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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
VI 既婚者と未婚者

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誰かの一番になっても、想いは届かない

「悪い……お前をこんな風にしか見られなくて」

「いいんです。誰の一番にもなれない、二番目の女は、ずっと貴方の道具でいましょう」

 彼女の口癖が、準の胸を酷く締めつけた。

 悪いことをしているとわかっていても、ベッドで一緒に寝るのをやめられなかった。

 煙草の代わりに、女と寝る。

 金はそれほどかからないが、罪悪感はとんでもなかった。

 そんなことを繰り返していると、足がつくのも当然の結果だ。

 妻にばれた。

「あんた、誰かと一緒に寝てるんでしょ」

「……」

「何とか言ったらどうなの! あんた、あたしには不倫なんかとか言っておきながら、自分はいいわけ? はあ、意味わかんない。何でそんなことができるのよ」

 子供の前で夫婦喧嘩をする二人。

 二人は度々正史を萎縮させた。

「次不倫したら、もう後がないからね!」

「……ああ……」

 一度や二度ではすまないくらい、準は弐衣と一緒に寝ていた。

 そのことを妻に話せば、きっと許してはくれないだろう。

 弐衣の手を取ってしまう準も悪いが、それを拒まない弐衣もまた悪い。

 妻は疲れのせいか、よくヒステリックを起こす。

「あたしは……あんたに愛されたくて……でもあんたはあたしを愛してくれなくて……金さえ渡していれば、あたしのことなんてどうでも良かったんでしょ。だから仕事に没頭できたのよ。正史のことだって……あんたは考えてなかった」

「それは違う……。お前のことは愛している。正史のことも愛している……。お前たちのために働いているんだ。他人に金を渡してもらいたいわけじゃないんだ」

「あたしがしんどいって言っても、聞いてくれなかった」

「俺も仕事で疲れて帰ってきていたんだ」

「……ハア……」

「……」

 この後、二人は結局離婚をすることになる。

 子供は妻と一緒に家を出ていった。

 互いに愛しているが、想いは空回りしていく。

 これは弐衣の呪いなのか。

 いや、弐衣が最も損な役回りをしていた。

 準がバツイチになってわかったこと。それは……


――誰かの一番になっても、想いは届かない。


 そんな、青春の甘酸っぱい一ページのような、出来事。

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