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第48話 未来へ立つ守護者
巨人は、俺が逃げるより先に逃げ道を殴った。
銀扉の向こう、地下天文庫層中央は半球形の観測室だった。天井には夜空を切り取ったような星盤が回り、床には無数の軌道線が銀色に刻まれている。その中心に立つ守護者は、身長だけでセレネの四倍。黒曜石の鎧へ星屑が流れ、頭部には顔の代わりに回転する天球儀が埋まっていた。
拳が床を打つたび、まだ誰もいない場所へ円形の亀裂が走る。
「グオオオオオ……」
石窯へ嵐を閉じ込めたような唸りだった。空気が震え、俺の体表が勝手に波打つ。鑑定を向けようとした瞬間、天球儀の星がこちらを向き、核の奥まで冷えた。
「だめだ。数字を見る前に、見られてる」
「落星守護者、アストラ・ゴーレム。天文庫の観測結果を守る存在です」
セレネの声も硬い。いつもなら相手を測る彼女が、弓を引いたまま一歩も踏み込まない。
「どのくらい強い?」
「私が知る個体なら、侵入者の軌道を読んで迎撃します。ただし、これは……記録より大きい」
「そこは小さいほうへ間違ってほしかったな!」




