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愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
V 兄と妹

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悪人には罰を。


 万年筆を置いて、アキヤは鼻提灯をパンッと潰した。

「……途中から眠すぎて寝てました」

 それでもアキヤは沓に伝え聞いたままに、懺悔日記を完成させた。

「……特にコメントすることがないんですが、どうしましょうか。そうですねえ……敢えて言うならば、母は偉大だってことでしょうか。頭はいいですが、彼はお馬鹿さんなので、肉親も兄妹も好きになってしまったわけですが。父親じゃなくて良かったとは思います。ええ、それはもう禁断の愛どころではなくなりますよ。むさいです」

 アキヤの表情がげんなりとしている。

「想像するだけで吐き気が……。でも約束って、それほど重要なことなんでしょうか。そりゃあ、守らなければならない約束もありますけど。でもあの男と交わしたものは約束ではなく、一方的な脅しですよね。脅迫です。事故を起こした運転手に罰を与えるより、あの男に罰を与えたいです。ちょっと後味が悪い話ですよね」

 アキヤがそう言うと、神がアキヤに言った。

「ありがとうございます。あの男に、不幸があらんことを」

 アキヤは目を閉じて、手を組む。

 あの男を思い浮かべる。

「沓さんには幸せを、神と私が運んでいきますよ。悪人には罰を、そうでない人には幸福を与えましょう。我らはいつでもお待ちしております」

 締めの挨拶を少しアレンジして。

「愛こそ全て。禁断の愛は、必要悪で、正義なのです」

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