異生物愛
「あ、どうも……」
長い話を立ってするのは大変なので、アキヤと英夜は長椅子に座った。
「俺、異生物愛っていうやつみたいなんです。よくわからないんですけど」
「異生物? つまり……人を愛しているわけではなく、動物が好きなのですか?」
「そうです」
「はあ……。それが罪……ですか」
アキヤは顎に手を当てて、考え込む。
動物に愛を感じるのは、禁断の愛なのだろうか。
「みんなの反対を押し切ってまで、カナーンを愛してしまって」
「カナーンとは?」
「俺のペットです。亀の」
「カメーンじゃダメなのですか? 可愛いと思いますが」
アキヤが言うと、英夜は気前よく笑った。
「ははっ、面白いですね。駄洒落ですか!」
「……気持ち良く笑いますね。私のくだらない駄洒落にここまで笑う方とは、会ったことがありません」
「お互い、名前に夜がつく者同士、気が合うのかもしれませんよ、暁夜さん」
「……ひいよさんの、よは夜なんですね」
「ですね。英雄と夜です。ちょっと説明するの、はずいんですけど」
アキヤは英夜といい雰囲気になって、ハッとする。
もしや、彼はアキヤに気があるのではないだろうか。
異生物が性愛対象ということは、アキヤも例外ではない。
アキヤの尋常でない雰囲気に惹かれているのではないか。
「話すと長くなるんですけど……」
「はい。今は五時間くらいなら、頑張って聞けますよ」
「あ、そんなにはないので。大丈夫です」
沓の話が長すぎたのだ。
常岡英夜の話は数時間で終わった。
「……終わりです。長かったですよね」
「いいえ。お話ありがとうございました。では私はこれで。懺悔日記を書きに自室に戻りますね。お帰りください」
「あ、待ってください」
「何でしょうか?」
「暁夜さんて、何者なんですか?」
「私ですか。私は天使。堕ちた……天使で、今は仮聖職者として修行中です。神ともお話ができますよ」
「天使……」
英夜はアキヤを羨望の眼差しで見つめた。
「……えっと……どうかされましたか?」




