表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
V 兄と妹

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/96

次の暁まで

「この間の人の良さは何だったんだ。乱暴なのはお前もそうだろう」

 沓は文句を垂れて、更に時間を浪費した。

「貴方の勘違いでは? 私はイイ性格していると、自負しているので」

 アキヤはニコッと笑ってから、ドアを閉めた。

 閉め出しを食らった沓の文句が外から漏れ聞こえてくる。

 それを無視して、アキヤは懺悔日記を書きに行く。

 アキヤの無礼勝手極まりない言動を、神に咎められる。


「神。仕方ないじゃないですか。だって、早く書かないと忘れてしまいそうで。忘れたらまた聞かなければいけないんですよ。そうなったら面倒なんですもの」

 アキヤは頬を膨らませて、神に言い訳をする。

 神に言い訳は通用しなかった。

「はあ……すみません。私も子供でしたね……」

 アキヤは深いため息をついて、トボトボと歩いていく。

 自室に着いた矢先、アキヤは頬を叩いて気合を入れ直す。

「あいたた……ちょっと強く叩きすぎましたね……もっと優しくすれば良かった……」

 ひりひりと痛む頬を擦って、アキヤは椅子に腰かける。

「兄妹愛というものは、どの時代でも、なくてはならないものですよね。兄は妹を守り、妹は兄に守られる。互いを思い合い、助け合う。異性きょうだいだからこそ、お互いがお互いのことをきちんと理解しなければいけない。私もきょうだいが欲しいですー」

 涙が溢れ出し、アキヤは机に突っ伏す。

「私が誰かを思うことって、ないんですよね……神との関係は、親と子というよりは主人と従者のような関係ですし。深い絆で結ばれているわけでもなく……私だけに愛情を注いでくれているわけでもない……。やはり、私は人の子と長い時を過ごした方がいいんでしょうか。そしたら、もっと謎を解き明かせるかも」

 万年筆を手に取り、アキヤは呟くのをやめた。

 座り直して、姿勢を正す。

「さて、仕事ですよ! たまには、書き出しを捻ってみるのもいいですね」

 大声を出して、アキヤは自分に喝を入れる。

「次の暁まで……」

 意味深な言葉を残し、アキヤは懺悔日記を今日も記す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ