アキヤは天の使い
昨日来た内の一人が、今日もまた足を運んだ。
アキヤは女性にぺこりと頭を下げた。
「何度もすみません」
「いえ。いいんです。ハハ」
「……手短にした方が宜しいですか?」
「大丈夫です……ハハ」
「それは癖ですか?」
自嘲気味に笑う女性に、アキヤは問いかける。
「そうですね……何でか知らないんですけど、いつも笑っちゃうんですよね。何でなんだろ。ハハハ……直したいんですけどね、かっこ悪いから」
「それは恐らくですけど、暗い話にならないように私に気を遣っているんだと思いますよ。私はそう思います。もしそうでなかったとしても、良い方に捉えて悪いことはありません。愛を説く私の神も、私も、そう思っています」
アキヤは女性に優しく言った。
女性は朗らかに笑みを湛える。
「ありがとうございますっ」
「元気ですね。良いことですよ。その笑う癖は、人を傷つけるものではないと思うので、直す必要はないと思います。誰かに何かを言われた時に、直そうとすれば良いのではないでしょうか。たとえば、苛々する……など」
「あなたはそう思うってことですかね?」
「いいえ。たとえばの話ですよ。あくまでも、私の意見ではありませんから」
「シスターさん、変わってますよねー」
「私は至って普通ですよ?」
「んーん。変ですよ。わかります。変なニオイがプンプンするんです」
「それは私に対する侮辱と受け取っても?」
「やだなあ。変って褒め言葉ですよ?」
女性は手を振って、アキヤの発言を否定する。
「あたしはアブノーマルな人間なんで、そういう感じの人がわかるんですよ。シスターさんはあたしと同類だなって。におうんです。ハハ」
女性はそう言って、アキヤに火を点けて、ますます対抗心を本気にさせた。
「さてさて、同類だとして……私の正体を見破れますか? 貴女には無理な話ですよ」
「実は学生! とかですかね。ハハ」
気楽に言った女性に、アキヤはにっこりと笑って真実を告げる。
「違いますね。根本的なところで違っています。私は……」
「天の使い、なんですよ」
「天使……?」




