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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅶ 人間と動物

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懺悔日記の最後を飾ろう

「では、私と出会ったことは……いいことじゃなかったんですか?」

「……」

「私が貴方に恋したのは、間違いだったと、そう言いたいんですね?」

 言葉の意味は通じなくても、ニュアンスは伝わっているのだろう。

 少年は口をつぐんで、グーミーの顔をじっと見ていた。

「声が届かなくても、想いが通じなくても、私は貴方を好きになって良かったと思いますよ。人一人の命を救えて、満足しています。こんな私でも、できることがあるんですから」

 涙こそ流さないものの、切ない想いをずっと抱え込んでいたグーミー。

 決して許されない禁断の愛。

 聞こえない、届かない想い。

 想っていても、掻き消される声。

 誤解を生じ、相手を怒らせてしまう。

「……説教? だったら、ごめんだよ……」

「どうか、生きてください。今は辛いでしょうが、これから先はきっといいことが待ち受けています。私が保証します。どうか、幸せになってください」

 グーミーは少年の頬にキスをした。

 少年は頬に手を当てて、びっくりしていた。

「……君……どうして……」

 悲しげに微笑んで、グーミーは少年の目の前から完全に消え失せた。

 天界からの追放と共に、魔界に連行され、悪魔になったのだ。

 そこからのグーミーの悪魔生は熾烈を極めた。

 過酷な試練に耐え、悪魔として生きながら天使に戻る方法を模索していた。

 天使には戻れなかったが、堕天使としてならまた天界に置いてやってもいいという条件で、グーミーは天界に戻った。

 待っていたのは、裏切り者への制裁。

 それらを見かねた神が、グーミーを地上に落とし、修行させることにした。

 そして修行を終えた暁には、天使に昇格し、皆に認められる天使になれる……ということだ。

 せっかく天界に戻れたのに、また魔界に行くことになってもいいとアキヤは言う。


「私も人間みたいに恋愛をしてみたいんです。片想いではなく、両想いで」

「普通ではないですけどね……」

「どんな形であれ……愛はいいものなんですよ」

「そうですね。俺もそう思います。暁夜さんの好きになった少年、今どうしてますかね」

「きっと幸せになっていると思いますよ」

 アキヤがそう信じていれば、少年は幸せになっているのだろう。

 未だ天界の力を持っているアキヤには、その力がある。

 人の幸せを祈る力が。




 英夜はチャペルで待っていると言っていたので、アキヤは彼を置いていった。

 自室に行き、最後の懺悔日記を記す。

 今日が、懺悔日記の命日になる。

 懺悔日記を書くのは、とても楽しかった。

 だが、人の愛を書くのはこれで最後。

「私は……天使を卒業します」

 万年筆を取り、紙に書き出した。

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