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(ファーブラ・フィクタイズム5)【カルタイ・ウィクトリケス】プロローグ編  作者: 羽絶 与鎮果


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11/71

プロローグ編011/【虚構の(小)祭典】開幕1

 ぽつん・・・

 水滴が1粒落ちる音がした。

 ぽつん、ぽつん・・・

 水滴が2つ落ちる音がした。

 ぽつん、ぽつん、ぽつん・・・

 水滴が3つ、

 ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん・・・

 水滴が4つ、

 ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん・・・

 5つ、

 ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん・・・

 6つ、

 ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん、ぽつん・・・

 7つ、

 ・・・

 沈黙・・・

 かと思うと、

 ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・ザー・・・

 と雨音がだんだん大きくなる様に音が変わっていった。

 サー・・・

 雨音が静かになっていく。

 と、同時に【道化師】が一名現れた。

 その【道化師】はどこの誰へとも無く語り始める。

『やぁ・・・皆さん。

 こんにちは。

 私は、【道化師】・・・

 ただの【道化師】であります。

 私のことはどうでも良いのです。

 私は単なる脇役に過ぎません。

 重要なのは、私が案内役を勤めさせていただくことになった【第96虚構の(小)祭典】が始まると言う事です。

 96番目という事で(【虚構の(小)祭典】の中で)一番歴史が浅く、そして規模も一番小さい【祭典】となりますが、精一杯盛り上げさせていただきますのでどうかよろしくお願い奉ります。

 【第96虚構の(小)祭典】への参加条件/資格ですが、ある程度の【想像力】があればどなたでも参加が可能となります。

 【脆弱】な生命体である【人間】であってもある一定以上の【想像力】を有しておれば、【参加チケット】が送られます。

 参加するか否かは個人の自由ですが、滅多にない素晴らしい体験も出来るはずなので、ほとんどの方が、資格を有した場合、参加されます。

 次に、【第96虚構の(小)祭典】で展開される催し物などについてですが、これは、【虚構の(小)祭典】全てに共通する事でもありますが、簡単に表現すれば、【虚構を現実に変える】事をイベントして披露しております。

 【人間】にも分かり易く表現すれば、【漫画】や【アニメーション】などを【実在化】させる物と言えばよろしいでしょうか?

 もっともそれだけではなく、【人間の想像している想像物】も【具現化】が可能となっております。

 【創作活動の祭典】と似て非なる物と言えば少しはご理解いただけますでしょうか?

 まぁ、あれこれ細かく説明するよりは実際に体験していただいた方が早いですね。

 ようこそ。

 あなた方は、【第96虚構の(小)祭典】の【チケット】を受け取る資格を得ました。

 参加されますか?

 見送りますか?

 選択するのはあなた方です。

 選択されなければ、ご縁はそこまでです。

 それ以上、何かをする事はございません。

 ですが、参加をご希望される場合は私が案内役を務めさせていただきます。

 1名に対して、1名ずつ。

 サポート役として、私達、【道化師】が付きます。

 どうされますか?』

 と言った。

 それを聞いた少女は、

「面白そうだわ。

 お受けします」

 と【道化師】の手を取った。

 少女は、この物語の【主人公】の資格を持った者ではない。

 あくまでも疑似体験として、【主人公】達が体験する前に、仮体験する、ただの脇役であり、仮の主人公となったただの少女である。

 名前が無いとこの先、不便なので、少女に名前を与えよう。

 少女の名前は、【鹿野(かの) 四菜(よつな)】と言う。

 彼女の簡単なプロフィールだが、特に際立った物は無い。

 表向きはであるが。

 想像力はたくましく、小さな頃から色んな事を想像して楽しんでいた。

 ただ、それをイラストや漫画、アニメーションや小説などで表現する事は無かった。

 あくまでも【想像】の中で楽しむタイプと言える。

 【絵心】は正直言って無い。

 あくまでも【想像】で楽しむと言うタイプだった。

 【第96虚構の(小)祭典】に評価された理由はただ単に【妄想】する【妄想力】のみ。

 【妄想力オンリー】である。

 それを表に表現する【表現力】が無いだけであり、【想像力】自体は一定の基準を超えている。

 一定の基準とは何を指すのか?

 それは、【発見力】、【発想力】を指す。

 例えば、左右に道が分かれている時、

 右に進むか左に進むか問われた時、真ん中にコースを造って渡ると言う選択が出来る者が【発想力】として評価される。

 【発見力】であれば、誰も気付いていなかった難解な【文章】の中の【誤字脱字】を発見出来た。

 その様な場合、評価される。

 左右の道のどちらかを進む事しか出来なかった者や流し読みをして、【誤字脱字】を発見出来なかった者は資格がないと判断される。

 【四菜】は、【発想力】、【発見力】共に一定の基準を超えている。

 例えば、誰も思いつかない様な【物語】の続きを考える事が出来る。

 それくらいのレベルには達している少女だと思って貰えれば幸いである。

 その事が高評価されて、彼女は、【第96虚構の(小)祭典】からの招待を受けたのである。

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