表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛こそ必要悪で正義 -sins-  作者: 社容尊悟
Ⅳ 女と女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/96

君のいない人生

 死んでからが真の愛の始まりなのだと、彼女の肉塊は告げる。

 死した者への愛情は、やがて離れていく。

 不変の感情などない。

 矛屡も変わってしまった。

「ごめんなさい……。あたしが君を好きになったせいで……」

 吐瀉物の中に、血が混じる。

 矛屡は苦しそうに呻いた。

「あたしが君を殺したんだ……」

 矛屡は、小痲だったものに、触れることもできない。

 そこには、小痲の意志はなく、物言わぬ人形のように、冷たくなった残骸と……血の海だけしか、残っていない。

 どこに愛を注げばいいのか。

 冷たくあしらう彼女の顔を、もう見られない。

「好きにならなければ……君は死なずにすんだのに……」

 一人の人生を変えてしまったことに、矛屡は後悔の念で埋め尽くされた。


 人一人。されど一人。

 彼女にしてみれば大きなことだったのだ。

 矛屡は小痲のために、長く生きることを誓った。

「君の分まで……生きるよ」

 彼女の墓に訪れては、花を供えて矛屡はもう二度と恋はしないことにした。

 誰かを笑わせるだけの、道化になれれば、それでいい。

 それ以上は、望まない。

「ハハ……でも、辛いや……君のいない人生は……」

 墓の前で、雨が降ってきた空を見て、矛屡は笑うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ