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君のいない人生
死んでからが真の愛の始まりなのだと、彼女の肉塊は告げる。
死した者への愛情は、やがて離れていく。
不変の感情などない。
矛屡も変わってしまった。
「ごめんなさい……。あたしが君を好きになったせいで……」
吐瀉物の中に、血が混じる。
矛屡は苦しそうに呻いた。
「あたしが君を殺したんだ……」
矛屡は、小痲だったものに、触れることもできない。
そこには、小痲の意志はなく、物言わぬ人形のように、冷たくなった残骸と……血の海だけしか、残っていない。
どこに愛を注げばいいのか。
冷たくあしらう彼女の顔を、もう見られない。
「好きにならなければ……君は死なずにすんだのに……」
一人の人生を変えてしまったことに、矛屡は後悔の念で埋め尽くされた。
人一人。されど一人。
彼女にしてみれば大きなことだったのだ。
矛屡は小痲のために、長く生きることを誓った。
「君の分まで……生きるよ」
彼女の墓に訪れては、花を供えて矛屡はもう二度と恋はしないことにした。
誰かを笑わせるだけの、道化になれれば、それでいい。
それ以上は、望まない。
「ハハ……でも、辛いや……君のいない人生は……」
墓の前で、雨が降ってきた空を見て、矛屡は笑うのだった。




