同井戸の周囲では、沈んでいた敷石を一度起こし、こぼれ水が井戸際に溜まらず側溝へ落ちるよう傾きを付け直していた。


大工事ではない。


巻き上げ枠の脇まで石を外している間だけ井戸を止め、管理人が住民を近くの別井戸へ案内していた。


空の桶を持った女性と目が合う。


軽く頭を下げると、向こうが慌てて深く頭を下げた。


失敗した。


王が軽くお辞儀をしたら、そりゃ相手は焦るに決まってる。


横を見ると、ルーカスと目が合った。


「何だ」


「何も申し上げておりません」


「そうだな」


そのまま歩いた。


一通り見たところで、ブレーマーが作業員の方へ戻る。


もう俺へ説明するためではなく、暗渠の泥をどこまでさらうかを作業員と話していた。


ケラーも、実施した場所と日付を確認している。


ヴェーバーは来ていない。今日は診療の日だ。


「陛下、次のお時間がございます」


ルーカスが声をかけた。


「分かった」


馬車へ向かう。


角を曲がる前に一度だけ振り返ると、ブレーマーはこちらを見ていなかった。


作業員と一緒に、開けた暗渠の中を覗き込んでいた。


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